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キクチナカガワのムラクモを買えなかった話①〜自分にとっての上がり時計とは〜

お久しぶりです。
これは今年の秋に chrono24でキクチナカガワのムラクモを買おうとして、色々一ヶ月くらいあがいたものの、結局買えなかったお話です。

自分が思ってるよりも、世の中は複雑な世界だなー、と一時期打ちひしがれていました。

それでも再び時計趣味に戻れることができ、今に至る訳です。ただ、これは去年1番ショックでした。笑

はじめに

伝説の時計ムラクモとは

さかのぼること2022年10月のある時、ナカガワさんのツイートがタイムラインに流れてきました。どうやら海外のコレクターが手に入ったムラクモを、すぐに手放しているという。

なんと!あの ム ラ ク モ が売りに出されているだと!!

この記事お読みの方ですので、みなさんご存知かと思いますが、まずはキクチナカガワのムラクモという時計の情報をば。

ホームページより仕様を抜粋↓↓↓
ケース径/36.8ミリ
ラグ幅/22ミリ
防水性能/3気圧
厚さ/8.5ミリ
ムーブ/ヴォーシェ
文字盤はコンブレマイン製
価格は258.5万税込 2022年12月時点
納期96-120ヶ月

 凄まじいほどの鏡面仕上げをケース全面に施し、尋常じゃないほどの立体的で美しい針を持つムラクモ。
 初めて見たときは、いったいこの時計はなんだと衝撃を受けたのを覚えています。さらに、ホームページ見てびっくり!なんと今は納期が10年近くになっています。笑
確かまだ一年前の2021年は3年待ちだったのに、、汗

 そうなんです、ムラクモは年産8本と言われており、あまりの生産量の少なさに一瞬で納期が嵩んでしまったのです。。3年はその当時でも長いと感じ、諦めていましたがまさか、ここまで延びるとは、、
 10年という数字にショックを隠せない自分を見て、この時計に対しては他の時計にない特別な思いを持ってたことに気付かされました。

ムラクモのここが好き!

ここからは私がなぜムラクモに惹かれるかを少しお話したいと思います。

①針フェチ必見の立体的すぎる針

 私はめっちゃ針フェチです。人間でいうと時計の針は目でしょうか。目がパッチリな子って、やっぱりかわいいですよね。

 それと一緒でどんなに良い時計でも針がしっかり仕上げていないと、ピンとはきません。
 現代の時計メーカーでいうと針を最も綺麗に仕上げるのはMoritz Grossmannではないでしょうか。個人的にはキクチナカガワ除くと一番好きなブランドです。とにかく立体的で懐中時計のような細い針を茶紫色に仕上げるというのはまた別の機会に話したいと思います。。

話がそれました。(笑)
 キクチナカガワの針は由紀精密さんのものらしく、最初の切削が終わった時点ですでにかなり立体的なつくりをしています。というか、こんなに立体的に作れるんですね。。これってかなりすごいのでは。。。

ただ、ナカガワさんが仕上げると、さ ら に 下の画像の様に激変します。
いや、ポリッシュとか仕上げってすごいですね。。
本当にここまでの美しさを出せるのか。。素晴らしすぎるこの針よ、、

 まずは短針。通常ではありえない見事な凹面形状をつくるスペード針、影のつくり方が見たことない雰囲気です。もう短針だけで家に飾っておきたいですよね。

 そして長針。先端に向かって見事に立体かつ細く仕上げられ、その美しさには息をのみます。秒針すらも立体的な仕上げがされていて、、これはグロスマンの針を超えているな。。と。
 さらに針のハカマもきれいにポリッシュ!下のハカマの画像は、面取りされた部分にダイヤルの”8”が映り込んでいる様子がわかります。。

 個人的にはこの針だけでお酒が無限に飲めそう(私はお酒弱いので、想像だけですが。。)もうこの針が本当に好きで、、、針だけで良いのでください。。って感じです

②驚異的なブラックポリッシュケース

これはもう下の画像見てもらったほうが早いですね。
なんといっても特徴的なミラーポリッシュのケース。文字がしっかり映り込んでいるのがわかると思いますが、ただの鏡面ではありません。

ブラックポリッシュと言われる非常に高度な技術を全体に施しています。あまりに鏡面レベルが高すぎると黒くなるんですね。。ゼンマイワークスさんのブログでも紹介されていますが、恐ろしく手間がかかる上に、ふつうはネジとか細かい部品に施すもので、ケース全体ってそんなことある?!ってレベルです。ほんと早く現代の名工に選れてください。。
http://blog.zenmaiworks.jp/?eid=300

 個人的には、、なんというんでしょう、鏡面ケースのヌルヌルした質感を感じてみたいです。
 たぶん使用傷も増えるのは怖いでしょうが、キクチナカガワのお二方は是非とも普段使いして欲しいとのこと。

 鏡面ブラックポリッシュケースの時計を普段使い?、とか想像しただけで怖いです(笑)傷つくたび凹みそうですが、あえてやってやろうじゃないですか、手にすることができれば!ですが。(笑)

 サイドビューはこんな感じです。
 私はサイドからの横顔フェチかつラグフェチですが、、んー素敵です。めっちゃ好きですよ!

 ツーピース構造になっているので、非常に薄くカラトラバのようなサイドビューですね。しっかりエッジを立てたシンプルなケース形状ながらも、ケース背面へ緩やかにのびていくアール形状のラグがオールドスタイルな雰囲気を纏い素晴らしい。
 松浦製作所さんの制作のようですが、このケースはポリッシュ前でもいいので、家に置いておきたいくらい好きです。
 ラグはケース一体型でありながら、すごく存在感がある。しっかりポリッシュが効いているからでしょう。
 そして昔ながらのステップベゼルに、凸型のボックスサファイアがレトロな雰囲気を醸しています。
 特筆すべきは見返しの薄さ。私は斜めや横からも見るので、見返しの大きさは気になってしまう性質です。ケースの薄さを強調でき、見返しも少なくできるという点でこの形の風防を上手く使っているようです。たしか針と文字盤のクリアランスもすごく詰めてて、ものづくりに対してすごく真摯に向かい合ってる、そしてちゃんと計算してギリギリ攻める設計が素敵ですね。これはやはりケースだけでも家に飾っておきたいです。。ください。。

③バランスのとれた高級感あるコンブレマイン文字盤

 3つ目は文字盤です。その質感から。何回転写したの?!っていうくらいのたっぷりの厚塗り立体感。普通のメーカーにはまず出せませんね。それもそのはず、ヴティライネン傘下のコンブレマイン製です。よくあるプリントのインデックスだけで、ここまでの差を出せるのは流石すぎます。是非ともコンブレマイン製はコレクションに一本欲しいですね。

 続いては文字盤全体のレイアウト。ブレゲ数字のインデックスに、これでもかと大きくとられたスモールセコンド!最高です。個人的には、この正面からの見た目が本当にどストライク。
 インデックスは、ローマ数字、アラビア数字、バーインデックスなど色々ありますが、全体の適度なカジュアルさをもちつつ、数字の形や雰囲気も楽しめるアラビア数字インデックス、その中でもブレゲ数字は癖がちょっとあって好きです。全体的に太めのフォントな雰囲気もあり視認性も高い!
 また、スモールセコンドに関してはめっちゃ位置が気になるタイプですが、インデックスの縁ギリギリまで攻めてドセンター。気持ちいいですね。これぐらい真ん中にきて、大きく取ってくれると清々しいですよね。
 5と7に関しては思い切って削ってドットになっていますが、これも一番私は好きな表現の仕方です。たまにアラビア数字を削って一部表現する時計もありますが、個人的には我慢なりません。(笑)

 あと、正面から見たときにも間違いなく視認性高そうですよね。黒文字盤は正直、針の仕上げがイマイチだと全然見えないんですよね時間が。でも、この時計はそんなことは全くないと思います。使い手のことをしっかり考えている時計ですね。

いざ買わんムラクモ!

 さて、そんな幻の時計ムラクモですが、ナカガワさんのTwitterみてどれどれとchrono24に見にいくと、まさかのムラクモがあるじゃないですか!
 初出の値段は、あまり覚えてませんが600万くらい?流石に難しいなーと思ってましたが、しばらくすると400万中盤程度まで価格を落として出品してました
実際の写真↓

これは、、!まさか手に入らないと思ってたが買うチャンスが!!
絶対買うと決めましたがお金は、、💰突然言われても、もちろんそんなにありません笑😵‍💫泣く泣く手元にある時計を手放すことに、、ってことで、長くなりましたが、今日はここまで。次回以降につづく。
個人取引海外送金税関やChrono24使ってみての感想など、備忘録にも誰かのためにも役立つかもと。。ではではー!

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