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ドクター・ドレーをファインダー越しに見ることができた、数少ないカメラマンのひとり、スコット・カウンシル。

南カリフォルニア出身のフォトグラファー、スコット・カウンシルは、写真に惚れ込んだ理由をこう表現する。「人を撮影するとき、私が思い描く通りの姿でその人を捉えることができるんだ。自分の理想を対象の人物に投影することで、写真を通じて理想の世界を構築することができるんだよ」。

Brilliant Composition

理想の具現化

Scott Council

写真を通して、自分の周りの世界を思い通りにコントロールすることができる

 サーフィンが趣味だと語る生粋のカリフォルニアンである彼は、俳優、コメディアン、アスリート、ミュージシャンといった人物をダイナミックで鮮やかに捉えたポートレート撮影を得意とするカメラマンだ。彼の写真は、くっきりとした陰影やムードのある世界観が特徴的であり、アメリカの映画、テレビ、スポーツ、音楽界のさまざまな出版物や広告に採用されてきた。もともとフォト・ジャーナリストを目指していた彼は、1995年に戦争の真っただ中にあったユーゴスラビアへ飛び、写真を撮影する仕事を行った。ところが、この仕事を終えた頃には、写真の世界を離れる決意をしていたと言う。「戦争で心が傷つき、アメリカに戻ってからも、しばらく立ち直れないでいたんだ。戦争の現実を見た後で、アメリカはなんて平和ボケしているんだって思ったよ。あまりにも精神的にこたえてしまって、もう写真はやめようと考えた」。その後、ビジネス学校へ行き、一時的にビジネスマンを目指した彼だが、本屋である本に出会ったことが運命のわかれ道となった。「セバスチャン・サルガドという写真家の本を見て感動したんだ。彼の写真にすごく感情が揺さぶられた。本屋にいたから泣かないように我慢したけどね(笑)。そのときに、私もこういうパワフルな写真が撮りたい、と心から思えたんだ。それからは、ずっと写真家になることだけを考えた」。

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