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「頭一つ抜きん出れない人」の残念な思考法

頭一つ抜きん出ない人はどんな人か?

僕が思ういまいち頭一つ抜きん出ない人とは、「売れているものの真似ばかりしていて、自分の内側にあるものと向き合わない人」です。

売れているものの真似ばかりしている人とは、「どういうものが売れるかな?」とか「こういうのが流行ってるよな・・・」といった、マーケティング思考ばかりで企画や製品の方向性を決める人です。

一方の自分の内側にあるものと向き合う人とは、「自分はどういうものをいいと思うか?」「自分が心から熱狂するのはどういうものだろうか?」といった、本気で自分が使う立場に立って物事を考える人です。

頭一つ抜きん出れるかどうかの大きな分岐点がここにあると僕は考えています。

なぜ人真似では抜きん出れないのか?

「売れてるものを分析するのは当然でしょ?」と思われるかもしれませんが、確かにそれは当然です。

でも、それは「どの市場に製品を投下するか?」という市場分析のために使うべきものであって、「じゃあどういう製品にするか?」を考えるときに使うべき思考法ではありません。

なぜか? まずどれだけイケてる商品を生み出したとしても、そこに大きな市場が広がっていなければ、いずれ売上は尻すぼみになるからです。だからこそ「市場規模を測るための」売れているものの分析は必要です。

(例えば僕は、ビジネス書の各ジャンルの市場規模を測るときに、売れている本の売上を調べています。例えば「上司のための本の市場規模はマックスどれぐらいか?」を測るために、「上司のための本のベストセラーの上限値」を探ります。

この例で言えば、(乙丸調べで言うと)『「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方』(サンマーク出版)という本が35万部を突破しているので、上司のための本のベストセラーの上限値は35万部だ、という仮説を立てられることになります)

一方、「どういう製品にするか?」を考えるときに、なぜ売れてる製品を真似して作ってはいけないのか?

それは、売れている製品には、外からは伺いしれない理由があって売れているのであって、外から想像して売れた理由を分析しても、大抵の場合的を外すからです。

外からは伺いしれない理由とは、本の場合で言えば、通常なら、ジャンルの選定やコンセプトなどの「打ち出し方」がよかったとか、デザインなどの見た目がよかったとか、タイトルなどのキャッチコピーがよかったとか、宣伝の仕方などのマーケティングが秀逸だったなどの要因が考えられます。

あるいは、偶然タイミングがよかったから当たったのかもしれないし、誰か影響力のある人が強烈にプッシュしたから当たったかもしれない。もしくはテレビなどのメディアで強力に取り上げられたから当たった可能性もあるわけです。

しかも、それらすべての要因を完全に積み上げたからその商品はヒットした可能性すらある・・・。

そう考えると、それらの複合的な要因を外からの想像だけで完璧に再現するなんて行為は、土台無理という結論にならざるをえないわけです。

それらの成功要因を完全に再現できない外からの観察は結局、的を外した売れない製品にならざるを得ない場合が多い、という結論になるのです。

オリジナリティってどうやれば発揮できるの?

じゃあ、オリジナリティとはどうやって発揮すればいいのか?

それは、製品の企画や開発に当たって「自分はどういうものを強烈にいいと思うか?」「自分が心から素晴らしいと思うものはどういう形か?」という目線で企画や製品の開発に当たるだけです。

たったそれだけ。

ただ、それってどういうことか難しいと思うので、一つ僕が「自分が心から欲しい物を作っていいんだ!」(≒そっちのほうが結果的に売れるんだ)との確信に至ったときのエピソードがあるので、それを紹介したいと思います。

それは何かと言えば、現在16万部を突破している僕の担当本である『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか?』(中島聡さん著・文響社刊)の取材のときに、中島さんから直接お聞きしたエピソードです。

中島さんは、堀江貴文さんから「元マイクロソフトの伝説のプログラマ」と呼ばれた人で、世界を一変させたWindows95の基本となった設計思想を生み出した人(チーフアーキテクチャ)です。

本の中にもまったく同じ話が書かれているので、次に該当箇所を引用します。

「私がWindows95の基本設計を作っているときに真っ先に考えていたのは、純粋に「それまでのWindowsの使い勝手の悪い部分、部分はどこか」という問いでした。すなわち、いまある製品・サービス・考え方を「何か使い勝手の悪い部分、気に食わない部分はないか?」という視点で眺めてみるです。

この問いに答えが出れば、あとは冴えたアイデアを出すのは容易になります。なぜなら、「じゃあその使い勝手の悪い部分をすごく使いやすいものに変え、気に食わない部分をストレスフリーするにはどうすればいいか?」を考えそれを実現すればいいだけだからです。

最初にマウスを活用したパソコンは、アップルのMacintoshでした。すでにドラッグ&ドロップのような発想はありました。しかし、アップルのマウスにはボタンが一つしかないため、できることは限られていました。マイクロソフトのマウスはポタンが二つあり、その使い方はソフトウェアエンジニアに任されていました。

そこで私は、アイコンの上で右ボタンをクリックすると、そのアイコンでできることすべてがコンテキストメニューとして表示され、左ボタンをダブルクリックすると、そのメニューの中で、最も頻繁に使う動き(文書ファイルであれば「開く」、音楽ファイルであれば「再生する」)が実行されるというルールを定めることにしたのです。

誰にでも理解できる簡単なルールが決まっていれば、簡単に使えるようになるからです。

つまり、二つボタンのあるマウスと、それを使って操作性を一気に向上させるという視点を組み合わせたときに、必然的にダブルクリック、右クリックでコンテキストメニューを表示などの方法が生まれたのです。」

つまり中島さんは、「”自分が”最も使いやすい形に沿ってWindows95の基本設定思想を生み出した」のです。

そんな”中島さんにとって最も使いやすい形にした”Windows95が、発売されると同時に、一夜にして世界を一変させた強烈なイノベーションとなったのです。

多くのベストセラー書籍もこの方法で生み出されている

実は、「自分のために作れ」「自分が強烈にいいと思うものを作れ」という方法論を、僕は以前とあるベストセラー編集者に聞いて知っていました。

その編集者とは、160万部を突破した『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』(光文社)や、世界累計500万部超えの『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)の担当編集の柿内芳文さんです。

以前僕は柿内さんに、個人的に(焼き肉とうなぎを奢って笑)計8時間ぐらい取材したことがありました。

その時に柿内さんから出ていた話が、「自分のためにつくれ」(あるいは、「”現在の”自分でなくても、過去の自分のために作れ」)っていう話であり・・・、同時に「まず自分一人に強烈に刺さるものを生み出した時にはじめて、その背後にいる自分と似たような思考をする100万人(=日本の成人人口の約1%)にも強烈に刺さる余地が出てくる」という話でした。

でも、実際にはそれを実行に移すのはすごく時間がかかった。それはなぜなら、それを実行に移すのがあまりにも怖かったからです・・・。だって、自分の感性を信じるって、経験していないうちは完全に暗闇への跳梁なわけで・・・ほんと恐怖でしかないからです。

そうこうする内、先日の通り、OSの世界を実際に一変させた中島さんから同じ話を聞き、僕は完全にその方法論に振り切る覚悟を決めました。

そうやって生み出されたはじめての本が、『世界一美味しい煮卵の作り方』(光文社)という本であり、その本は現在29万部に到達しています。

心のタガを外す方法

ただ本当に「自分の感性を信じる」って無茶苦茶怖いんですよね笑

他には、まったくここに書いた方法と同じ方法論で、ある編集さんが企画・編集し、シリーズ累計10万部を突破しているのが『あなたは半年前に食べたものでできている』(サンマーク出版)という本です。

その本がシリーズで10万部を突破したのが「編集者としての自分の転機だった」と語られている、サンマーク出版の池田るり子さんも、以前受けられた取材の中で次のように話されています。

「自分がほしいものを作って、それが売れる、なんてことは、一部の恵まれたチャンネルを持っている人だけだと思ってたんだよね。だけど、自分がずっとほしかったものを、初めて本にした一冊なんだ。」

その後、僕がこのnoteで書いたものと同じ方法論で、さらに池田さんが生み出された、『コーヒーが冷めないうちに』(サンマーク出版)は、現在なんとシリーズ累計125万部を突破しています(驚)

※『コーヒーが冷めないうちに』は、池田さん”自身が”元となった演劇を観て、むちゃくちゃ感動なさったところから、書籍化に踏み出された本だとのことです。

そういう意味で言えば、頭一つ抜きん出れない人をより抽象化して言うなら、「挑戦できない人」「暗闇への跳梁ができない人」と言えるかもしれないなと、今思いました。。

その問題に関しては、完全に覚悟というか心の問題なので、、自分で心のタガを外すしかありません。

じゃあそのタガを外す方法を教えろって?

そんな方法・・・ありますよ!お客さん!!

完璧にありますのでここで特別にお教えいたしましょう笑

それは、次の本を買って、実際に実行しろ!

以上!!

超簡単です笑

僕の知り合いの方は、「なんで乙丸は急にnoteなんか書き出したんだ?」と思われているかもしれませんが、、僕がnoteを書き出すために自分の心のタガを外した方法が、、正にこの本を読んで、むちゃくちゃ感化されて・・・タガが外れて、、実行に移った・・・。

たったそれだけの話です。

この本、多分タイトルが間違っていて、『自分の中に毒を持て』というタイトルで、芸術家の岡本太郎さんが書いた本なので、僕も長らく「優れた芸術を生むためには、人と違うことをしろ(=毒を持て)」みたいなことが書かれているのかなと思って、読んでいませんでした。

でも先日、日本最大のプログラミング教室の社長でビジネス系ユーチューバーのマコなり社長が激推ししていたのを見て、ついに重い腰を上げて読んでみたんです。

そしたら、素晴らしくいい本でした(もっと早くに読んでおくべきだったと思ったくらいでした・・・)。

一言で言えば、芸術論とかそういう話ではなく、、読者に向かって強烈に「生き方を問うてくる本」だったのです。

僕の中でも久しぶりのメガヒットだったので、ぜひぜひ手にしていただければと思います。

ちょっと話がずれてしましましたが汗・・・、ぜひぜひこのnoteに書いた方法論、参考にしていただければ嬉しいです•̀.̫•́✧

編集集団WawW! Publishing 乙丸益伸

P.S.
というわけで今後、皆様のお役に立ちそうなnoteを量産していきたいと思います☆

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編集集団WawW! Publishingの公式note。現在、映画監督・紀里谷和明著『地平線を追いかけて満員電車を降りてみた 自分と向き合う物語』(文響社刊)の関連記事を公開中。