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理系M2が大学院中退を決めて就職した話【完結編】

お久しぶりです。
気がついたら就職してすでに3ヶ月以上が経過していました。
社会人生活が楽しくすっかり更新が滞っていましたが、最終回を執筆したいと思います。

結論から言うと、LabBase経由で2つ、2022卒向け新卒採用で2つ、内定をいただくことができました。
どの企業の人事の方も「大学院を修了してもしなくても内定には変わりないので、なんさんが後悔のない選択をして来てください」との柔軟な対応で、ほんっっとうにありがたかったです。
最悪のシナリオばかり毎日想像していたので、その言葉でどれだけ心が軽くなったか…

就活が終わったとなると、次は大学院をどうするかです。
大学院に復学するかは相当悩みましたが、結論から言うと、復学はしませんでした。
理由は簡単にはまとめられませんが、自分の中に研究へのモチベーションが一切なかったこと、研究者になりたいわけではないこと、大学院を出ていなくても人生何とかなるとわかったこと、これ以上あの環境にいたら自分が自分でなくなる気がしたこと、学部卒の給料になるのに抵抗がなかったこと…などが理由としてあげられます。
私にとって大学院を中退することで起こりうる一番いやなことは、なんであのとき諦めたんだ!!!!!と、激しく後悔することでした。
ただ、その時点では大学院を出なかったことで後悔する日が来るのかどうか、来るとしたらどういうときなのかは考えつかなかったので、最後は大学院を修了できなかった事への引け目や未練、親への申し訳なさを今後背負って生きていくことを覚悟のうえで、中退することを決めました。

そして、第一志望の企業に大学院には復学しないことを伝えると、入社時期の相談にのっていただけたので、2021年の10月に入社することに決めました。また、教務の方の計らいで、退学手続きは全てオンラインで済ますことができました。
今は去年の今頃病院に行くほど衰弱していたのがウソのように、子供の頃からの夢だった宇宙業界でのびのび働いています。
自分の経験や特性を活かせていると感じていますし、今のところ大学院を修了していないことによる弊害は(大学院を修了している体で話を振られたときに中退していることをいちいち伝えるのがめんどくさい以外は)ありません。笑
正直研究の500000倍楽しく、復学せず半年早く入社したことで得られた知識や経験は、自分にとってはあと半年モチベのない研究をあの環境で続けることより意味があったと感じています。

まとめ

このブログを書こうと思ったきっかけは、大学院での研究が思うようにいかず、同じように休学や中退を考えて悩んでいたどこかの誰かのブログが、なによりの心のよりどころだったからであり、決して大学院中退をおすすめするつもりはありません。
大学院中退は勇気のいる決断です。
私はたまたま運がよく、結果的に自分の決断に満足していますが、ケースは三者三様です。なので、安易に「大学院中退しても大丈夫!辛いなら中退しよう!」と言うことはできません。人によっては修士卒という経歴がないことで夢を諦めなければならなかったり、現実と理想の狭間でもがき続けることになったり、今よりさらに苦しい状況になる可能性があるからです。
それに、もし頑張ることに決めて修了できれば、あのとき諦めなくてよかった!!!と思うことは間違いないからです。

大学院を中退するかどうか決めるにあたって一番重要なことは、結局は大学院を修了できなかった自分を自分自身が受け入れることができるかどうかだと思います。
まわりの人は思った以上に大学院を出ているかどうかに興味はないです。
確かに中退したことを伝えると、驚いたり、かける言葉に戸惑ったりする人はいます。でもそれは一過性です。
大学院を修了していないことへの劣等感や引け目は一生ついてまわります。よほどのことがない限り、ゼロになることはないでしょう。私もいくら今が楽しくても、ふとした瞬間に悲しくなることはあります。

ただ、中退するか悩んでいた時に友達からかけてもらった言葉に
「判断に納得できるかどうかは、判断そのものよりも判断の後の自分の行動によるところがある」
というものがあります。
これは本当にその通りだと思います。なので、どうしても大学院がつらくてつらくて死んだ方がマシだと思っている方は、なんとかしようという気概さえあれば、言っていることが矛盾しているようですが、やめてもなんとかなります。
視野が狭くなると、研究ができない自分はクズで惨めな情けない存在に感じると思いますが、そんなことはないです。人には向き不向きがあります。
どうしても修士が必要であれば、大学院には社会人になってからも入学できますし、世の中を広ーーく見たとき、大学院を出ている人は少数派です。
修士卒は幸せの必要十分条件ではありません。

人生万事塞翁が馬です。
もし大学院を中退することに決めた方は、そんな自分を受け入れ、勇気ある決断をした自分を責めずに、自分に研究が向いていないことがわかって良かったと前向きにとらえて模索し続ければ、道が見つかると思います。

それでは、このブログが少しでも同じように悩める誰かのお役に立つことを祈っています。
ここまで長らくお付き合いいただき、ありがとうございました。
みなさんが自分にとって最善の決断ができることを願っています。