女子高生と国立競技場

私の母校は3年に1度国立競技場で体育祭を行っていた。

私が在学時にそれに当たったのは1年生の6月。入学早々ビッグイベントとなった……はずなのに記憶にあるのはスタンドでクラスメイトの応援をしていたことと、あのコースで障害物競走をしたことだ。その話をすると大抵の人には信じてもらえない。

それから15年近くが経った2021年7月23日、東京オリンピックの開会式が行われた。

もともとスポーツはあまり観戦しない方だが、それに加え未曾有(たぶん、こういう時に使うんだろうね)の社会情勢の中での開催で正直疑問に思っていた。

仕事を終え、テレビを付けるとそこには照明で照らされ、あの頃の面影はすっかり失ってしまったスタジアムが映されていた。

「ずいぶん綺麗になりやがって…」と、どこかの漫画(もしくはドラマ)に出てきそうなセリフを浮かべながら空中からの映像を観る。

観ちゃうんだな、やっぱり。

私個人としてはとても思い入れのある場所であるし、スポーツに興味は無くても「お祭りごと」は積極的に楽しみたいタイプだ。

性別、世代、国籍を問わず様々な人が活躍する姿に、直前に一悶着あって(それが好きなジャンルに関係する人たちだから余計に)冷めていた気持ちも次第に消え、最後まで開会式に夢中になっていた。

始まってしまえば、のマジックにまんまと引っかかってしまったようにも思うが、せっかくなので期間中は前向きな気持ちで過ごそうと思う。


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