中国テック企業、シンガポールで事業拡大ー東南アジア膨張への足がかりへ

ByteDance(バイトダンス)やAlibaba(アリババ)などの中国のテック企業は、東南アジアでの優位性を米国のライバルと競い合うために、シンガポールでのプレゼンスを高めている。

FT紙が取材した複数の関係者によると、人工知能スタートアップのSenseTime、オンライン旅行プラットフォームのCtrip、ソーシャルネットワークサイトのYY、通信プロバイダーのChina Telecomなども、オフィスの設置面積を増やしたり、従業員の増員を計画したりしている企業の一つだという。

この傾向は、米中関係の悪化を背景に、世界最大の2つの経済大国の企業が最先端技術で東南アジアの覇権を競い合っていることに起因していると思われる。どのような産業にとっても、SEアジアへの進出を目的とするならば、シンガポールは当然の選択だ。

SenseTime,シンガポールでスタッフを3倍に


SenseTime Group Ltdの評価額は今年、ソフトバンクグループなどからの投資を確保した後、75億米ドル(103.8億シンガポールドル)を突破したが、同社はシンガポールを経由して東南アジアでのプレゼンスを強化している。シンガポールのスタッフを3年以内に約300人に3倍に増やす計画だと、最高経営責任者(CEO)のXu Li氏はインタビューで語っている。シンガポールの国営投資会社テマセク・ホールディングスの支援を受けているSenseTimeは今年、新しい場所に移転し、地元の大学や教育省と協力していくとしている。

SenseTimeは、顔認識からロボット配送まで幅広い分野で事業を展開している。NECは顔認識技術を用いたセキュリティテクノロジーに関してシンガポール政府と実証実験などを進めているが、こうした中国企業の攻勢と競争していくことになりそうだ。


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