陽明学コラム vol.1 陽明学との出逢い~2015~
どうして陽明学を学ぼうと思ったのか?
具体的に陽明学を学びませんか?とお誘いを受けたのは、2015年。
社労士として今後の展開を模索していた頃、社労士サミット2014東京で大阪の社労士日比野大輔さんの講演を拝聴し「求めていたものはこれだ!」と直感したのが出逢いの始まりでした。
当時、社労士業界ではリスク対応型のコンサルや、労使紛争解決などが多く取り上げられており、「悪い社員」への対応、といったようなスタンスに、ものすごく違和感を感じていました。
本当にその人は悪いだけの人だろうか?いい部分もあるのでは?
まわりの環境や、相手の対応も、影響しているのでは?
日比野さんのお話では、社員を辞めさせたいと言っていた社長さんと一緒に、その社員さんの自宅へ行ってお母さんとお話されたというエピソードがありました。
家に入ると、その家の暮らしの様子がまず目に飛び込んできます。つつましく暮らしているであろう家族の生活。そして、お母さんは子どもの至らないところやご迷惑をおかけしているかもしれないことを心配していろいろとお話されたそうです。
そんなやりとりの後、社長から飛び出した言葉は、
「うちの会社でしっかり育てます!」だったのだそうです。
社員を辞めさせたいと言っていた社長さん。
帰りの車では、涙を流しながら「ありがとうございました。今日はありがとうございました」と手を握って何度も感謝されたそうです。
この時、日比野さんは、こう感じられたそうです。
この社長は、本当は社員を辞めさせたいと思っていなかったのではないか?
本当にしたかったことは、社員に活躍してもらいたいということだったのではないか?と。
私達社労士が、その言葉を鵜呑みにしたり、世間の風潮に合わせて考え方を押しつけてしまったら、「誰かのために力になりたい」という純粋な想いを摘み取ってしまうことになりかねない。
だから、世間一般ではこうですよ、と押し付けるのではなく、その人の「誰かのために力になりたい」という純粋な想い(良知)を発揮できる環境を用意することがものすごく大事なんだとお話されました。
セミナーや講演というもので、涙が込み上げてきたのはこの時が初めてで、心が洗われるような感覚になったことを覚えています。
やっぱり、それでいいんだ。
大事なことはそこにあるんだ。
この仕事の可能性や価値、誇りを改めて感じることができたお話でした。
その後、日比野さんが登壇されるセミナーに追っかけのように参加して、楡木フォーラムという全国から集まる社労士の勉強会、京都フォーラムという公共哲学と経営実践の勉強会、盛和塾大阪の人事労務講座にも参加させていただき、たくさんのご縁も広がりました。
その流れで、冒頭の陽明学のお誘いにつながります。
この時、初めて陽明学を一から学ばせていただいたのが、一般財団法人咸生書院の難波征男先生でした。
この第1回陽明学入門講座は、全国で活躍されている社労士の先輩方が会場いっぱいに座られていて、ものすごい熱量だったことを覚えています。
そして、日比野さんのお話にまたたくさんの方が涙され。
新しい歴史の始まる1ページに立ち会えたような感動の勉強会でした。
そのご縁がつながって、今に至ります。
「誰かのために力になりたい」という純粋な想い(良知)を発揮できる環境を用意すること。
陽明学を学ぶと、その知恵や力が湧いてくるようになりました。
そして、奇跡のようなエピソードや感動の瞬間にもたくさん出逢うことができるようになってきました。
だから、これから出逢う人とも分かち合いたい。
そんな気持ちで陽明学を学び続けています。
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