見出し画像

カルマ満タン!横尾先生!

(この記事はサイトから配信のメルマガのアーカイブです♪)


横尾忠則展を満喫した話


前回のコラムで、東京国立近代美術館で日本の芸術の大家たちの作品を観てフル充電したことを書きましたが、また同じメンバーで鑑賞ツアーに行ってきました!楽しいアートライフです。

今回は、横尾忠則展

現在、東京都現代美術館で開催中の横尾忠則氏の個展【GENKYO】です。


もうね〜〜〜、一言で言いますと、ヘトヘトになる展覧会です(笑)。

濃すぎるよ横尾せんせい〜〜〜〜!!と最後笑いがこみ上げます。

どうしたら人生こんな濃くなってしまうんだ。

やっぱりカルマってあるんだな、と思いました。

画像2


■はからずしも修行と解脱

一回の記事では書ききれなそうですが、こちらのコラムを読んでくださっている方々はヨーガに関心のある方が多いかと思いますのでそのあたりから突つきます。

横尾さん、もうかなり生きながらにして解脱系で(爆!)


なんて言いますか、


「自分」を生ききれば、人生そのものが悟りに向かう修行になるんだ


ということをまざまざと見せられた感じです。

横尾さんは別に「修行」しているつもりなんてないでしょう。そこがやっぱり芸術の道や創作というものの破壊的な素晴らしさだと感じます。


もちろんヨーガや仏教や、それ以外にもいろいろな「道」と付くものがそれぞれに持っている体系的な修行方法というものはあります。それらはスタートから「解脱」なり「悟り」なりの成就を目指しています。


でもね、芸術や創作の道って、おそらくは「どこに着くかなどわからない」ところから始められ、その中で自己を知り、世界を知り、この宇宙の深淵をはからずしも体感し、そして結局、宗教などが求めているような「悟り」=「ある種の高次元な理解」へと行き着いてしまうのだな・・・と思いました。

*絵だけ見てこっちに戻ってきて〜!
https://intojapanwaraku.com/art/169405/


「悟り」っていうとなんだか縁遠く感じてしまうかもしれませんが、もっと馴染みのある言葉で言うと「理解」なんですよ。次元の高い理解です。


普段の思考ではわからないような理解。自己への理解かもしれないし、私たちの生きる世界というものへの理解かもしれないし、あるいはその次元を超えた別の次元への理解かもしれない。


私も創作を愛好する人間ですが、私ごときのレベルでもそれは起こります。人生かけてやったらもっとすごいのだと思います。横尾さんは、人生かけてやっている人が通過しそして到着するであろう「理解」へと進んでいるのを感じ、感じさせてもらっただけでも大きな感謝と喜びです。


そしてやっぱり芸術のいいところというのは、「かならずしも目指してそこに着いたわけではない」というところ。そして「本人は、んなことなんとも思っていない(可能性がけっこう高い)」というところです(笑)。


でも・・・

人が「そうとしか生きれませんでした」という生き方をした時、その人生は芸術になります。

なってしまう。




■積んできたカルマ、そのエネルギーの「総量」

先ほど「カルマ」という言葉を出しましたが、カルマとはそのままの意味ですと「行為」という意味で、そこに「因果応報」のような宗教的な思想が乗っかってきますと、「行為とその“結果”」という考え方を表す言葉としても使われます。


こういったインド教学としての一般的な意味に加えて、私は「カルマ」というものにもうひとつ別の訳語をあてています(個人的に)。それはこれまでの自分の人生や、他者の人生を見て体験的に理解したもので、きっとそうなのだろう、と思っているところで、


「カルマ」は、その人がこれまで行った行為という「記録」、その行為がどういうものであったかの「」という一般的な意味に加えて、その行為によって生まれた「エネルギーの総量」と私は考えています。今回の人生で「積んでくる燃料の量」という感じです。


例えば、みんながみんな横尾さんみたいに濃厚な出力人生を送るわけでもなく、私みたいにアホみたいにインド哲学に没頭するわけでもなく、私の友人みたいに何度も死ぬような事故や大怪我に逢ってもまだ生きててダイハード続行中みたいな人生を送るわけでもなく(笑)、あるいは岡本太郎のようにどっかんどっかん爆発して生きるわけでもありません。


こういう人たちって(私も少し入ってるけどwww)、積んできたエネルギーの「量」が多いんだと思うのですよね。カルマの質の問題だけじゃなく、エネルギー量が多いのだと思います。「ナッツ」みたいな感じですよ。同じ体積、同じ重さやサイズでも、含有している要素の密度が高く、カロリー高!みたいなね(笑)。で、そのような「多めの燃料」をちゃんと詰める「ボディの強度」とかも持って生まれてくるんだな、と思います。


車に例えるなら『低燃費で環境に優しく、故障も極めて少なく、親切な安全装置もきちんと付いてて、少ないガソリンでもけっこうな距離走れる、見た目は平凡だけど日本産の良質な車』とかじゃなくて、とりあえず強めのボディで「オフロード大歓迎だぜ!」的なボディに燃料満タンで生まれるカルマ、な感じ(笑)。


もっと穏やかに、その人なりの幸不幸を体験し、入力も出力もいい塩梅にあって、いろいろあっても極端なところには行かずに過ごして終わる人生もあります。そういう設定でちょうどいい感じに生まれる人もたくさんいる。それはそれでいいのです。ぜんぜんいい。みんながみんな派手にやり散らかさなくていいのです(笑)。わざわざ荒野を走らなくていい!w ちょうどよく生きよう。


でも、そうぢゃない人もいる。


なんだかすごいアップダウンしたり、わりとよく爆発したり、ひどく脱線したり、みんなと違うことがぜんぜん平気だったり、普通にしてるつもりでも人から見るとすごい迫力になってしまったり、「ちょっとやってみよう!」と思ったら果てまでやれてしまったりする。

そういうカルマの「量的」な積み方をしている人というのはやっぱりいます。


横尾先生もさぞ、でっかいタンクにカルマエネルギー満タンで生まれてこられたのだなあと思わざるをえないです、こんなのを次から次へと描かれたら・・・
*絵だけ見てこっちに戻ってきて〜
https://artexhibition.jp/topics/news/20210718-AEJ461932/




■自分のカルマなんてわかるだろ?え?

人はよく、自分のカルマを知りたい、と言うけれども、それは別に占星術の鑑定師のところに行ったりしなくても、ある程度自分でわかるんだと思っています。


自分の「体の作り(体質)」、生まれた「環境(家族など人も含め)」、そしてこれまで生きてきて起こったことの「傾向」を考察してみればわかります。小さい子でまだ人生経験のデータが少ない子であっても、体と生まれた環境で大方わかると思います。


自分の人生を自分らしく生きたい、という希望は誰しも少なからずあると思いますが、「何が自分らしいということなのか」に迷うようであれば、体質、生まれた環境、どんなことを好み、どんなことに喜びを感じる傾向があるのかをしっかり感じてみれば、それがあなたのカルマの質だ、と考えられるでしょう。そして「燃料」の質と量もだいたいわかります。


ジープ的な人は「乗り越えるのけっこう大変」な環境で生まれたりします。でもそれはジープ的な燃料とその量、そしてボディを持っていて、「乗り越えられる」からその設定に生まれてくるように思います。荒野に放り出されるのですw


整備された道を快適に走るようにできている車もあります。そういう人があんまりにも過酷な道やオフロードで無理すると、車体がもたなくて苦しくなったりします。

積んできたガソリンの量が少なめな人もいます。突っ走りすぎるともたなくなります。

条件下であれば「長く快適に」走れる車もあります。それがその車の取り柄です。

とにかく「速い」だけに特化した車もあります。それがその車の取り柄。


みな、自分のボディの性質と、積んでる燃料の量を把握したり認めたりでき、その設定に無理に争わなければ、自分のカルマを自分らしく生きることができると思うんですよね。


もちろん経験の中で鍛えられたり、車体をバージョンアップ!とかもあるでしょう。あるいはハイオクだったけどここからはレギュラーで行けるように仕様を変えました、とかもあるかもしれません。


宿命論的な発想には寄りすぎたくないのでこのくらいにしておきますが(笑)、何が言いたかったかというと、「最初に積んできた燃料は使いきれるとスッキリ人生だぜ」ってことです(爆)。


現在85歳の横尾忠則氏は今でも描き続けていて、かなり巨大な絵を描いています。きっとかなり耐久性のあるボディと、非常の豊富な燃料で生まれ、そしてその条件で「超えるべきハードル」を頑張って超えて、おそらく脱皮も何回もして生きてこられたのだろうと感じました。


それで、今回の感動をもう一回言いますと、


「そうとしか生きれませんでした」

という生き方をした時、その人生は芸術になります。


横尾忠則氏の600点近くの作品群を、その初期から現在のものまで追いかけて鑑賞した時、作品ではなく横尾忠則が見えます。私たちは絵を観ながら彼の人生を抽象度が高いことろで体験させてもらったんだな・・・と。


いやきっと、本人は「そんなこと狙ってない」でしょう。

「悪いけど君の思い違いだ」と言われるかもしれませんね(笑)


でもいいじゃないですか。

勝手に思って興奮してあーだこーだ語り合えるのが、美術鑑賞の楽しさ。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


横尾忠則展の純粋なレビューも書きたいのですが、今回はこんな感じで(笑)。


もう一回別で記事、書けるかなあ〜〜、これだけでももうすごいカロリー消費です。


とりあえず東京での会期がもうあと数日で終わりますので、もし興味があって行ける距離にいらっしゃる方に・・


「君も横尾ワールドでヘトヘトに!急げ!」


というメッセージを先に伝えたく、ひとまずこの記事を送り出します。

もちろん良いヘトヘトです。なんかもう一切合切がある感じで元気になりますよ♪


あ!

事前にご飯をしっかり食べてから行ったほうがいいです。観てるだけでもすごいカロリー消費します。それと運動靴で行ったほうがいいと思いますw



横尾忠則氏の個展【GENKYO】(要予約)
https://genkyo-tadanoriyokoo.exhibit.jp/



最後まで読んでくださりありがとうございます。
ナマステ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?