オーヴァルブルーム号、園田競馬デビュー戦展望

自己紹介とご挨拶

初めまして、綿崎と申します。
一口馬主は昨年から初めて、今年から初年度馬が走っている一口馬主1年生です。
この趣味を始めたきっかけはタミーン21ちゃんの美しい馬体とファイナルドリーム21君(共に当時)の不思議な魅力に魅せられてしまった事ですが、園田で走るネクサスハート号を見て【このクラブなら地方行きになっても新子先生の厩舎の馬に出資できる事になるのでは……】と本気で考え、出資頭数を増やした程度には兵庫競馬(園田競馬)大好き人間です。

私は一応文字を書く仕事が本業でして(主に社会、経済系ですが)
過去には他のスポーツ関係で記事を書いていた事もあり、趣味の範疇で競馬でも何か書きたいなと常日頃思っていたのですが、先日会員としてお世話になっているDMMドリームクラブが所有しているオーヴァルブルーム号が園田競馬初出走という報を受けて、地方競馬ファンとしての視点から彼女のレース展望のようなモノを書けないものかと考え、今回筆を取ってみました。

笹田騎手のファンとして(ほぼ内容は無い項目なので読み飛ばしてください)

先に言っておきます、羨ましくて仕方ないです。
人生で初めて、他者に対して強い嫉妬という感情を抱きました。
私は自分で言うのも変ですが、かなり熱心な笹田騎手のファンです。
出馬表が出る曜日になると真っ先に笹田騎手の騎乗馬をチェックし、笹田チャレンジと称して笹田騎手の馬券を大量に買い、園田競馬場の売店では店員さんにお願いして本来存在しなかった笹田騎手のビッグキーホルダーを作ってもらい、馬の擬人化アニメについては詳しくないのにささぴょい伝説なる替え歌を作り出して友人とのカラオケで熱唱するようなファンで、夢は個人で馬を買って笹田騎手に乗ってもらう事でもある。
それくらい熱心な事もあり、なぜ一年早く一口を初めてオーヴァルブルーム号に出資をしなかったんだと、出馬表が出てから自分を責める毎日。いや本当に羨ましいんですよ、一口の権利を買い取る事が可能だったら全て買い占めてしまいたいと本気で思っている程度には。
そもそも新子厩舎に枠を確保できているDMMというクラブは本当に凄いなと。
新子厩舎は地方競馬界を代表する競走馬が揃う、地方ファンからすると出資馬が所属しているだけで夢見心地になれると言っても過言でない厩舎、いや本当に羨ましい。

……失礼しました。
個人的な内容ばかりではタイトル詐欺になるのでこの辺にして、ここからは真面目に。

デビュー戦勝利は可能なのか


先にデビュー戦についての所見を言ってしまうと
正直このレースは厳しいかもしれないな
というのが正直なところです。

もちろんオーヴァルブルーム号の能力に疑いがあるわけではありません。
しかし諸々の事情から考えると、出馬表を見る限り今回は厳しい戦いになる事が想定されます。まずはその理由について解説する為に、兵庫競馬事情に少し触れていきます。

兵庫競馬について

園田競馬場、姫路競馬場で開催される兵庫競馬は、地方競馬界では南関東に次ぐレベルの高さを誇っています。
最下級のC3クラスを除き常に一定以上の水準を有しており、特にこの時期は中央時代の成績に関係なく自動的に3歳転入馬がC2クラスに編入されるため、下級条件でも濃いメンバーが集まります。

それならば何故そこに転入させたのか? 直近で結果を残している名古屋でもいいじゃないかと疑問を抱くのが近い範囲で成功体験を持つDMM会員の方なら自然な流れかもしれません。
しかしオーヴァルブルーム号のように中央で優れた成績を残した未勝利馬の選択肢は、編入時のクラス編成の関係で実質的に門別か兵庫(園田)の二択しかなく、必然的にそこに能力のある馬が集中してしまうのです。
ちなみに名古屋に転入する場合はA級、つまり中央で例えると実質的にオープンクラスへの編入となっていたと想定されます。ここで勝つには2勝クラスで上位争いをできるレベルの力が必要であり、いくら彼女が高い能力を持つ馬とはいえ、相当厳しい戦いになる事は容易に想像できます。
つまりクラブ内で中央再転入を実現した名古屋競馬に比べると復帰時の難易度が非常高い、その点については予め踏まえておく必要があります。

今回のレース展望

前置きが長くなりましたが、これらを踏まえてレースについてです。

今回は厳しいかもしれない、そう考えた一番の理由は相手関係です。
園田の地方転入初戦というのはなかなか難しく、能力の高い馬でも勝ちきれないレースは多々発生します。
そんな環境でも初戦から勝利する可能性が高い転入馬は、能力を有する事を前提として

先行力が高く、ダートで結果を残している、父が地方ダート適性の強い馬

の3要素のどれかを持っている場合が多いのです。
今回の場合、それに該当するのは2番と3番。オーヴァルブルーム号は能力だけで考えればトップレベルですが、要素を一つも持っていません。

なぜこれらが必要なのか。
理由としてはシンプルで、園田競馬は他の地方競馬場の例に漏れずパワーを必要とするダート馬場である為、芝馬には厳しい環境であり、小さな競馬場で直線が短い事から逃げ先行勢が圧倒的に有利なのです。

ライバルは上記の2頭に加えて、能力を発揮しやすい転入2戦目となる8枠の2頭、そして地方全体のリーディングジョッキーである吉村騎手が騎乗する4番である事が想定され、正直クラスを考えるとかなりハイレベルな構成になってしまった印象はあります。
しかしこの状況を避けるのは1870mのC2レースはあまり数が多くないという事情から難しかったと想像できます。園田は1400mのレースが大半を占め、1870はレース数の少ない実質的な最長距離な為(重賞等ではさらに長いレースもありますが)、どうしても短距離が適正ではない有力な転入馬が固まってしまったのでしょう。

ポジティブな要素


少しネガティブな話が続いてしまったので、ここからはポジティブな要素を。

枠順について懸念を持たれている方も多いようですが、そこは個人的に問題ないと考えてます。
基本外枠有利の園田ですが、一般的な競馬場と同じように距離が長いと内枠なりのメリットも発生します。むしろ立ち回り次第とその日の内側の砂の深さ次第では有利に働く事も。
競馬の内容はある程度の位置を取れれば差しに構える、後ろからになった場合は二周目の向正面から捲っていく競馬になるのではないかと想像していますが、特に後者は園田における差し追込馬の勝ち筋なので期待したいですね。

笹田騎手と新子厩舎

今回の鞍上の笹田騎手は新子厩舎所属の主戦騎手であり、園田競馬における騎手では三強と呼ばれる吉村騎手、田中騎手、下原騎手の次に位置する実力上位のジョッキーです。
諸事情もあり乗鞍をあえて少なくしている関係でリーディング上位ではありませんが、普通の鞍数を乗っていた一昨年などの成績を見ていただければ理解はしていただけるはずです。
特徴としては逃げが非常に上手な騎手で、昨年の兵庫ダービー馬バウチェイサー号、牝馬ではパールプレミア号、アキュートガール号など、新子厩舎の逃げ先行馬と共に多くの重賞を勝ち取っています。
そういう意味ではオーヴァルブルーム号も上手く逃してくれる可能性もありますが、本人は得意戦術として差しを自称しており、後ろからの競馬でも十分に対応できるはずです。

新子厩舎✖️笹田騎手の師弟コンビはかなり鉄板の組み合わせとして有名であり、出走する中央転入を狙う馬は自動的に人気を背負う、園田のファンからするとそれくらい信頼度が高いコンビ。実際にこれまでにも多くの馬で2勝ないし3勝を挙げ、中央への出戻りを実現してきました。
この点はオーヴァルブルーム号にとってかなりポジティブな要素ですね、地元のファンからも注目を集めるはずです。

新子先生は超一流の調教師です。
昨年のリーディングこそYGGなどのクラブでも有名な保利先生に譲っていますが、中央では1勝クラス馬だったイグナイター号を地方最強馬に育て上げる、南関東で燻っていた門別三冠馬のラッキードリーム号を復活させる等、馬の能力を引き出す事について非常に定評のある方です。
過去にネクサスハート号の中央復帰を達成できなかった事で不安に思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、彼については2歳を除き兵庫よりレベルが下がると言われる門別下級クラスでの現状を見る限り、仕方の無い点は多々あったはずです。

まとめ

やや話がバラけてしまいましたが。
理解していただきたいのは、今回もし負けてしまってもそれはあくまでも復帰のために必要な過程であり、悲観する必要は全く無いという点です。
前述したように新子先生と笹田騎手は数多くの転入馬を扱ってきた名コンビ。
オーヴァルブルーム号にとってはこれ以上の環境はなく、多少の躓きがあってもしっかりとした道筋を立て、彼女を中央復帰へと導いてくれるはずです。

最後になりましたが、私も皆さんの愛馬であるオーヴァルブルーム号の勝利を祈りながら、期待を込めて普段よりも多めの金額の笹田チャレンジをしながら応援したいと思っています。

頑張れ、オーヴァルブルームちゃん。

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