ニンジャスレイヤーTRPGソロアドベンチャーリプレイ:ア・ケンゼンマインド・イン・ア・ケンゼンボディ

ニンジャ名:ケンゼンマインド
【カラテ】:5
【ニューロン】:6
【ワザマエ】:6
【ジツ】:0
【体力】:5
【精神力】:6
【脚力】:3
装備など:オーガニックスシ、クロームハート
 健全な精神は健全な肉体に宿るという考えを持っていた彼だが、ニンジャとなってからは非ニンジャは
不健全な肉体に不健全な精神宿った不健全存在として蔑視している。

 先日、サイバネ手術を受けたケンゼンマインドにとってこのミッションは渡りに船だった。この報酬で手術代のローンを返済できる。いちいちカネの心配をしなければならない精神状態からようやく開放できる。

 彼のサイバネはクロームハート。機械仕掛けの心臓だ。健全な精神は健全な肉体に宿るという信条のもと、ケンゼンマインドはカラテとザゼンのトレーニングを欠かしたことはないが、どれほど努力しても内蔵だけは鍛えることはできない。だから、心臓を機械化したのだ。

 卑しい非健全存在め! クローンヤクザを見たケンゼンマインドは心の中で毒づく。クローンヤクザに自我はほとんどなく、命令されたことしかしない。故に自らを鍛えようとはせず、当然そこに健全な精神など宿っているはずもない。

 至近距離でショットガンを撃たれればニンジャといえど危険。ケンゼンマインドはスリケンによる敵の排除を試みる。

 ダイスロール ワザマエ >>> 6,5,1,1,3,1 成功

 スリケンは真っ直ぐな健全的軌道で飛び、見事クローンヤクザの眉間に突き刺さった!
「マトに向かって投げるのと対して変わらんな」
 クローンヤクザ程度、その気になれば目をつむってもスリケン殺できる自信がケンゼンマインドにはあった。健全な精神は健全な肉体に宿る。ならばカラテも健全であるのは必定! 仕損じる道理はどこにもない。

 データセンターの扉には論理錠前がかかっていた。扉自体はさほど頑丈ではないので、カラテで強引に破壊することも出来るが、ケンゼンマインドは懐から小型のパーソナルUNIXを取り出して、論理錠前のハッキングを試みる。
 ノーカラテ・ノーニンジャとはいえ、インテリジェンスのないニンジャなど無能。ケンゼンマインドはカラテだけでなく、ミッション遂行に必要な知識も貪欲に吸収しているのだ。

 ダイスロール ニューロン >>> 6,2,4,3,5,3 成功

「キャバーン!」
 ハッキングが成功し、電子音とともに扉が開かれる
「俺は遊びでUNIXをいじっている不健全ギークハッカーとは違うんだ」
 ブンブ・リョドー。カラテとインテリジェンスを兼ね備えた者こそが真に有能なものであり、健全なるものだ。
 ケンゼンマインドは扉を開けてデータセンター内へ侵入する。

 部屋に入った途端にクローンヤクザが襲いかかってきた。警告なしの決断的侵入者抹殺行動。おそらく、入室したものは誰であろうと殺すよう命令しているのだろう。このデータセンターの責任者は優れたセキュリティ意識の持ち主であるのは間違いない。
 ケンゼンマインドは健全なるカラテを構える!

 ダイスロール カラテ >>> 5,5,5,1,2 成功

「俺の健全カラテを喰らえ! イヤーッ!」
「アバーッ!」
 ケンゼンマインドの健全的な水平チョップによってクローンヤクザの頭がボーリングのピンめいて跳ね飛ばされる。
 ケンゼンマインドは物言わぬ首なし死体となったクローンヤクザの懐を漁り、万札を抜き取った。健全な肉体の維持には金がかかるのだ。

「こいつをハックすれば今回のミッションも終わりか」
 ケンゼンマインドは自前のポータブルUNIXを対象UNIXと接続する。

「む」
 ハッキング中、ケンゼンマインドはこのデータセンターのケツモチをしているであろうヤクザクランのミカジメ入金用の口座を発見した。
「いや、余計なことをするべきではないな。健全ではない」
 資産やや重要情報を管理するUNIXほどハッキングに失敗したら毒矢射出や自爆などの攻撃的セキュリティが施されているものだ。痛い目を見た挙げ句、ミッションに失敗してソウカイヤからケジメされるなどゴメンだ。
 ケンゼンマインドは未公開株券データに絞ってハッキングを進める。

選択肢1 ダイスロール ニューロン >>> 2,6,1,4,6,3 成功

 ケンゼンマインドは未公開株兼データの強奪に成功した。彼はすぐさまデータを指定の場所に転送し、ソウカイヤにミッション完了を報告する。

 アジトに戻ったケンゼンマインドが自分の口座を確認すると、ソウカイヤからの報酬が入金されていた。
 ひと仕事終えた彼は、馴染みの出張スシ屋に連絡しイタマエを呼びつける。仕事後にオーガニックスシを食べるのが彼にとって密かな楽しみなのだ。
 イタマエはすぐにやってきて、ケンゼンマインドのためにスシを握り始める。
 スシが出来上がるのを待っていると、ポータブルUNIXにソウカイネットから次のミッションが通達された。

『ニンジャスレイヤーなる存在を調査せよ。すでに多数のソウカイニンジャが殺害されている』

「ニンジャスレイヤー? ふん。胡乱な名前だな。いいだろう。俺の健全なカラテを叩き込んでやる」
「よかろう、ならば今すぐ見せてもらおうか」
「なに?」

 眼の前で寿司を握っていたイタマエの挑発的な言葉に、ケンゼンマインドはポータブルUNIXから視線を移す
 
「ドーモ、ケンゼンマインド=サン、ニンジャスレイヤーです」

 イタマエは姿なく、眼の前には禍々しいニンジャがいた。

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