頭の中の暗闇を身体の周囲に延長する−読書メモ:港千尋著『洞窟へ』(1)
港千尋氏の2001年の著書『洞窟へ』を読む。
写真家である港氏が、旧石器時代に壁画が描かれた「洞窟」と、人間の頭蓋骨の中というもうひとつの「洞窟」の間を往来しながら、人間にとってのイメージの起源を問う。
ホモ・サピエンス・サピエンスとしての「持続」を、わたしたちのなかにあるもうひとつの洞窟=脳へと探ってゆく。神経細胞群淘汰を導きにし、痕跡が表象となるプロセスを三項関係の記号過程として捉えながら、もういちど「見ること」とはどのような営みであるのかを考え直す。…広い意味で