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笠じぞう事件

12月ですね。新潟市内でも初雪を観測しました。
12月は忘年会のシーズンでもあります。今日はそんなお話。

むか~しむかし。といっても六、七年ほど前のこと。
暮も押しせまった雪の降る晩のことじゃった。
どこぞの「忘年会」に顔を出していたよじろべえは、「腹の中でジントニックをつくるぜ!」といっては腹の中にジンばかりためていくアホな飲み方をし、周りのものに迷惑をかけておった。
「こんな酔っぱらいはタクシーにでも乗せて帰してしまえ!」
幹事さんはそう言って、駅前に停まるタクシーによじろべえを放り込んだ。
かすかに残る意識の中「○○(地名)まで」とだけ言い残し、よじろべえはそのまま眠りに落ちてしまった。
「お客さん大丈夫ですか?」と、運転手さんもこんな客は早く降ろしたい。そんな一心で、車を走らせておった。

どれほど車に揺られておったか、
「○○(地名)はこの辺ですかね?」運転手さんはそう言ってドアを開け、よじろべえを車の外へ抛りだした。

あたりは一面の雪。
人の通りは全くなく、街灯の灯りも乏しく、雪はしんしんと音を立てずに降り続いておった。
「ここは田んぼのまん中か。ひどい田舎に抛りだされたもんじゃ。これじゃ、家がどこだか皆目見当がつかん。」
そう思ったよじろべえは、薄れゆく意識の中、なんとか力をふりしぼって、携帯電話を取り出し、ツレに電話をかけたのじゃった。

「今どこにいるのよ!」ツレの怒号が脳ミソに響きわたった。

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今週の写真:太ももがムッチリのSexy Daikon
出てきた瞬間「ムフッ💛」と笑ってしまった。

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601字
進藤海/六月雨音/ようじろう/小宮千明/モグ。4人のライターがそれぞれの担当曜日に、ジャンル問わずそれぞれの“書きたいこと”を発信。

ボイスブックコンテンツ《Writone》より集まったライターによるリレーマガジン。

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