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笑いの神様

「笑い」の神様はいる。

酒を飲んでいるときはもちろん、楽しい雰囲気の方がいい。
愚痴をこぼしたり、口げんかしたり、突然泣かれたり、と人の数だけ酒の飲み方はあるが、やっぱり会話が盛り上がり、笑い声が響く。そんな酒の席が好きだ。
ただ、場が温まるのに少し時間のかかることがある。ふだんおとなしい人が口を開くようになるまで、ビールを2~3杯ほど。このくらいで盛り上がってくれば、今宵も楽しい酒宴だ、と言うことになる。

そして、ある瞬間に「笑い」の神様が降りてくる。

先日、友人4人で飲んでいたときに、真冬の日本海にようじろうが打ち寄せられてさ~。ビチビチと体をくねらせて浜辺をのたうち回っている。群れからはぐれちゃったイルカみたいな感じで!という話で大笑いした。

皿回しをしているDJと飲んでいたとき、新しい部屋を借りたいと言った話の中で、IHのキッチンがターンテーブルになっている。とか、アイランドキッチンの上にターンテーブルを置いたら、毎夜自宅でパーリナイッだね!なんて言ったら、みな腹を抱えて笑った。

後輩と飲んでいたとき、「どうせ僕は一人ぼっちなんです。」なんてしょげていたので「それならお前が目になればいい!」と、名作「スイミー」の一説を引用し、高度なギャグを飛ばしたところ、抱腹絶倒。さすがは教科書にも載っている物語である。「そうだそうだ!お前が目になればいい!」と周りも後輩をはやし立て、この場は大盛り上がりとなった。

さて、賢明な読者ならばそろそろ気づくかもしれない。

酔いが醒め、よくよく思い返してみると、これら一連の話、まったく面白くないのである。何が面白いのか、どこが面白いのか、笑いのツボがどこだったのか、まったくわからないのである。

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今週の写真:以前放送中に、原稿に描いていた落書き。
ようじろう画伯渾身の作品

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進藤海/六月雨音/ようじろう/小宮千明/モグ。4人のライターがそれぞれの担当曜日に、ジャンル問わずそれぞれの“書きたいこと”を発信。

ボイスブックコンテンツ《Writone》より集まったライターによるリレーマガジン。

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