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凍てつく風と熱中症



文学フリマに初めて行ってきた。もちろん来場者として。知人が今回初めて出店したので、その応援に。もともと本を読むのが好きだし、昔とある界隈で二次創作で小説を書いていたこともあり、とても気になるイベント。「文学版コミケ」と言われているものの、そもそもコミケに行ったことがないのでふわっとしたイメージしか抱けない。しかし、読み手も書き手も少しずつ経験した自分には、とても惹き付けられる場となるだろうという高揚感を持って来場した。

とは言うものの、その週は仕事が忙しく疲れがピークだったので12時まで寝てしまった。12時開場なのに12時に起きた。我が家から平和島駅まで1時間ちょっとかかる。さらにそこから歩いて25分ほど。会場に着いたのは15時を過ぎていた。いかんいかん、気合いが足りていない。気を取り直して入口でシールを受け取りいざ出陣。一番端まで行き、順々に見ていく。1列通過時点で1冊購入。時刻は15時30分。閉場は17時。まずい、全然時間が足りない。ひとまず周回を中断して知人のブースへ向かう。途中で誘惑に負けて2冊購入。やっとのことで知人ブースに到着。3冊購入。所持金が底を尽きそうな予感がしたため、情けないことにツケ払いにしてもらった。簡単に挨拶して、日にちに便乗した差し入れのポッキーとさつまいもを渡して歩き出す。

コンビニへ行き軍資金をおろして、再び会場内へ。ちなみにコンビニに行くまでに2冊購入した。再入場してまずはツケを返しに知人ブースに行く。この時点で入場から1時間ちょっとが経過。戦利品は8冊。荷物の多さに笑われた。そこからは楽しすぎてよく覚えていない。声をかえられては立ち止まり制作までの話を聞いて購入。声をかけられてはフリーペーパーをいただく。目に留まるものがあれば購入。さぞかしちょろい客だったことだろう。しかし、作者の方々の想いを聞いて熱意の込められたものを手に取ると、もう駄目だった。買うしかない。あの熱量を目の前に、いそいそと立ち去るなんてできない。最終的にいくら遣ったかは怖くて計算していないし、購入した冊数も数えていない。確実なことは、福沢さんがひとりいなくなったということ。後悔はしていない。行きに持って行った差し入れのさつまいもよりも、帰りの荷物のほうが重かった。幸せの重みだった。

めぐりあわせを信じて、公式サイトの出店者一覧はあまりよく見ずに行った。きちんと見て、買うものを決めて行けば効率よく回れただろう。時間が足りず第1会場しか見ることができなかった。しかし、めぐりあわせを信じてよかった。心に響く、とてもすてきなものを手に入れることができた。

出店者の皆さま、おつかれさまでした。そして、すてきなものを、あなたの想いを届けてくれてありがとうございます。

自分もなにかに取り組みたくなった。なにをしようか。文章を書くことは好きだし、ハンドメイドも好き。好きなものは多いけれども、まだまだ足りない。一度自分と向き合って、自分の心に響くことをやろう。まずは、自分を動かすことから。


平和島駅から向かうと出くわす歩道橋の段差が狭すぎて。

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