その仕事、全部やめてみよう

こんばんは、Sです。
現職の上司が先月くらいにオススメして下さった本を読んでみました。

この本はクレディセゾン常務執行役員CTOで元アプレッソ代表の小野和俊さんが書かれた本で、
ITベンチャーと老舗金融企業での経験とプログラマーとしての経験を踏まえた上でやめるべき仕事・考え方を様々な角度から語っています。

「谷」を埋めるな、「山」を作れ

本書だと欠点や弱点、競合と比べて不足している点を「谷」と呼んでおり、その「谷」はすでに他社製品が世に示した体験や価値だと表現しています。
逆に「山」とは自社製品の長所であり、ユニークな価値のことを指しています。
チームとして最初にやるべきは「山」を明確にすることです。「山」がはっきりしていないのに「谷」を埋めることばかり考えるのはラクですが多くは無駄な仕事になってしまいます。
気になりやすい「谷」を埋めようとし、それにリソースを割いてメンバーの士気を下げ挙げ句の果てにはエンドユーザーに届かない。などのような悪循環に「谷」だけを見ていると陥りがちだということです。
自分も競合のサービスと比較して不足している点をいつも補いたいと考えていましたが、この章を読んで「谷」に惑わされず自分たちの「山」が何なのかを今一度見極めようと思いました。


「ハンマーと釘」の世界の落し穴

英語のことわざに「Ifallyouhaveisahammer,everythinglookslikeanail.(ハンマーしか持っていないと、すべてが釘に見える)」があります。
これはエンジニアとして生きているとかなり納得のいく言葉で手に入れたハンマーで釘を打ってみたいという衝動によく駆られながら仕事をしています。
本書では「使ってみたい技術があるからプロジェクトを立ち上げる」ことこそが落とし穴だと表現しており、
使ってみたい技術に飛びつく前に、①その技術が課題解決にどう役立つのか、②他のやり方では実現できないのか、③その技術を使ったことがあるかの3つを考え抜くことが大事だと言っています。

そしてこの章の中で僕が最も感動したのが「よいアイデア」の定義です。
「よいアイデアとは、誰かの役に立つものだ。裏返して言うと、喜ぶ人の顔が見えてこないアイデアは、すべてダメだ」とまで書かれてあります。
「誰がどんな風にこれで喜んでくれるか」新しい機能やサービスを作るときに念頭に置いて考えぬきたいと思います。

「ラストマン戦略」で頭角をあわらせ

グループ内で自分が一番になれそうな領域を決めて「あの人が分からないなら、誰に聞いても分からないよね」っという、最後の砦とも言えるスペシャリストを目指す成長戦略のことを本書では「ラストマン戦略」と呼んでいます。
最初は小さい部署や課から初めて徐々に大きい組織でラストマンを目指すことがキャリアを広げていく方法のうちの一つです。
本書にも記載されていますがマニュアルにとらわれず、むしろマニュアルがないことにこそ取り組む価値があると思っています。まだ整備されていない分野は誰も手を付けれていない分野なので誰よりも早く取り組んだ人が後の第一人者になることができます。

「To Stopリスト」をいますぐ作る

仕事の生産性は足し算ではなく引き算で決まります。
「何をやるか」ではなく「何をやらないか」を決めるべきで、そのための手段として「To Stopリスト」があります。
「To Stopリスト」に加えるべき5つの項目は下記に記載します。
①定例会議
②引き継がれた業務
③データ集計や資料作成
④社内向けに提供しているシステムやサービスで利用者の少ないもの
⑤事故再発防止を重ねた結果、慎重になりすぎている仕事

自分自身と所属する組織の強みを特定し、それをシンプルに伸ばしていくために無駄を削ぎ落とすことを意識することがやはり大事だとこの本を読んで改めて感じました。当たり前を再確認する、そんな本書が自分にも刺激となりました。

エンジニアとして新卒から3年走り続けてきた自分にとってはどの章も響く内容のものでした。
読んだ次の日から実践もしくは考え方として取り入れるものばかりなのでぜひ読んでみて下さい。

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