大変なことっていっぺんに来る
最近友人と話したこと。
大変なことって、なんでかいっぺんに来るよね(笑)
というところ。
なんでコレとコレ、いっぺんに来るよ!?と言いたくなるようなことが時としてあったりします。
平穏・平凡な時期もあるわけだから、バランス取って “ならして” 起こってくれたら一個一個対応もしやすいのにさ、なんでか複数案件揃ってやって来たりするよね、と(笑)。
そうそう、そうなんですよ(笑)。
「これってなんか、カルマとかそういう話と関係あるの?」
と。
そうですねえ。いろいろな人の経験談を聞いていると、まず「厄年」ってやつは、あるんじゃないかと思います(笑)。
■芋づる型
カルマ論でひとつ言えそうなところは、「エネルギーの盛り上がり」という感じなのかなと思います。イベントを開けば予想外にいろんな問題が起こったり、いろんな人が来るように(笑)。
「カルマ」って今まさに行なっていることもカルマ(行為)と呼びますが、過去に行為したものの痕跡が、因果の世界の水面下で待機していて、それは「種」みたいなもので、然るべき時に発芽する、みたいな発想なんですよね。
で、待機中だったなんらかの「機が熟した」カルマが、自分が体験するところの表舞台に芽を出して来る時に、植物が芽を出す時のようにすごいエネルギー的な盛り上がりを見せるんですよね。種として待機していた時には出さないような、胎児がこの世に生まれる時のような、「動き」という大きなパワーを発動させる。
ぐぐぐぐぐっと土を盛り上げて芽を出して来る時のパワーというのはすごいもので、押し出されるカルマの動的なエネルギーにつられて諸々一緒に出て来る、ということはきっとあるのだろうと思います。
また、発芽するひとつのカルマには、似たような性質のカルマがくっついているとも考えられそうです。どうせ芽を出して、それを再経験すべき時ならば、似たようなこのカルマもあのカルマも、一緒に片付けけちゃいな的な。ですので、「なんでコレとコレ、いっぺんに来るよ!?」と思うような、それぞれ個別に見える案件も、実は「再経験して向かい合うべくテーマは一緒でっせ。」みたいなところはあるんじゃないかと思います。
「人間関係の問題とお金の問題が同時期に来た!」とか、「仕事の問題と家庭の問題が同時に発生!」とか、別々のもののように見えて実は別の案件ではなく、根っこを辿っていくと自分自身の中の「あるひとつのテーマ」についてのカルマの芽が出ただけなのかもしれません。
植物も、種がひとつで芽がひとつでも、成長して何枚かの葉が付きますもんね。葉っぱを数えると5枚ある、でも種自体は1個、という感じに、別々に見える案件も同じところから来ているものがあるのかもしれませんね。
そういう風にちょっと俯瞰して、葉っぱの多さにビビらないで根本のテーマに対峙する覚悟ができると、すべて「同じ解決法」で行ける場合もあるかもしれないですね。いっぺんに色々起こると確かに大変ではあるし、滅入ってしまう時もあると思いますが、まずは広がった枝葉に対して慌てず感情的にならずに対処できれば、根本的なテーマに対面できるという好機にもなると思います。(大変だけどねw)
■かぶせ型
重要な時に「別の大変なこと」もかぶさってくる、ということもありますよね。
仕事での重要な局面という時に、うまく行っていると思っていた彼女にコテンパンにふられた!!とか、本番直前の稽古真っ最中のさなかにオカンが急に上京してきて「もうお父さんとはやっていけないの!」と泣きながら泊まり込んでくる!とか(笑)。
もっとシリアスなものもたくさんありますね。
こういう「かぶさってくる系」に関しては、私はもうあきらめて「ギフト」だと思うようにしています。
かぶさって来られることで、自分がある一方方向に向かってエネルギーを発揮させようとしている(上記の例だと「仕事の山場」とか「本番」とかに向かわせている)そのエネルギーから、雑味を払ってくれる神の計らい的な(笑)。
(こういう時だけ理論じゃなく曖昧な神を持ち出す図々しさ、も大事w)
これ、けっこうありませんか?
大事な局面に、なんで今なんだよ!的な何かが来ること。
自分の体験でも、人から聞いた体験談でもけっこうあります。
そんなことが多いのが人生なんだとわかったので、最近なんてもう、何か大きめのエネルギー使うだろう「企て」を着想した段階で、「ああ〜これやり始めると一緒に別のギフト(=諸々の出来事)も来るな。それはそれで受け入れよう。」と、苦笑いと共に腹をくくるのです。
人生そんなもんです。“ならして”来てくれたりしない。
以前、だんだん高齢になってきた父が複数の病気を同時期に併発してしまった時、「病気のデパートだ。ここに来ればなんでもある。」と冗談を言ってましたが、人生そんなものなのかもしれません。きっと、そうだ。
特に歳をとるほど「いっぺんに」率が上がるのは、もしかしたら残りの人生でなるべく多くのカルマを片付けていきんしゃい、ということなのかもしれない。そしてもっと歳を重ねると、それすらも落ち着くのかもしれない。(最後まで盛大にカルマ祭りでドタバタの人もいるけど。)
■ブッダの言うとおり型
また「良いことと悪いこと(喜ばしいことと嬉しくないこと)」が、一緒に来るっていうのも摂理なんだろうと思います。
その程度が強かったりすると、喜ばしくない方に意識が向いてしまうバイアスも強くなるものですが、何か困難や苦しいことがある時というのは、目線をちょっとずらしたり、広げてみたりすると「良いこと」もあるんですよね。
そして良いことだけが単独で起こるわけでもなく、苦と楽は必ずセットで引き受ける、それが人生なんだろうと思います。ブッダの言うとおり苦楽は表裏一体で、そうやって経験を通じて人生の摂理を理解していくと、ヨーガ・スートラとかバガヴァッド・ギーターが言うみたいな「実際は良いも悪いもないぜ、心の尺度次第なんさ」と、相対から離れていける境地に近づくのでしょう。万事塞翁が馬、ですね。
今この瞬間の心の尺度は、時が経つと変わるものです。
無常。
■ドタバタのインド神話で笑っておこう
良いも悪いもごっちゃらけ、というこの世の摂理を非常にコミカルに、そしてシュールに展開するインドの神話があります。
インドの神々って寿命があるんですよ。(形而上的な一切者であるブラフマンは別として。)人間よりもずっとずっと長いのですが、それでも寿命があるんです。
なので神々は不老不死の聖水「アムリタ」というものを欲しがるんですね。
同じく、神と同列にいる魔族(アスラと呼ばれたりします)も寿命があるので、聖水アムリタがほしいんです。
どうにかしてアムリタを手に入れようとする神々は、リーダー的存在のヴィシュヌ神のディレクションの元に聖水アムリタ獲得の一大イベントを企てます。神々だけの力では難しそうなので(神々に限界があるのもおもしろい)、アスラ族たちをうまいこと言いくるめて協力させます。君たちもアムリタが手に入るよ!とね。普段は協力することのない神々&アスラ族たちは一時停戦して同じ目的に向かいます。
まずリーダーのヴィシュヌ神が海に多種多様な植物だとか種だとかを入れます。
海に浮かぶ聖なる山に竜(大蛇を想像すればいい)を巻きつけて、
神々とアスラたちが竜を互いに引っ張りあうことで、山をゴリゴリゴリゴリと回します。
山で、海を、かきまわします。
かきまわすとアムリタが出て来るんだそうだ(笑)
海をかきまわす過程で、アムリタだけじゃなく「他の良いもの」もいっぱい出て来ます。太陽や月も出て来るし、宝石も出て来るし、願いを叶えてくれる樹、美しい精霊や女神、聖なる牛なんかも出るわ出るわ。もう世界創生祭りですよ。
でも・・
一緒に「悪しきもの」も生みます。
みんなが欲しい素晴らしいものを出すと同時に、みんなが欲しくないもの、神々でも死んでしまうような猛毒も一緒に出て来てしまうんですね。
竜で山でゴリゴリまわした際に、海の中の生物も山の植物もみんなすり潰されて死んでしまいます。縄代わりにされていた竜だって、もう死にそうですよ、そんなことされたので苦しくなって毒を含んだ息を海中に吐き出します。
その毒の息が、すり潰された生物や植物たちと海水で混ざって猛毒に(!笑!)
神々もアスラも「やべーー!猛毒出て来たーー!!」って大騒ぎになるんですが、話のオチとしてはその毒をシヴァ神がすべて飲み込んでくれて、その件は一件落着、シヴァやっぱすげーという感じに(笑)。
このシュールで喜劇とも取れる神話から、かろうじて何を学べるかというと・・・・
今日の話の「良いも悪いも一緒に出て来る」、というところとかなと(笑)。
イベントのためにパワーを集めると、その動的なエネルギーがその他多くのものも押し出していく、ということ。
人生にもそういうことってあるんじゃないかな、と思えてなりません。
むりにまとめると、
大変なことって、なんでかいっぺんに来るよね。
そういうもんなんだよ。
というところです(笑)。
これに関しては、どうしょうもないっぽいです。
受け止め方としては、いろんなものがいっぺんに出て来るということは、自分の人生に何かしら大きな力が働いていることの証拠とも言えますね。その「動き」はもうすでに動き始めてしまっているので、もう止められない。最後まで成り行かせるしかないので、争わず、リラックスして波に乗ってしまえ、それしかない、というところです。
吹き出してきたニキビを皮膚の中に再度押し込むようなことは、返っておかしな事になるってもんです(笑)。
出し切っていきましょう。
■イベントじゃなくてしいたけ
サムネイルに使った絵は、すごく前に描いた絵です。
なんとなく特に考えもせずに描いたもので、しいたけを運ぶ人々です。
これが、本当になんとなく描いたん絵なんですがある特定の(ごく数名の)ファンがいて・・・w
私も気に入っています。
今日はそんな感じです。
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