ブチ切れてしまう時の話

基本的にわたしはヘラヘラしている。

それはもう、一生懸命、健気にヘラヘラしている。

なぜかと言うと、そうやって自分の機嫌をとっているからだ。
ヘラヘラしているうちに、心にちょっと引っかかった何かも、まぁいっか〜〜ヘラヘラ〜〜〜〜となっていく。

我が家は4世代6人の人間が住んでいるのだが、それはもう仲が悪い。全員仲が悪い。よく共同生活できているなとしみじみ思うほどに仲が悪い。

日常生活の中に大喧嘩が散りばめられている。

父と母は本当にによく喧嘩をする。テレビを見てもご飯を食べても、ちょっとした会話の中で小爆発が起こる。
いただき物のシャインマスカットが喧嘩のきっかけになることもあり、そんな時はもう白目になるしかない。
2人の喧嘩に口は挟まず、透明になり、おいしくシャインマスカットをいただく。

わたしと祖母もよく喧嘩をする。
それも本当に些細なことだ。
お互い口を開けばゴングが鳴るようプログラムされているみたいにしょっちゅう。

だがここまではお互いに日常会話の範囲である。

問題はわたしと父母。

わたしは基本的に、この2人に何か言いたいと思ってもグッと堪える。
言いたいことが喉の奥から舌の先まで出かかっていても、飲み込む。とにかく腹の底に沈める。
そして相手がどんなに機嫌悪く話しかけてきても、ヘラヘラと「あー、うん、わかったあ〜〜〜〜」なんて返している。
そして夜中に悶々と考え、眠れなかったり泣いたりしている。

どうです？健気でしょう？

わたしはこうやってどんどん心にイライラモヤモヤを溜め込み、ある日突然どかーーーーーん！！！となるのだ。

そういう人は少なくないだろう。

そして、なんとも残念なことにわたしが切れるとこの2人は逆ギレする。

はあ？お前、そんな事言える立場なわけ？
という感じで、罵詈雑言の嵐。

そしてズタズタになったわたしはまた夜中にひとり泣くのだ。

なんだか悲劇のヒロインみたいな事を言ってるなあと自分でも思うが、数ヶ月に1回の悲劇のヒロインなので許してほしい。

そして大事なのは爆発したあとなのだが、またわたしはヘラヘラする。
父と喧嘩したあとヘラヘラ話しかけたら「なんでいつもヘラヘラしてんの？」言われたことがある。

そのときは「一生懸命ヘラヘラしてる」と答えた。

わたしにとってはかなり勇気のいる告白だったんだけど、きっと父はなんとも思っていないんだろうなと。

なんだか書いていて悲しくなってきたけれど、普段は別にフツウなのだ。

そうそう、別にフツー。 それならいいじゃんあははー。

またヘラヘラしてしまった。

でもこれが一番自分の機嫌をとるいい方法。
人生でイライラしたりモヤモヤしたりしている時間はもったいない。

早く切り替えて笑って過ごすのだ。

笑うのに疲れたらブチ切れて泣いてヘラヘラしてまた笑うんだ。

ヘラヘラなんてあまりよくない感じだけど、自分のためにヘラヘラできる、俺ってサイコーーーー！
一生懸命ヘラヘラしていろんなもの躱してこーぜっ！