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散歩日記:猫である。

予定がある、と思っていた。

10月ライブWAKEMEの直前、早稲田大学に通う友達とばったり会った。
中等部1年生の頃からずっと同じ部活だった茶道部の部長。顔を合わせたのは卒業式ぶりだった。

ご飯に行こう!と予定を立て、「この日なら夜から空いてる!」と言われたので承諾した。

私はというと、授業は2限まで。
室町文学を学ぶ1限。最近は男児とお坊さんのボーイズラブ(先生の言葉そのまま)の文章をひたすら読んでいる。
2限は太宰。今回もひたすら太宰の文章を分析した。このあと、予定が入っていると、思っていた。

私が所属している国語国文学会の行事が入っていた──と思い込んでいた。その予定は12月。再来月だ。馬鹿だ、なぜ間違えたのか検討もつかない。

そんなこんなで私に突如与えられた暇。
時間にして約6時間である。

ということで、その時間を潰そうと朝400円で購入した乙女ゲームをひたすらやり込んだ。
オープニングから真エンディング回収まで、3時間。ぶっ続けでやり切った。大学の図書館で。なかなか脳を焼かれたので、しばらく余韻で動けなくなったりした。到底400円の満足度では無い。
「陰キャラブコメ」400円払えば無料でできる。おすすめは出来ない。おすすめなんてしたら私の友達がいなくなる。

さて、あと3時間どうしようか。
せっかく図書館にいるんだから、本でも読もうか。
レポートはあらかた片付けていたので、本当に暇だった。
最近本を紹介するYouTuberにハマっていて、ミステリーを読みたい気分になっている。実はここまであまり読んできていない東野圭吾作品を読んでみようかと思い、図書館の地下へ。
機械仕掛けの本棚を動かすタイプだった。
私が読みたい書架の隣を必死に調べる、おそらく社会学関連の学生。私の読みたい書架が動かせない。早々に諦めた。

さて──。
あと3時間、どうしようか。

YouTubeを見るのも少し飽きてきた。
ひとりでコンカフェデビューでもしようかな、と調べてみてもどこも夜開店ばかり。

まぁ、無難にカラオケでも行くか。
夕飯は楽しく食べたいし、腹を空かせておきたい。

と図書館を出ることにした。
しばらくぼんやり歩く。
大学から最寄り駅までは徒歩20分。

静かすぎる図書館の余韻が抜けない。
静かな場所から出ると、体が静まり返って少し脱力した感じになる。なんというか、頭が良くなった感じ。
いや、図書館でやったことといえば乙女ゲームとシャニマスなんだけど。
限界カス大学生の自覚は、ある。

ふと、思いついたことがある。
そうだ、雑司ヶ谷霊園に行こう。

ようやく本題。ここまでは前置きである。

雑司ヶ谷霊園。雑司ヶ谷にある馬鹿広い墓地だ。
ただの墓地ではない。文豪や画家など、著名人が多く眠る墓地。

普段、私は日本文学科で文学を学んでいる。
もちろん、近代文学も好きでよく読む。

私の通う学科では、校外学習として雑司ヶ谷霊園に行く行事がある。
文豪の墓をいくつか巡り、我が校の創設者の墓を訪ねるというものだ。

その行事があったのは先月のこと。
私はインフルエンザで行くことが出来なかった。
文豪の墓を見に行くのは正直、かなり楽しみだった。
でも、そこまで親しくない大学の同級生と一緒に動くのはいささか面倒だ。
私は大学に友達がいない。
0ではないけど、ほぼ、いない。
あとあの時期暑かったし。

せっかくなら行きたかったな〜いずれ、ひとりでもいいから行こうかな。
そうぼんやり思いながら一ヶ月。
ちょうどいい気候、ちょうどいい時間。
よし、今だ。行こう。

少し雑司ヶ谷駅を通り越したところで意を決して方向転換し、雑司ヶ谷駅の向こう側へ向かった。
過去、1人で美味しいおにぎりやさんに行った時に少し通った道。
ついでに、「気ままに散歩」ってものをしてみたい。
地図はチラ見する程度で、ぼんやりとした方向を把握した状態で歩みを進める。

この頃にはもう、noteで散歩レポのようなものを書こうと決めていたので、道すがら猫を撮ったりもした。

猫、かわい〜。

散歩ブログって道端の猫をあげたりしてるよね、というぼんやりとしたイメージで。
ちょっとビビっているので、上からのアングルで少し離れ気味。

私の好きなVtuberの趣味が散歩で、彼女の散歩動画やレポが本当に面白くて好きだ。
だから、彼女のように感じるままに歩いてみた。
ゴールは雑司ヶ谷霊園、それだけ決めて。

鬼子母神。カッケー名前の門があった。
神と名のつく地名だ。きっと神社でもあるのだろう。
行ってみることにした。この時点で、雑司ヶ谷霊園へはかなり遠回りしていくことが決まった。
ワクワクする。

なんか色々大層なことが書いてある
入口に佇む虎

なんか虎が急にあらわれて面白かった。

門を潜り、ひたすら歩く。
商店街と住宅街。
と、欅並木。

別にありがたみも感じねーな……と思いながら歩く。
神社、ありそうだけどなぁ。
色々な所に雑司ヶ谷七福神とか書いてあるし。
雑司ヶ谷にそんなに神様いるのか。

と思っていたら並木道が終わった。
なんだ、神社無いじゃん。
と、横を向いたら急に神社が出現した。

住宅街の神社は、唐突に現れるから良い。
観光スポットの気配がまるでしない。

羽虫を避けながら撮影・お参り。
手水舎はまだ封鎖されていた。

赤い鳥居が並んでいるとテンションが上がる
謎の店。風情がある。

今改めてよく見たら店の中に人がいる……
まだやってるんだ、この店。

たまたま財布に入っていた五円玉で参拝。

なんか、散歩って感じ!
適当な道から外に出る。雑司ヶ谷霊園の方向を改めて確認し、また適当に歩き出す。

また神社。
恵比寿様を祀っている、っぽい。
ここでもお参り。

へェ〜……と思いながらまたトボトボ歩いていく。
住宅街、住宅街、住宅街。

ひたすら霊園方面に向かっていくと、ついに雑司ヶ谷霊園が見えた。

ふらっと入る。
当たり前だが、広い。

正直想像以上に広い。
でっかい墓巡れば著名人の墓は大体巡れるかなーと思っていた私が馬鹿だった。
道も複雑、ただ広い。夕方の太陽光はひたすらに暑かった。
「雑司ヶ谷霊園 マップ」検索。

土地に割り振られた番号を頼りに、まずは一番近そうな夏目漱石の墓に向かう。

向かう途中、猫がいる墓があった。
夏目漱石の墓は近そうだ。

夏目漱石

大きい!!裏からでもすぐに分かった。
ぐるりと回って表に行き、手を合わせる。
少し感動した。

母も別の大学だが、日本文学科の人間だった。
その時の卒論は夏目漱石をテーマに書いたらしい。
私が一番好きな作品は「こゝろ」だ。漱石の中でも比較的読みやすい気がするし、夏目漱石自体近代文学作家の中では読みやすい部類だと思う。
まだ読んだことない人は、ぜひ。
前期/後期三部作
「三四郎」「それから」「門」
「彼岸過迄」「行人」「こゝろ」
から手を出すと読みやすいかもしれない。

まぁ、私もぶっちゃけ全部は読んでいないけど。
「こゝろ」は本当にいい
健康に良い。

竹久夢二

竹久夢二。
画家。
大正ロマンを感じる絵柄が特徴。
あまり詳しくはないけど、せっかくなので。

泉鏡花

泉鏡花。
正直あまり詳しくないので、文ストの鏡花ちゃんが頭を過ぎる。
本物の泉鏡花はおじさんなのに……。
オタクの脳は湯豆腐とうさぎが好きな14歳の少女だと認識してしまう。

せっかくなので一作品読んでみることにした。
青空文庫をさっと見て選んだのは「愛と婚姻」。
愛に飢えてるから!結婚したいから!!!
婚姻!婚姻!婚姻!婚姻!婚姻!
ちょうど今日乙女ゲームを全クリしたので、ちょうどいい。
たまたま短編だったようなので、そのまま読んでみることに。
読みにくい!やっぱり明治時代だな。
他の作品もいくつか見てみたがやっぱり文章はとっつきにくく感じた。
内容に関しては……私は結婚したいけどね!って感じ、かな……。
小説の結婚はめでたいが、現実ではそうでもない。
そうなのー???まぁ、当時からしたらそうか。
小説というより、意見文みたいな。
調べたらやはり随筆だったようだ。
まぁ、私は結婚したいけど……。

もう少しこの文体に慣れたら色々読んでみたい。有識者、どなたか読みやすい作品を教えてください。

永井荷風

永井荷風。
あめりか物語を少しだけ前期の授業で取り扱った。
私は強いて言うなら耽美派が好きなので、かなり好きな分類だ。あと私小説も。
でもあまり読んだことは無い。
もう少し読んでみようかな

小泉八雲

小泉八雲
小泉八雲!!!!!怪談!!!大好き!!!
耳なし芳一、ろくろ首、雪女。
翻訳されたものしか読んだことないけど、だいぶ好きだ。
青空文庫で読めるのでぜひ読んで欲しい。
昔話として記憶しているストーリーと少し違ったりもするのがこういった物語の面白いところなので。

東條英機

東條英機。へぇ〜

他にも、大量の烏と黒猫がたむろする墓があった。
怖くて流石に近づけなかった。
私はかなりそういったことを信じている。

ここまでで移動時間含め2時間を費やす。
残った暇な1時間と少しでこのnoteを書いている。

お持っていたより大作になってしまった。
こういうのを書くのも結構楽しい。

「葉」形式の日記を書くのも楽しいけど、こういうのもたまに書いていきたい。

んじゃ、友達とお寿司でも食べるか〜!!

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