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【6日目】納豆丼をかきこむ日

昔友人の家の近くにあった「牛丼太郎」の納豆丼が無性に食べたくなった。

あつあつのご飯の上に納豆がかかってるだけのシンプルな料理だが、値段の安さや他の牛丼屋にはないオリジナリティに私は感服し、いつもその店に行く際は、皆が牛丼を頼む中、一人だけ納豆丼を頼んでいた。

朝起きた私は、急に店で食べる納豆を欲して、検索した。すると懐かしの「牛丼太郎」の名前がヒットした。

令和になった今、「牛丼太郎」は「丼太郎」へと名前を変え、茗荷谷に一店舗残し、それ以外は全て閉店してしまったらしい。

私は茗荷谷へと足を運んだ。

店名を変えたからか、看板の「牛」の字が消されたり、隠されたりして「丼太郎」となっている。
写真右の看板の下地の色と合わせて塗りつぶした方が先か、それとも左の白い四角で隠した方が先か。
ニワトリが先か卵が先か。
子どもの頃、自由研究か何かで調べたら、
「始祖鳥が先」と第三の選択肢を突き出されたのを思い出した。

食券を買って少し待つ。
先に薄めの麦茶が出されて、
暑さのせいか、それを一気に飲み干した。

店員さんが、熱々のご飯をよそい、冷蔵庫から納豆の入った寸胴を取り出した。

納豆かけ、海苔をちらし着丼。

味噌汁付で280円

懐かしみながらかきこむ。
正直、昔の味がどうだったのかは定かではない。
ただ「あの時の納豆丼」を今食べている。
その事実だけで十分だと思った。

私は5分ほどで食べ終わり、店を出た。

風邪が流行っているので、外食時マスクをつけていたが、口内のあまりの納豆臭さにすぐさま外した。

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