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自作短歌一覧

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2020年4月の記事一覧

【連作短歌】春の回廊

春が来る 眠れる土に高らかなボレロを響かせて春が来る アーモンド、杏、さくらに似た花をあつめて春の回廊とする 三月の風の針先つついたら染井吉野のけはいが覗く 四月にはいろとりどりのキャンディーが空からこぼれおちてはひらく 冬鳥の消えた池には龍が来てみどりの声を意訳している 乱視の眼、貸してあげるね。木洩れ陽がイルミネーションみたいにずっと 昨日より淡いさくらのまなざしを風のデータに閉じ込めてゆく 騒ごうよ サービス精神旺盛な孔雀に羽根を分けてもらって 春暮れて

【短歌】千の眼を

千の眼を瞠(みひら)くように羽ひろげ異界の春を告げる孔雀よ 艶やかな求愛なんぞ目もくれず姉妹孔雀の午後の長閑(のど)けさ