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2024パリ五輪 柔道競技・観戦しながら感想分析などFacebookに投稿した長文転載。その1 男子60キロ級女子48キロ級の日

女子48キロ級/男子60キロ級終了直後の投稿

男子60キロ級 永山の銅メダル、立派でした。

 準々決勝の敗戦、相手スペインのカルギコスが締め技をかけ、決まりかけていたのを必死に耐えて主審の「待て」、おそらくその声を聴いて一瞬力がゆるんだ、しかし相手はそのまま締め技を継続、3~4秒ほどか。それだけの時間締めれば、落ちる。(そこまでもかなり閉まっていた後で、頸動脈血流が止まって意識を失うのに3秒あれば十分。)
そこでからだが離れた後で、永山が落ちているのを確認した主審は相手の一本勝ちを示した。

 これは主審が悪い。待てをかけたら、すぐ選手を叩いて止める、待ての段階で落ちていないか確認するのが主審のやること。それが出来ていなかった。ということは、実は「単に抑え込みの攻防をしていた」と思っていて、ガルギコスが締め技をかけていたこと自体、しかもかなりうまく入って決まりかけていたということ自体、主審は分かっていなかった可能性さえあると思う。

 ジュリーも「待て」の段階で永山が落ちていなかったか、と「待て」の後締め続けたガルギオスの行為が反則ではないかをきちんと即座に確認していたか。していないと思う。
正直に言うけれど、(トホホな話だけれど)、歴史的にみて、どういうわけか、五輪での柔道競技の審判の人たち、頭の働きがトロいタイプがかなり多く混じっている。他の種目の審判をする人たちと較べて。「何が問題か」「何を確認すべきか」ということ自体が、瞬間的に判断できないレベルの人が、五輪だとなぜか混じってしまう。(欧州だけの大会、アジアだけの大会より、世界中の、あんまりレベルが高くない地域の審判も参加させちゃう、みたいな事情があるように思われる。)

 すぐに意識を取り戻した永山は、試合を続けようとした

が、(おそらく意識を失っていたので、一瞬状況を把握できていない)

 主審はビデオで判定するジュリーの意見も聞いていたようだが、「そのまま永山負け」という判断。

 という納得のいかない負けで敗者復活に回ったが、そこから吹っ切れたように、本来の攻めの柔道が戻った。やはり初戦、準々決勝と内股への思いきりがなく、かけつぶれる背負い投げ、逆の一本背負いしか技が出なかった。内また透かしを恐れて、本来の柔道が出ていなかった。敗者復活戦、三位決定戦は素晴らしい内容でした。敗者復活の相手、台湾のヤンは世界ランク1位、敗者復活戦で負けてもおかしくない強敵だったのである。

女子48キロ級

 角田の金メダルも、もちろん素晴らしかった。が、けっして平坦な道のりではなかった。

 準決勝、スウェーデンの新鋭18歳バブルファスとの試合、両者ポイント無くゴールデンスコアになって、両者反則2、次の反則で勝敗が決するとなってから、バブルファスの方が立ち技で技が出ていた、しかも最後のシーケンスではバブルファスの内股で角田が浮く、僕は「反則が出るなら角田だ、やばい、負けたかも」と思った瞬間、なぜかバブルファスに指導が出て、角田の勝ちとなった。しかも「消極的、組まない」というジェスチャーだった。ありえない主審判定である。だって組んで内股かけて、決まりかけたんだから。バブルファス、可哀そうに納得できず、しばらく抗議していた。
角田の優勝、金メダル、素晴らしかった。準決勝以外は完勝だったけれど、準決勝は審判判断によっては負けていてもおかしくないきわどい勝負だったことは確認しておきたい。日本人が不利な判定のときだけ問題視して、日本人が有利な「疑惑の判定」については何も言わない、というのはフェアではない。

 バブルファスも、永山と同様、見事にすぐ心を立て直して、見事な三位決定戦で勝利し銅メダルを獲得した。18歳、素晴らしかった。

まとめ

 こういう判定の微妙な機微があって、永山は銅メダルで、角田は金メダルである。だから、「角田偉い、角田ばかり注目を浴びる。永山は負けた、失敗した」みたいな扱いにテレビなんかはそうなると思うけれど、そうじゃない、二人とも素晴らしかったし、二人ともぎりぎりの勝負をしたのだ、立派だったのだ、ということを、とりあえず確認しておきたいのである。

 あと、スウェーデンのバブルファスは今後、日本の若手の強敵として次の五輪までなっていくと思うので、覚えておきましょう。

その直後、翌日階級(阿部兄妹)への予想

 明日の阿部一二三、詩の兄妹は、普通に戦えば金メダルだと思うのだが。オリンピックは何があるか分からないので、いやしかし、勝つような気がする。二人とも、年々強くなっている。まだ伸びているのである。二人そろって圧倒的な内容で優勝、ということも五割くらいの確率であると思う。

 詩は天才的に美しい柔道をするので大好きである。

 一二三はなんか、あんまり美しくはないのだが、強い。負けそうなところが、ない。肉体的にも精神的にも技術的にも。好きじゃないけど強い。憎たらしいくらい強いのである。


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