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花火がきれいで涙がでるね

 先日、家族で地元のお祭りに行ったときのこと。

 コロナで自粛していた時期を経て、3年ぶりの開催となったこのお祭りは本当にたくさんの人で溢れかえっていました。2番目6歳女子と3番目の5歳男子は背も低くて、人混みの中では手をつないで歩くのがやっとの状態。たくさんの屋台も長い行列ができて、その中でもやっと買えたのがかき氷。
 あまりの人の多さに、わが家はそのかき氷を会場の端っこで食べ終わったら、早々に家に帰ることにしました。

 帰り道も相変わらず人は多かったけど、お祭りの中心から離れるごとにすれ違う人も少なくなり、次第に私も子どもたちを見失わないようにと必死だった緊張感が解けていきました。
 そうしていると、私たちはあと20分で花火が上がるというときに、ちょうど河川敷の階段付近に到着していました。そのまま帰ることもできましたが、この日はその階段に座って、花火が上がるのを待ちました。

 周りに人はいましたが、たくさんの人混みの中に比べたらとても静かで、座ったまま子どもたちとも静かに話ができて、それだけでもとても素敵な時間でした。

 いざ、花火が上がると子どもたちは最初は「みどり! きいろ! あか! 星の形!」と声を出して花火を楽しんでいましたが、そのうち静かに眺めるようになっていました。

 そして、私の左隣にいた3番目5歳男子が、「おかあさん、花火がきれいで涙がでるね。」と静かに言いました。

 彼はきっときれいなものを見て、心が動いたのだと思います。その心が涙として現れました。ふと私の右側に目をやると、隣で2番目6歳女子も静かに涙を拭いていました。

 この子どもたちの心を、感性を、ずっと育てていきたい、そう思えた時間でした。

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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