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失恋5日目~嫉妬が恋をだめにする~

失恋5日目の朝、皆様いかがお過ごしでしょうか。
すいれんです。

昨日は1日先生と別行動…さみしいな…
と感じて始まった1日でした。
朝礼で、前日わたしがいじめられた仇を見事とってくれた先生ですが、わたしをいじめた最たる看護師を下の名前のちゃんづけで呼んだのを聞いて愕然とし、心の中が嫉妬でいっぱいになった小さいわたしです。

もう一人の別のナースと午前→お昼休憩→午後のお仕事、と連続で行かれるのがデフォルトの毎週金曜日。
『夕方帰ってくるまで先生はいない』
と思いさみしく過ごしていたのですが、先生はお昼にケンタッキーを買って戻ってこられました。
そして、院長室から顔を出し「食べへん?」と声をかけてくれたのです。
まさか一緒にお昼を食べられるとは思っておらず、さらに、
『先生にケンタッキーをもらって食べたりしたら、皆になんて思われるか…』
と瞬時に思ってしまいました。
これがいつものわたしです。
周りにどう思われるか、周りの目を気にして自分の気持ちに正直になれない。
でも昨日のわたしは『そんなことよりいまの自分の喜びを大事にしよう』と思うことができ、「ここで食べてもいい?」と先生に言って、先生のデスクを半分こして一緒にケンタッキーを食べました。
最高です。
もはやここまできたら、誰になんと思われようともういいではないかと思えました。

そして午後の予定について、金曜日は1日もう一人のナースが担当する予定なのですが、先生は昨日の夕方に臨時ではいった往診の方とわたしが担当している重症の方の診療予定を入れ、「午後終わって帰ってきたら、すいちゃん一緒にいこうや」と言いました。
わたしは幸せ者だと思いました。
先生はわたしの仕事をきちんと評価して信用してくれている。
先生が夕方戻るのを心待ちにしながらすべてのカルテ作業を終わらせようと奮闘し、疲れて戻られるであろう先生が好きなコーヒーを買って待っていました。

夕方先生が戻られ車に乗り込むと、今日の朝の朝礼のこと、1日の診療のことを話してくれ、「もう今日は○○(ラブホテルがある地域名)行こうや」と笑って言いました。
そうです。
ここ2週間ほど、先生はやたら性的なお話をされます。
じらしプレイです。
もはや『抱いてくれたらいいのに』状態です。

先生はいわゆる天才です。
長く看護師として生きてきたわたしは、色々な医師をみてきました。
なのでわかります。
先生はまぎれもなく天才です。
しかも、全方向型の天才です。
一方向に飛び出すことは比較的できるのかもしれません。
しかし全方向飛び出せる人というのを、少なくともわたしは見たことがありませんでした。

だから、そんな全方向天才の先生には、わたしの恋心などすでに透けて見えているのかもしれません。
だからそれに応えようとしてくれているのかな、と感じます。
『仕事は評価できるから手放したくない』
『でも恋はしていない』

なのかもしれませんが、先生と一緒にいられる時間を今まで生きてきた中で一番くらい大切にしたいと思うのです。
もういい加減、自分に素直に生きたいのです。

どうして一番言いたい言葉を一番言いたい人に言わずひた隠しにするのでしょうか?
愚かなことです。
この先、先生に気持ちを言える場面があったら、落ち着いてちゃんと思いを伝えたいものです。
好きな人に好きだと言えない、こんなにせつないことはありません。
だけど、わたしはこれまでずっと一番言いたい言葉をずっと言えずに生きてきました。
人生で好きになれる人と出会えることは奇跡のようなことです。
なぜなら、人は出会いを選べないからです。
『好きな人に好きだということ』
人生で一番大切なことだと思うのに、どうしてこれをせずに死んでいこうとするのか。

この土地に来る前、わたしは別の法人で看護師をしていました。
その時にもエリアを統括する上司を好きになってしまいました。
初めの統括は一直線に私を大切にしてくれる人で、心穏やかに恋ができましたが、この方は1年で交代となってしまい、さらにすぐにはいけない土地に転勤となってしまいました。
ちなみにこの方にはきちんと気持ちを伝え、きちんと振られました。
この方の後任として着任したエリア統括は既婚者でした。
なんとなく田舎臭い(すみません)印象の彼は、あまり気を遣わず話をするタイプで、スマートだった前統括とはギャップがあり、わたしもすぐに心を開いたわけではありません。
しかし、着任してすぐ行われた管理者面談の時です。
多忙を極めていたわたしを気遣ってはくれましたが、部下を育てるという部分でいろいろ耳の痛いことを言われました。
ただ、誠実な感じの態度や話し方でしたので嫌な印象はなく、面談の最後に「LINE教えてよ」と言われたのでスマホを出したとき、甥っ子を抱っこした待ち受け写真見た彼は、「めっちゃかわいい」(もちろん甥っ子をです)と言い、甥っ子を溺愛していたわたしは自然と笑顔になりました。
わたしの笑顔を見た彼の表情が固まったのを感じました。
その後、この時のことを彼は「すごくいい感じに笑う人だなと思った。こんなに清い感じの人がいるんだなと」と言っていました。
そして「不倫てどう思います?」と別事業所の男性管理者に訊いていたと聞きました。
多忙を極め、不眠不休の仕事をこなすわたしは、いつも味方してくれる彼をすぐに好きになりました。
あの笑顔のままのわたしでいれば恋になったのかもしれません。
しかしそうはいきませんでした。
彼はエリア統括です。
特別わたしにやさしくしてくれるとはいえ、ほかの管理者の支援もしなければならない立場の人です。
頭ではそれをわかっているけれど、わたしは大体のことは一人でこなせるとはいえ、ほかの管理者の世話ばかり焼く彼にイライラをぶつけてしまうことが増えました。
素直で裏表のない彼は、感情的になるわたしを理解できなかったと思います。
先に伝えるべきは、嫉妬の感情ではなく、『あなたが好きだ』ということだったはず。
これをわたしは『i田さんの悲劇』と呼んでいます。
いくらいい感じに笑う女でも、嫉妬に狂った形相で情緒不安定になれば、男の人はひいてしまうでしょう。

先生を好きになった時、わたしが一番に考えたことは『i田さんの悲劇再びか?』でした。
職場の人を好きになると、些細なことで嫉妬の感情が沸き起こります。
職員はわたしだけではないのだから、ほかの職員と話はするのは当然です。
特に先生はものすごくやさしい話し方をするので、そのたび『あの子にやさしくしてる』…と、いつも嫉妬です。
先生は院長なので、関連する外部の方と会食する機会もあるようだし、その時は事務長みたいなことをしている看護リーダーの女と一緒に行くので、その都度激しく嫉妬します。
普段『妹』と言ってものすごく仲良くしているのだから、『今日は〇〇と会食』とか教えてくれてもいいのに、先生はそういう予定を絶対わたしに言いません。
それにも嫉妬です。
だけど、それは『わたしがやきもち焼くな』と分かって言わないのでは?と昨夜思いました。

昨夜は仕事を18時ちゃんで終え、中華を食べに行こうと最後の診療の帰りに約束していました。
しかし事務長みたいなことをしている看護リーダーの女がいつになくいつまでも帰らず残業しており、不自然に残るわけにいかず、わたしは院長室に声をかけて先に帰りました。
先生はジェスチャーで『電話する』と言い、わたしは『いったん家に帰って着替えておこう』と家の近くまで帰りましたが、看護リーダーの女にややこしい話をされているかもしれないと思い、そうなると先生は疲れるだろうから、先生の家の近くになるかもしれないから…と職場近くに戻り、ドラッグストアに車を停めて、クリニックが入っている総合施設のカフェでミルクティを飲みながら待つことにしました。
30分くらいして先生から「いまどこ?」と電話が入りました。
わたしがカフェで待っているというと先生はびっくりしていましたが、当初の予定の中華のお店に行くことにし、いったんわたしは自宅に自分の車を停め、先生の車に乗り換えてお店に向かいました。
「おしり洗ってドレスアップしてると思ったのに」と先生は言いました。
先生…
今夜も思わせぶりです。

「金曜日はすいちゃん飲ませる日だから」と先生が運転手でノンアルコール、わたしがビールをいただきました。
中華のあとスタバでコーヒーを飲みながら、いろんな話をしました。
先生が着任当初、もう一人の男性ナースをとてもかわいがっているようにわたしには見えており、わたしに仕事の力量は「段違いだよ」と褒めてくれてはいたものの、その男性ナースの方がかわいいのだろうと思っていました。
その男性ナースを社長にしてやりたいから訪問看護をやらそうと思っていると話していたりしたからです。
そのことを先生に話したら「わかってないなー、できないやつだから、そばにいてもらいたくなくて出そうとしてたんやんか」と言いました。
「それわからんで、反対のこと(気に入っている)思ってたわけやろ?」と。
これを聞いてわたしは、『嫉妬を感じることは先生を裏切っている』と思いました。
なぜなら、先生はわたしを信用していろいろなことを話してくれているのに、ちょっとその言葉と違うこと(あいつ嫌いと言っておきながらやさしくするなど)をしているのに対しやきもちを焼くことは、先生の言葉を信じていないことも同じだからです。
大好きな人を一番に信じなくてなにが恋だ。

本当にわたしはバカな女です。
いくつになってもまともに恋できない。

わたしにとって先生はとても大切な人です。
この人をなにより誰より信じなくてどうする。
わたしはもう揺れません。
先生を信じて、生涯先生に恋をしていたいのです。

失恋は続きます…

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