3月31日・玉置浩二ショー4K先行放送の感想。ネタバレあり。完全復活というか、パワーアップまたまたしていて安心、感動しました。

Facebook投稿から転載。

 昨日の玉置浩二ショー4K先行放送感想についての投稿、なぜかNHKホームページがシェアできない状態になり、投稿自体消えちゃったので、改めて、ちょいと長めに感想書いておきます。


 通常のBS放送でのオンエアはたしか五月一日予定です。「見ようと思うが、セトリなどネタバレいや。先入観なしに見たい聴きたい」人は読まないでくださいね。お断り。


 年末年始オンエアあったWOWOW能楽堂ライブや前回の玉置浩二ショーは、お父様が亡くなられた直後の収録ということで、かなり元気がなくて、声もちょっと出なくなっていて、いよいよ玉置さんも老いと死に向かいながら、という段階になってしまったのかとすごく心配していたのだけれど、完全復活というか、さらにパワーアップしていて安心しました。


 圧巻は、小室哲也氏と坂本美雨を「浩二バー・セット」(居間風スタジオ)に招いての、小室氏ピアノのみでの、リラックスした雰囲気でのセッション 二曲。坂本美雨さんの、こういう形のライブ的歌唱は初めて聞いたが、さすが坂本龍一氏の娘というより、矢野顕子の娘感全開、天才そのまま受け継いだ、すごいなあ、この人。小室哲哉さんの生ピアノも、いやあ、本当にこの人は天才というか、音楽の中でしか生きられない人なのだなあと思いました。という、どう考えても天才間違いないその二人と、玉置さんのセッション。一曲は玉置さんの、もう一曲は小室さんの曲。玉置さんの曲の方は、坂本美雨さんが歌いながら涙ぐむほどの美しさ。小室さんの曲の方は、演奏直後、小室さんが、「ちゃんと覚えてきてくれたんだなあ」としみじみいうのが、なんか、感動的だった。バーのママ役、青田典子さんも、何度も目頭を押さえていて、涙が出ちゃう素晴らしさでした。


 平原綾香さんとは、玉置さん作詞作曲の「マスカット」を競演。これも、形容できないほどの凄まじさ。平原さんのお父様サックス奏者と玉置さんは昔からの音楽仲間で、平原綾香さんのことは子供のころから知っている。そのかつての小さい女の子が、大人の女性になったということを描いた曲なのだと思う。ちょっと、非常に危うい、そういう歌詞の内容、それをどう歌うか。平原さんなりの、玉置さんなりの、その解釈と表現。玉置さんは、平原さんの歌唱力を信頼し、それをフルに発揮できるよう、きわめて歌唱難易度の高い曲を作曲したと思うんだよな。それを、平原さんが、作曲者玉置さん二人が、どう歌うのか。必聴。これは、本当に名演でした。


 AIさんとの競演二曲。この玉置浩二ショーで玉置さんと共演する歌手の人、みなさん、超気合が入って、もともと歌が上手い人も、上手さ二割増しアップ効果が出ると思うのだが、AIさんも、僕が今まで聞いた中で一番良かった。素晴らしかった。


 押尾コータロー氏との競演一曲も、本来アップテンポなフル編成でのロックナンバーを、トオミヨウさんピアノ、パーカッション中北裕子さん、という音数少ない、いわばアンプラグド編成で。これも素晴らしかった。今回、パーカッションに僕の大好きな、玉置さんとの名共演多数の中北さんが参加しているのも、嬉しいポイントですね。


 曲順的にぐちゃぐちゃに感想を書くのですが、冒頭の「STEP」という曲、曲の後半に韓国語ラップと、ラストの歌詞「イ・スヒョンのSTEPで」という歌詞が出てきますが、この曲は2001年に新大久保駅で、線路に落ちた人を助けようとして亡くなった韓国人留学生、イ・スヒョンさんのことを知って、そのことに心動かされて玉置さんが作った曲なんですね。嫌韓の人たちがいろいろ言うかと思うので、書いておきます。(このとき、一緒に助けようとした日本人カメラマンの方もなくなっているのに、なぜわざわざ韓国人のことだけを取り上げるのだ、などと言う人までいるので。カメラマンご遺族の方が、国際的美談としていろいろ大騒ぎになったことに対し「そっとしておいてほしい」とご発言されたこと、なので、歌詞をちゃんと読むと「2人でなら」というように、この勇気ある行為は、日本人と韓国人留学生二人が協力して人を助けようとしたのだということは、分かる人にだけ分かる内容になっている。そのあたりのことも玉置さんはいろいろ配慮して考えて、歌詞を書いて曲を作っていると思います。)


 今回の玉置浩二ショーのテーマは「愛」だ。そして「究極の愛」からスタートして、って玉置さんは語ります。「異国の地で、見ず知らずの人を救うために命を落とした」彼の行為を「究極の愛」と言っているんですね。この曲からスタートして、「愛なんだ」と続く。二曲ともアップテンポでエネルギッシュで、玉置さんのいう「愛」というのが、単に優しい美しいだけではない、もっと命そのもの、生きていることそのものの強さの根源、勇気みたいなものも含む、大きいものだということが、伝わってきます。

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