見出し画像

2024パリ五輪 柔道競技・観戦しながら感想分析などFacebookに投稿した長文転載。その7 男子100キロ級女子78キロ級の日。ウルフアロンと高山莉加、メダルには届かなかったけれど、ここまでの道のりを思うと、素晴らしかったと思う。

予選ラウンドをTverで見ながら

今日はなんでだか柔道の予選ラウンド放送がないので、TVerで観戦中。

男子100キロ級

ウルフアロンがポルトガルの世界チャンピオン経験者フォンセカを凄まじい内股で投げ飛ばして準々決勝進出。

女子78キロ級はNHK配信(すぐ止まる)で観戦中

高山がドイツのワグナーと準々決勝対戦中
いや、指導3で負けた。

すぐ止まる。テレビ放送しないからサーバーがパンクしたんだと思う。

決勝ラウンド終わり

 柔道、男子100キロ級ウルフアロン、女子78キロ級高山、二人とも三位決定戦までは進んだが、残念ながら負けてしまった。けれど、このふたつの階級、ここに至るまで、いろいろ大変だったのである。大変だったから、いちばん代表選びで苦労した階級だから、実は今日の結果、メダルには届かなかったけれど、柔道関係者はわりとすっきりした気持ちで受け取っていると思うのだな。

まず女子78キロ級だが、思い出してほしいのだが、東京五輪では浜田尚里が無敵の寝技で、全く敵に柔道をさせず、寝技寝技寝技で金メダルだったのである。

 で、パリも浜田尚里でいけるかなあ、と思っていたら、2022のグランドスラム大会から浜田の寝技が世界のライバルにだんだんどんどん通用しなくなり、2023年に入ってからは「浜田じゃだめかも」ということで、浜田台頭以前からこの階級トップだった梅木、それに今回の高山、浜田の三人を様々な国際大会に派遣して比較したのだな。しかし、どうにも決め手がないが、はっきりしているのは、浜田がどんどん通用しなくなったことだけ。じゃあ誰なら勝てるのか。そんな中、高山は2023年12月の東京グランドスラムで銅。メダルに届いた。浜田と梅木がメダルに届かなかったので、ここで高山がパリ五輪代表になった。

 その後、高山は2024年に入っての3月のタシケントグランドスラムと4月のアジア選手権で続けて金メダルと成績を残していた。ので、高山で正解だ、という共通認識が柔道界にはあったと思う。

 ウルフアロンは、2021に東京五輪で金メダルを取ったあと(あれで

 世界選手権、五輪、日本選手権の男子三冠という、柔道家としての目標をすべて達成してしまったのだな。)、なんだがぶくぶく太っちゃうし、テレビバラエティに出たり、いろいろ解放されちゃった感じになっちゃった。

 そうしたら柔道の成績も、真っ逆さまに急降下、2022東京グランドスラム初戦負けしたり、2023年ワールドマスターズもアジア大会も東京グランドスラムとどんどん調子を落として、柔道関係者は「ウルフは終わった」とみんな思っていた。

 他の階級は23年12月の東京グランドスラムまでに代表が決まったのだが、この階級だけは、ウルフがどんどんボロボロ、代わりに期待された飯田健太郎も伸び悩み、このままでは誰も代表に決められない、となったその東京グランドスラムで、大学生の新井道大が世界ランク上位の強豪を何人もやっつけて銀メダル。

 しかし、新井はまだ世界ランクポイントが五輪代表になるには足りない。新井を選ぶなら2024に入っての国際大会に出で、上位入賞をいくつかしてもらわないと選べない。

 ということで、2024年になって、パリグランドスラム大会に、新井とウルフを複数させて、その結果で較べよう、と言うことになったのだな。

 そこでウルフが復活する。別人に生まれ変わったような強さでパリグランドスラム優勝。新井が三回戦で負けたので、これでパリ五輪代表にウルフが決まった。このときスペインのシェラザシビリに勝っているのだな。

 ウルフは この後も、ウルフは3月のアンタルヤで銅メダル、5月のアスタナで金メダルとグランドスラムでパリ含め2024は金二つ銅一つ。完全復活したので、このパリ五輪も期待したのだがな。

 こうして見ると、困ってもつれた代表選考だったために、高山もウルフアロンも、ちゃんと直近まで国際大会にたくさん出て、その中で、ちゃんと結果を出して、このバリ五輪に臨んだのだよな。前回のウルフがあまりに強かった、前回の浜田の寝技があまりに世界のライバルが対応できない特殊なものだっただけで、この階級は日本人には難しい階級なのだ。その中でよくやったと思います。

 階級の争いがきつかったのでメダルには届かなかったけれど、こういう経緯を柔道関係者はみんな知っているから、代表選びにいちばん困って最後までほんとに誰が強いかをちゃんと競争して決めた代表だから、今回負けちゃったけど、柔道関係者は、わりとすっきりした気持ちで興の結果を受けて入れていると思うのだな。男子の新鋭の新井にもちゃんとチャンスを与えて、同じ大会(パリグランドスラム)の結果で決めた。その後のウルフの成績も立派なものだった。女子で言えば、東京五輪金メダルの浜田とも、そのライバルだった梅木とも、たくさんの大会で競わせて、その結果、高山がいちばん強かったのである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?