【1日目】髪を緑に染めた日

【1日目】
髪を染めようと決心して、美容院に行ってきた。

特に理由は無いが緑にする。
何の思い入れもないが昔テレビに出ていたロバートの馬場さんに強い憧れを持っていたのかも知れない。

美容師の人と色見本を見ながら相談してどの明るさにするか相談して
まずはブリーチで脱色する。

すると美容師さんから「まれに沁みたりして激痛が走る人がいるから気をつけて」と言われる。

痛いのか。今まで私が見かけていた金髪の人々は
そんな痛みを乗り越えてきたのか。すごい。

私は幸いなことに沁みなかったが、
冷たい液体を髪に塗布されてしばらく待たされた。

暇だったからNetflixでワンピースの実写版を見せてもらった。知人からの評判を聞いた通り、コビー役の俳優さんが見目麗しかった。
あとは実写のリアル描写のおかげで漫画以上に悪役は悪役らしい海賊感を感じた。

ブリーチの時間が終わり、自分に不釣り合いな金髪をカメラで残してから、緑にする液をつける。

するとまた美容師さんから「実はブリーチ液よりこっちの方が痛いって人がいるんです」と念を押された。

先に言ってくださいませ。
どんだけ世の中の髪を染めている人たちは苦難を乗り越えなければいけないのか。
もはや尊敬の念すら抱いている。

痛みに怯えながら液が塗られていく。
Netflixでは斧手のモーガンが映っている。
モーガンが手を斧にした方が痛いのか、
それとも髪を緑にする方が痛いのか、勝負だと腹を括った。

結果はモーガンの方が痛いと思う。

数分後、髪をシャンプー台で洗い、席に戻ると、
めっっっちゃ髪が青い自分がいた。
もう緑じゃなくて青である。
紺碧である。

どうやら、塗りが足りなかったみたいで、延長戦に突入した。
Netflixはバギーも終盤になって、ウソップが登場していた。

サンジが現れたところで、
髪が染まり終わった。
ウソップ編を疲れて薄れゆく意識の中で、ただただ眺めていた。

タオルを取ると、髪が無事緑になっていた。
ただ馬場さんというよりも
「志茂田景樹やん。。」

私は4時間かけてワンピースのサンジ登場までの視聴と志茂田景樹への変貌を成し遂げた。

正直、青で止めとけばよかった。という言葉をぐっと飲み込み、美容師さんに感謝の言葉を述べて、退店した。

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