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20210816ふかいメルマガ第12回 SDGsって誰がやんの?(前編)

おはようございます!
また大雨が続いて、大きな被害が出ています。
皆さんの周囲は、大丈夫でしたか?

さてこれも温暖化による異常気象、なのでしょうか。
先日、国連関連のIPCCによる「地球温暖化の原因は人間だ」という提言がニュースになりました。
地球環境の問題といえば、SDGsという言葉もよく聞くと思います。

東京オリンピックでは多様性に対する強いメッセージがありました。
2025年の大阪・関西万博は、SDGs万博と銘打たれています。
ユニクロや良品計画は、新疆ウイグルの人権問題で、欧米の人権団体から叩かれています。
この問題では、ソニー、東芝、日立製作所も、欧米の人権団体から人権侵害の疑いを公表されています。

私は、やや偏っているようにも思っていますが、
社会問題や環境問題への報道は多くなっていますよね。

そんな中役員ミーティングの中で、社長が「うちの会社もSDGsに取り組みたい」と話しをされたので、私は大賛成だとお答えしました。
今私が直接依頼を受ける仕事は、SDGs関連の仕事が多いので、私の専門分野です。
ぜひウェーブとして取り組みを考えていきたいと思います!
それは、地球環境など社会問題以上に大事な目的があるからです・・・

ところでSDGsって何でしょうか

2015年に、国連加盟193の国と地域、全会一致で採択されたもので、
17のゴール(目標)と、169のターゲット(詳細目標)、232に指標から成り立っています。
特長は、環境問題や途上国の問題だけでなく、先進国の問題に切り込んだこと。
そして国家間による解決ではなく、金融の仕組みと企業活動を中心に、
つまり資本主義のメカニズムを利用したことが特徴です。

とは言いつつも、「なんでうちの会社が?」「どこから始めたらいいのか・・・」というのが、企業の本音です。

私は、SDGsの為でもなく、地球や世界の問題解決の為でもなく、まず「わが社の未来を考えるため」だと考えています。

「ゴーイングコンサーン」という言葉があります。
会計用語で、企業は利益を出し存続し続ける、という意味です。

しかしそれは、今の生活の土台である社会が持続可能であることが前提です。
この持続可能性が「サステナブル」です。

もうおわかりだと思いますが、「サステナブル」でなければ「ゴーイングコンサーン」は成り立たちません。当然です。

私が今取り組んでいること。
それは、SDGsの普及ではなく、「ソーシャルプロダクツ」の普及なんです。
一言で言うと、「自社の事業・商品・サービスに、社会問題の解決を付加価値に」してください、ということで、逆に言えば「SDGsを商売で目指しましょう」ということです。

「エシカル消費」という言葉があります。
「倫理的な消費」という意味で、「消費者の立場」から、
正しく調達されてつくられたモノを選ぶ目を持ちましょう、というものです。

ソーシャルプロダクツは、「企業側の立場」です。
社会問題や環境問題、さらにはSDGsへの取り組みは、企業としてやらないとリスクになります。
でもこの取り組みは新たなコストを生むことになります。
だから商売につなげましょう、ということです。

株式会社SoooooS.カンパニーという会社が、YRK&のグループ
にあります。2009年に社内ベンチャーで、立ち上がった会社で、ソーシャルプロダクツだけを扱うマーケットプレイスです。
 SoooooS.について、興味ある方はサイトをのぞいて見てください

 

そして2012年、一般社団法人ソーシャルプロダクツ普及推進協会(APSP)を、当時のヤラカス舘が中心になって立ち上げました。

会長の江口泰広さんは、学習院女子大学のマーケティング・ブランディングの名誉教授、専務理事の中間玖幸さんは広告代理店勤務、
その他理事の皆さんも経営学・商学の教授や会社経営者。
事務局は私を含めてYRK&メンバー。
というわけで、理事も事務局も、経営やマーケティング・ブランドの専門家が多いのが、APSPの特徴です。

話しを本題に戻しますが、今日本では2つのパラダイムシフトが起こっていると考えています。

デジタルシフトとソーシャルシフトです。

デジタルシフトのことは、今さら皆さんにお話しする必要はありませんね(;^_^A

もう一つのソーシャルシフトは、今まで「見せなくてよかったこと」、「知らせなくてすんだこと」を見せないと・知らせないと信用されない時代になったというもので、コロナによって一気に進んだのが、このソーシャルシフトです。

消毒もそう、原産地や工程への関心もそうです。
マスクがどこで作られているかなんて、コロナ以前は関心がなかったはずです。

そしてこのソーシャルシフト。
丁寧にやればやるほど、コストがかかります。
コロナが無くても、もともと企業にとってコストは構造的に上がり続ける状況でした。
天然資源は減り、
異常気象に燃料高騰、
中国もASEANも人件費は上がる、
そして安全や健全を証明する認証など、
すべてコスト増大要因です。

だから、企業は値上げせざるを得ないのです。

しかし、メディアはその理由よりも、どの商品が「値上げに踏み切るのか」、「これで何回目の値上げ」なのかを報道し、価格据え置きで容量を減らす商品を「ステルス値上げ」と、摘発したかのように「値上げは悪」とばかりに報じます。
(これ某経済新聞の編集委員に直接指摘しました・・・その答えは(^^;)

最近では食用油が、「今年3回目の値上げ」と報じられました。
企業が値上げを発表しても、実はすぐに店頭価格が上がるわけではありません。
卸や小売業に値上げの同意を求める商談をしないといけないからです。
値上げが大々的に報道されると、大手の小売業からは目の敵にされて
「うちは値上げには応じられない」反発されることもよくあります。

経済は循環しているわけですから、値上げには理由があり、
その値上げが無いと業績や、社員の給料に関わってくるわけで、
そうなると関連した協力会社にも影響が及ぶのです。

だから、「値上げを付加価値」に変えて、報道がどうであれ、
その付加価値でお客様に選んでいただくという方法を
私たちは提案しアドバイスしています。

もう一つ、日本人の陰徳の倫理観にも触れたいと思います。
これは「人知れず善い行いをすれば、後から善い報いがある」というもので、自分は善いことをしていると、人様に言いふらすのは品がないという価値観です。

例えば東日本大震災で、多額の寄付をした経営者や芸能人が、売名行為だと叩かれました。
また、名を名乗らず黙ってランドセルを児童施設などに置いていく行為が、ニュースなどで取り上げられ賞賛されました。

APSPでは毎年生活者調査を行っています。
2019年のAPSP生活者調査では、社会問題への取り組みは、企業の本業で行ってほしいという人は男性45%・女性56%です。
そしてその取り組みを、企業自らが情報発信してほしいと考える人は、男性48%、女性は60%にのぼります。

つまり企業には、寄付やボランティアではなく商売として取り組み、
自らアピールしてもらわないとわからないと、生活者は言っているのです。

陰徳の価値観は、欲しいかどうかも確認せずに一方的にランドセルを送りつける、という自己満足的な行為になり、しかも長続きしないで終わってしまうんですよね。

サステナブルと言うのは、社会や環境の持続可能性のことですが、
そのための取り組みが持続可能でなければ意味がないわけです。
だから、商売、ビジネスが必要なのですが・・・・

じゃあ、どこからはじめるんだ?
WAVEだったら、何すればいいんだ?
と、いうことになりますが、それは次回に続けます!

ところで、私が仕事で使っているモノには、
ソーシャルプロダクツがたくさんありますφ(..)。
それもまた今度!

深井賢一

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