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計画無痛分娩レポ

〜前提〜

・初産
・37w時点で子宮口2cm開大、頸管も熟化、産徴もあったため、39wより前に入院が決まる
・妊娠経過は順調
・大学病院


〜分娩の流れ〜

8:40
【入院手続き】
夫にはここで帰宅してもらう。

9:30
【大部屋に移動、入院着に着替えてNST】
胎児のやる気に満ち溢れている様子が伝わってきた

10:50
【処置室に移動、採血と点滴のルート確保、麻酔科医による硬膜外カテーテル留置、内診】
硬膜外カテーテル1度目は表面麻酔はほぼ痛みなし、軽くチクッと程度。カテーテルを入れる過程で引っ掛かりを感じまくり、痛くはないのだが圧を感じてその度声が出てしまう。結局何か良くなかったらしく、穿刺し直しに。その2回目は何の違和感もなくいつの間にか終わっていた。
背中にループを作ってテープで固定するのだが、違和感ありそうで嫌だな…と恐れていたものの、敏感な自分でも何の違和感も無し。普通に仰向けになれるしね。
カテーテル留置の後はお試しで麻酔を少量流し、以降10分おきにコールドテスト。テスト以外も大人数で何かとめっちゃ確認してくれるので安心感がすごい。その時点で陣痛が一切無かったため、自分で麻酔を追加できる魔法のボタンのみ受け取り、麻酔科医による麻酔の追加は無し。
「気分悪くないですか」と聞かれ、「気分は悪くないですけど気持ちは落ち込んできました」と答える。背中に硬膜外カテーテル、左腕に点滴、腹回りにはNST、指先にはパルスオキシメーター、胸には心電図、右上腕には血圧計をこの後ずっとつけたままになるのだが、「これらは全てありがたい管なのだ」と自分に言い聞かせて乗り切る。
陣痛が来れば気に留めてられなくなるだろうと、陣痛発来を願うように。

研修中の医師・助産師含め計3〜4人ぐらいに内診される。
内診の結果、子宮口3cmでその他の状態も順調。
本来ここでバルーン留置があるはずが話にも出ずスキップ!やったぜ!
「今日中に会えるような段取りで行くからね」と言われ、今日はもうあと12hだ!とやる気が出る。夫にも心づもりをしておくように連絡。

12:15
【陣痛促進剤開始 12mL/h】
少し腰に鈍痛あるかな?程度。
妊娠してからお通じが良すぎて食べるとすぐ出てしまうため、昼食を食べるか迷っている旨相談。食べましょうと言われる。

12:50
【促進剤追加 24mL/h】
昼食後、本を読む余裕がありそうなので机に持ってくる。
麻酔科医が様子を見に来る。
ボタンは10分に1回しか押せないが、少量ずつしか出ないためはじめの方は連打するよう言われる。
腰痛に波があることに気付く。
お腹の張りを感じ始める。

13:10
【促進剤追加 36mL/h】
麻酔をまだ入れていないため、トイレで排泄可能とのこと。
生理2日目のさらに多いぐらいの出血をしていてかなり驚く。助産師さんがすぐ様子を見に来てくれる。
子宮口3.5cm。
腰痛かな?が腰痛だ!になり、ボタンをいつ押すか考え始める。
ベテラン助産師ぽい人に「まだボタン押してないの?痛みに強いのかもしれないね!」と言われる。
夫にその旨伝えたら、「痛みに強いというか、痛みの申告が遅いと思っている」と言われる。後の伏線。

13:50
【腹痛を感じ始める】
麻酔前に排便を済ませておきたいため、ボタンを押すタイミングを図り始める。
とても軽い生理痛程度の腹痛がき出す。

14:18
【陣痛を確信する】
排便し、いつでもボタンを押してやるという心の準備が完了する。
促進剤はいつの間にか60mL/hに。
腹痛が定期的になり、陣痛タイマーを使い始める。既に3分間隔を切っていた。(遅い)
夫から「チャイルドシートが固定できない」と連絡が来る。
近くまで向かうと言われたので、まだまだ先だよと伝える。

14:50
【陣痛がかなり痛いことに気付く】
いよいよボタンを押そうと思い、最後にトイレに行く。
10分おきに来てくれる助産師さんに相談して押すことを決める。
助産師さんに押してもらった!

15:00
【とても痛い】
夫をそろそろ呼ぶように言われ、連絡する。
この辺りから余裕が加速度的に無くなっていき、スマホも見れなくなる。
呼吸を意識すると楽になるとあちこちで聞くので実践するが何も楽にならず。
1回あたりの持続時間は短いのでなんとかやり過ごせたが、マジで痛い。鳥刺し食べてカンピロバクターにやられた時と同程度。

15:30頃
【麻酔科医による麻酔】
助産師さんが麻酔科医の先生を呼んでくれ、がっつり麻酔を入れてもらう。
麻酔も入れたので促進剤もどんどん増やすらしいがモニターなぞ見れぬ状態。
麻酔開始が遅かったため中々効かないのか、痛い。
コールドテストしてみて、やはり効いていないことが分かる。
その後、少しましになっていることに気付く。

15:45
【子宮口9cm】
夫が到着するも「まだどれくらいになるか分からないから、入室させられない」と足止めを食らう。
子宮口まだ全開じゃないのか…先は長いぞ…と絶望
陣痛のたびに「痛くなりそう…」「痛いよー」と助産師さんに訴える。この辺からため口。
助産師さんが、「お産の準備始めますね!」と言って何やらカチャカチャし始める。合間に「痛いねえ」「いい汗出てる!」「よく頑張ってる!」「日が落ちるまでに生まれるかもよ!」と励ましてくれたり、腰をさすったりしてくれる。

16時頃?
【夫入室】
あれほど心待ちにしていた夫が傍に来てくれたにもかかわらず、ずっと目を閉じて陣痛に耐えているため、存在を感じ取れない。手を握ってくれるが、「俺には何ができるんだ…」とオロオロする様子が伝わってくるのみ。
これまでの人生、夫が居てくれて頑張れたことが限りなく多くあり、夫さえ居れば何でも乗り越えられると思っていたのだが、そうじゃないこともあるのだと初めて気付く。

助産師さんがいつの間にかまた麻酔科医の先生を呼んでくれていて、「お産が急に進んで麻酔が追いついておらず、とても痛がっている」と伝えてくれる。麻酔科医は「これで効かなかったらショットでも打てるから」みたいなことを言っていた気がする。
合間にボタンも押してくれていた。自分で一度も押してない。
この辺りから陣痛は確実に軽減していたのだが、陣痛のたびに助産師さんに「もっと痛くなくならないの?」と尋ねていた。「後どれくらい掛かるの?」と尋ねると、「まだ日も落ちないよ〜笑」と返される。日没まで2時間もあるじゃねーか!

16:15頃?
【胎児の頭が見える】
この前段階辺りから、助産師さんが常に出口に手を入れて、いきむタイミングに合わせて何かしてくれるように。引っ張ってくれてたのか?
「いきみたくなったらいきんでね」と言われていたが、そんな瞬間は最後まで来なかった。
陣痛きたら深呼吸して、大きく痛んだ時に思い切りいきみましょう!と言われ、やっとすべきことを理解する。
この辺りから麻酔がぐんぐん効き出して、陣痛が来ても生理痛程度の痛みに。夫と会話する余裕が生まれる。
しかし、痛みはかなり軽減されたものの、お尻や腰や太もものだるさが出てきて、そっちに気を取られ始める。
いきむのは「ムンッ!(一発)」という感じと思っていたが、ベテラン助産師から「持続して力を入れ、最後に一番力が入るように」とアドバイスされ、ヨッシーの空中ジャンプの感じだと理解。コツを掴む。
「赤ちゃん降りてきてるよ!」「上手上手!」「いい感じに進んでるよ!」とひたすら言われるが、そんなん言ってまだ掛かるんだろ…と思っていた。

しかしここで、「赤ちゃんの頭見えてるよ!触る?」と突然聞かれる。
えっ!!!…いやいや、そんな訳無いだろ…と思い、先に夫に見てもらう。すると、「本当だ!髪の毛フサフサ!」と教えてくれる。触ってみると、ぷにぷにのフサフサが手に触れる。何かあるぞ!
頭蓋骨、まだ分かれているのは知識として知ってはいたものの、骨自体がないかのようにぷにぷにで驚く。
一気にやる気が出る。

16:30頃
【出産】
一度の陣痛でいきみ連続2回から、ここからは3回頑張ろうと言われる。
頑張って合間に息を整える。
いきんだ後の脱力でしんどすぎて思わず笑ってしまえるほど余裕が出てくる。
NSTの音がずっと聞こえていたが、最初から最後まで胎児心拍は安定して元気だったので安心していきめた。

何度かスパートを掛けたのち、「もう力抜いて!」「ちょっとだけいきんで!」と細かい指示が入るようになる。会陰もここで切られる。無痛。
頭だけ出てきた!見えた!でもまだ泣かないけど大丈夫なのか…?
あ、お腹の中から何かが外に吸われる感覚がする…息がしやすい、内臓がすっきりする!と感じた瞬間、ズルっと体も出た。見えてないけど。
数秒して、元気な産声が聞こえる。コウノドリだと「ほみゃあ」みたいな弱々しい感じだった気がするが、がっつり元気な泣き声。
見せてもらうと、頭部が異常に赤黒くて、酸素足りてないのでは…と不安になったが、「全部お母さんの血よ」と教えてもらう。
ベッドに移された後も、両手足をバタつかせてずっと泣いている。すごい!めっちゃ元気だ!!こんな動くのか?!

お腹を押されて胎盤を出される。
「ビチャ!」と、1Lほどの赤黒いものが助産師さんに向かって飛んで行き、床に落ちる。あれが胎盤だと思っていたが、ただの血らしい。すごい量だ。

産んだ瞬間から汗がどんどん引き、身体が正常な状態に戻っていくのが分かる。
お腹もぺっちゃんこ。内臓も久々の定位置に喜んでいる。

ラストスパート前から、見たことない職員さんがいつの間にか大量に見学?に来ていた。
エリート助産師?さんが見習い助産師?さんに一つ一つ説明しながら、会陰を縫合していく。溶ける糸で、1ヶ月健診の頃には元通りらしい。

赤子は身体を拭いてもらったり、身体計測をされたりしていた。その間ずっと泣いていた。
一通り終わったら、抱かせてもらえた。あったかい!腕の中から感じる動きが、お腹の中で感じていた動きと一致する。しかも自分が抱き始めたら泣かない!賢いぞ!

あらゆる管を外したり抜いたりの処置をしてもらっている間、夫が赤子を抱いて預かることに。
以前は「俺、子どもと何話したらいいか分からない…」と言っていたのに、何やら楽しそうに話しかけていた。普段、可愛い動物の写真や動画を観ても「いいね」としか言わない夫が、「あくびしてる!めっちゃ可愛い!」と赤子に言っていたのがなんだかとても感慨深かった。

麻酔の処置が(自分の見積もりの甘さのせいで)遅れた分、処置後も下半身は麻酔が残っていて足がふらふらするように感じたが、普通に立って歩けはした。
トイレも自力で行けそうなことを2度確認してもらい、点滴も外れる。
下半身の覚束なさはこの後2h程度で完全に消失。

この直後、早々に初授乳やら胎盤撮影会やらあったが分娩レポはここまで。


〜まとめ〜

・今回、デメリットは1つも感じなかった。近畿圏ではトップクラスに信頼の置ける病院で行えたのが非常に大きかった。実際、リスクを減らそうとする努力が随所に感じられた。次回があれば、最低でも大きめの総合病院で行いたい。
・痛くなりかけたら麻酔を入れよう。痛いかも?で入れてOK!
・しかし、しっかり痛いところまで進んでしまったことが、お産の進みが良かった理由の1つではあると思う。
・導尿は気にしなくていい。自分も苦手なはずだけど、何も感じなかった。
・無痛じゃない産婦さんはあの痛みの中更にいきんでるのかと思うと本当にすごいと思った。今回はかなりの安産、短時間の出産だったと思うが、それでも自分には無理だと改めて感じた。
・出産手前ぐらいから麻酔が効き始めたので、集中していきめたし、胎児にもずっと酸素が届いているようだった。
・疲労度的には10mダッシュ数本程度?でも筋肉痛にもならないし、身体のダメージ的にはそれ未満かもしれない。むしろ妊娠中のマイナートラブルが一気に解消したので、出産で体力回復したまである。産後も夫と談笑できたし、会陰もまだ麻酔が効いていたので病院走り回れるぐらい元気だった。無痛のおかげかな?
・産休入ってからウォーキングやヨガ、スクワットを頑張りだしたが、元々活動的で歩くのも速かったのがお産の進みを良くしたと思っている。気管支をやって咳が続いていたせいで子宮口に圧が掛かり続けていたという説もある。

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