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夏色パイセンを現実世界に召喚する方法論Ⅰ(静止画編)

前書き

本NoteはSynthVとかTOKYO6とかAdvent Calender2022にあたって書いた記事です!!!!!!


①本記事のねらい及び達成目標

・MMDモデルを実写映像や静止画と合成すること(以降写実合成と呼称する)であたかも現実世界にキャラクターが居るように錯覚する映像を作る事ができる。
・現時点で私の持つ知見を共有しさらなる技術発展につなげる。

事前に私が以前制作した動画を一度視聴していただければありがたい。

やっていこう。

②必要なもの

・MikuMikuDance(最重要ツール)
・Adobe Photoshop(最重要ツール)
・Adobe AfterEffects(代用可能)

以上

③実際の流れ

まず完成品を静止画にしたいか動画にしたいかを決める。
前者であれば慣れれば5分ほどでできる。後者に関してはカメラに動きがついているかで難易度が変わる。ちなみに動画に対して合成することをマッチムーブという。今回は前者について簡単に説明していく。

静止画写実合成の作り方

まずは全体のレイヤー構成をお見せする。

レイヤー管理下手すぎる

流れとしては

  1. モデルを違和感の無いように写真に配置

  2. 接地面(影)の処理(最も大事)

  3. 色トレス

  4. 全体のカラコレ

  5. ゴリゴリに加工する

といった感じだ。やっていこう。

今回の完成品。P.A.WORKS.のような絵創りを目指す。
具体的には「色づく世界の明日から」「凪のあすから」のようにしていきたい。
ストーリーもさることながら、光の表現が得に素晴らしいのでぜひ一度視聴していただきたい。

今回の完成品です

1.モデルを違和感の無いように写真に配置


風景写真を用意する。実際に現地に赴いて夏色パイセンの幻影が視えた場所を撮影する。

ただ君に晴れのロケ地にもなった雨晴駅(富山県)

この写真に加工を施していきます。イメージとしてはこの街を離れるために電車を待つパイセンだ。打ち上げ花火上から見るか下から見るか的な。

MMDでモデルを出力する。静止画をFullHDの動画素材として使用することを想定するとサイズは大きければ大きい方がよいだろう。私はいつも4Kで出力しる。

MMDで良い感じなポージングをしたパイセンを出力する

2.接地面(影)の処理

ここが写実合成の肝となる。

接地面無し

この処理をしないと地面と接地している感が十分に得られない。
ものすごく浮遊している感、雑コラになってしまう。

接地面処理後

雰囲気でペンツールを用いて影を描いていく。
反転+黒化したMMD画像を置くのも方法も試しましたが書いた方が手早いく自然な感じになる。他にいい方法あったら教えて欲しい。
太陽が南中高度にある事を想定するならば足元影だけで済むので楽だ。
撮影した写真に映り込んでいるオブジェクトから、太陽の位置を想像して角度や濃度を調整していく。

左影あり
右影なし

体の凹凸に合わせて影を描きこんでいく。手前のミラーの支柱の角度や撮影した時の時間からパイセンの正面から光が当たっていると考えられる。なのでパイセンの背側や下乳に影ができるはずだ。
MMD側で光源の位置を弄ってから出力する方法もあるが面倒なので基本セルフシャドウを切ってから出力している。面倒なので。

3.色トレス

この工程の必要性は自分が作りたい画像の方向性にもよる。
色トレスについては各自調べていただきたい。
ざっくり説明すると風景と輪郭線の色合いを合わせてあげる作業だ。
MMDのデフォルトの輪郭線は黒っぽく、そのまま写真に配置してしまうと色が馴染まず違和感を生み出してしまう。
また、写真をよく観察すると分かるが、現実世界には輪郭線はほとんどみえない。光が当たる事による陰影でオブジェクトの輪郭があたかもあるように見えている(とおもわれる。知らんけど)。
そこにくっきりとした輪郭線を持つ2Dのイラストを配置すると違和感が生まれてしまうので、色トレスを施すことによってその境界線を曖昧にすることができる(と思っている)はず。

Psファイル間違えてレイヤー結合していたので別写真を載せてます↓

トレス処理前
トレス処理後

具体的な方法
方法①MMDでCroquisエフェクトを使う
方法②Photoshopで作る
1)MMD画像に対してフィルタ>その他>ハイパスフィルター (画像の左)
2)イメージ>色調補正>二階調化 で白黒にする
3)色域選択で白い部分を透過する
4)色を変える

以上

左 ハイパス処理後
真ん中 二階調化後
右 白を透過
処理が甘いけどこんな感じ

4.全体のカラコレ


全体を青くしました

動画で使うならこの処理はAEやAviでのコンポジット時に行ってもよいと思われる。
今回は写真の右側からグラデーションツールで青みを追加している。

5.ゴリゴリに加工する

もやもやや光の粒子、レンズフレア等を配置するといい感じになる。
ここはお好みで。
Photoshopであればマスクを切って周囲にガウスぼかしをかけるなど。
Aviutlであれば周辺減光を+に振って周辺を光らせたりカメラ効果のボケ等も有用だ。

今回は映り込んでいた車や歩行者を消したり、撮影時曇っていた空を晴天にしたりと処理をしている。Photoshopの修正ブラシを駆使しましょう。

処理前
処理後


いかがだったでしょうか。

次回は夏色パイセンを現実世界に召喚する方法論Ⅱ(動画編)です

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