障害福祉全般について思う事


 私は37歳男性で、発達障害(アスペルガー、統合失調症・うつ病)で精神福祉手帳1級を持っています。そんな私が障害者の立場から昨今の障害福祉行政について思っていることを書きたいと思います。
 障害福祉行政と言ってもいろいろあるとは思いますが、私が知っているのはA・B型などの作業所や、就労を支援する様々なサービスのことです。ほとんど経験させていただいたのでいろいろ感じることはあるのですが、今回はできるだけ統計立てて書くように努めたいと思います。
 障害者と言ってもいろいろな方がいます。身体・知的・精神と大きなくくりだけでも3つありますし、私が知っている精神障害をとっても、仮に同じ病名がついていても人それぞれ症状が異なるので、現場で接している方々は大変な思いをされていると感じます。我々患者が自分の症状を正しく説明できれば良いのですが、病気柄コミュニケーションに難があったり、そもそも自分自身が自分の症状を理解できないケースが多いので、そこらへん困難であると感じます。
 通常は精神障害においてはほとんどの患者が病院に通院しているので、医師の判断がある程度目安にはなります。作業所等を利用する場合は多くのケースで医師の意見書等を求めて、それをベースとしていろいろな方針を決めていくのが普通だと思います。そうやって作業所等を障害者は利用していくのですが、私の考えではども上手くいっているような気がしないというのが実感です。

社会に参加してもらうために作業所で取り組むべきことに2つ方法があると思っていて、
①自分の症状をうまく理解してもらう。
②足りないところを補えるように援助する。

 私は作業所を利用し始めたのは15年ほど前で、当時はA型とかはなかったのですが、そのころは統合失調症と診断されていました。そこから実際に就労していろんな問題が出てしまって作業所に後戻りになったのですが、そもそも正確な病名を医師が判断できなければ、私自身対策が立てられないし、作業所としてもただのわがままな病人だと思ったでしょう。
 私は医師ではないので不正確かもしれませんが、今の精神医療はまだまだ途上で、薬を飲めば症状が良くなるとは一概に言えないし、そもそも医師が患者の症状を理解する能力も足りていないと感じます。障害福祉行政では医師のおっしゃることは絶対で医師が間違えるのは想定されていない、医師が完璧な判断をするとは限らない、ここに問題点の一つがあると思います。医師が理解していない問題を自分で判断できないですし、判断したとしても信用されることはないと思います。

 精神障害は頭の病気なのでなかなか理解することは難しく、作業所の職員の中でもできないことを要求したり、上手くいかないことがあると怠惰であると非難されることもあります。もちろん障害者の中にも怠惰な人はいますが、それは障害者関係ない話であって、仮に怠惰であったとしてもそれを矯正するために作業所が存在しているわけではないということを理解していない職員もいます。障害者側からの目線ですが、できれば既にやってるよ!と言いたくなることが多くて頭を抱えます。そういうことが続くとまるで自分が犯罪者扱いされている気になって、精神衛生的にも悪循環に陥る、そういったことは珍しくないのが現状です。

 15年前から総じて体調は下降線で、途中病名が変わったりしましたが、作業所等を利用しながら周りの人を見た時に、そもそも精神障害において体調が良くなっている人をみることが少ないというのが正直な感想です。それは障害福祉に問題があるというよりも、多分ですが、治して社会に入ってもらうという行政の方針自体に問題があるような気がします。もちろんそれが出来れば良いに越したことはないのですが、障害者全体に一律でそのような方針で良いのかとは感じます。
 当然障害福祉には多数の税金が投入されています。目指すべきは、人権に配慮しながらもその額が無駄に使われずに社会の負担を少なくしなければいけません。ただ、中には補助金受け取り業としか思えない作業所も存在していますし、現状が最も社会負担が少ない方法なのかというのは考えなければいけません。そういった矛盾がありながら現場の人に対応を丸投げしているのが障害福祉行政の問題であって、現状はいわば多大な金額で障害者を隔離しているに過ぎないというのが事実だと思います。

 私は体調の悪化に伴い、半年ほど前から病院に行くことすら叶わなくなり、当然ながら作業所もやめ、自宅で静養しています。それが社会に溶け込む一歩であるとは思いませんが、今は最後の時を待ちつつ幸せな毎日を送っています。駄文ですが読んでくださってありがとうございました。

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