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中越裕史さん「天職の見つけ方」・好きなことは自分では選べない

「海外が好き、海外の空気が合う、海外を飛び回りたい」
←自分では選べない。もう受け入れるしかない。

「なぜ生きるかを知っている者は、殆どあらゆる如何に生きるか、に耐えるのだ」(『夜と霧』より)
たしかにその通りで、しっかりした夢や目標を持っている人は、非常に過酷な状況でも、たくましく生きて、強い精神力で道を切り開いていきます。生きる意味って、人が健康に強く生きていくためには、とても大事なんです。

私は子どもの教育費を稼ぐために公務員になった。
だから、教育費を稼ぐ必要がある間は、
どんな苦手なことでも、ひどいことがあっても、
強い精神力で耐え、鬱にもなれずに道を切り開いてきた。
『子どもにより良い環境を与えたい、選択肢をもたせたい』というのが生きる目的だった。

子どもと同じ家で暮らさなくなり、子どもの教育費のめどがついたことで『子どもにより良い環境を、選択肢をもたせたい』という
これまで私の支えになっていた生きる目標がある意味達成されてしまった。

子どもの教育費のために公務員になった。
子どもがいなかったら、決して足を踏み入れない世界だった。
『自分の幸せ』をこれからの、生きる目的に据えるなら、
教育公務員はその幸せを達成するための手段には成りえない。
こんなめちゃくちゃな組織の中に居続けて、
住む場所の制限をうけたり盗撮被害に遭い続けてもよいとは思わない。

好きでもないことを、収入につながるという理由だけで、心の底から好きと思い込む。そんな器用なことができる性格なら、だれもやりたいことがわからないなんて悩まない。少なくとも僕はそんな器用なタイプでないし、そんな器用な人を今まで見たこともない。それに、どんなに器用に自分を思い込ませても、それは長続きしない。そんなメッキでごまかした思い込みなんて、必ずすぐにはがれてしまいます。だって、なにしろメッキを塗って思い込ませたのは、自分自身なのですから。特に、しんどい時期に、メッキは簡単にはがれます。

授業も相談も好きだった。ただ、全身で拒絶する私の心を抑圧してメッキを塗って、10年以上がんばってきてしまった。目的が達成されて、メッキがぺろっとはがれたということか。

今のっている人生のコースの方がハプニングというか脱線で、
本来の自分が選んだものじゃないんだよな…

20年近く予期せぬコースに組み込まれて、骨折してたから、
松葉づえが必要だったけど、
息子が旅立ったことで、薄皮をはがすように本来の自分に戻りつつある。
骨折が治ってきてるから、松葉づえはもう必要なくなってきている。

松葉づえがあることで、
安心できたし目標達成できたし精神的な安定を保てたし生きてこれたけど、
もう手放しても生きていける。
自分と共に生きてきてくれた物を手放すって、
なかなか複雑な気持ちになるもんだわ。

多分、DVを受けていて加害するパートナーから去るときも、
こんな気持ちになるのかなって気がした。
先が無いのはわかっている。でも、これまで必死に向き合ってきた人。
自分のこれまでの頑張りを手放すって…
過去自分が愛情を注いだ人が、ある時いらなくなっている自分に気が付いたときの気持ちとも似ている。

授業づくりに真剣に取り組んできて、溜まったファイル。
大学の時に受けた授業のファイル。この子たちも手放そう。

子どもの自活能力を育成するためにと、借りたアパート。
2年経って私の好みに仕上がった内装。
この家で、苦しい時期を過ごしてきた。
自分の好きで埋め尽くされたこの空間が私の支えだった。
今の私のニーズや段階に合っていないのはわかってる。
それも、もう手放す時期なんだよね。

私がまたひとつ、つるっとむけるために、
ジモティで処分して、
不動産所有したとき用に好きな家具は実家に送って
動き出す時期なんだよなぁ




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