両手両足を捻挫した。

母が毎日のように泣いている。看病する者とされる者は常に隣同士にいなければならないから、自分の心まで悲しみに侵食されそうで一緒にいるのがつらい。ポジティブな感情は周りを明るくするし、ネガティブな感情は周りを暗くする。感情の波は伝播する。きっと私はネガティブの波に侵されていて、目も当てられないような迷惑な存在になっているのだろう。どんどん自信がなくなってきて、自分が存在していることが申し訳なくなってくる。ちょっと昔を振り返ればあんなに活力に溢れていたのに、生きることの喜びにやっと気付き始めたところだったのに、坂から転がり落ちるのは本当に容易いことだ。こんな暮らしを誰が望んだだろう。涙ばかりが流れる寂しい屋根の下。


母が泣いていると、泣かないで、と思う。もうこれ以上泣かないで欲しいと。それってきっと母のためではなくて、ただ自分まで悲しくなりたくないだけなんだと思う。私は冷たくて最低な人間だと思うとつらくて苦しくてその場にいることに耐えられなくなる。だけどその場所から逃げる術なんかなくて、私はただ情けなくも車椅子に座って運んでもらうことしかできない。一体何をやってるんだろう、と思う。毎日毎日同じことを繰り返して何のためになるんだ、と思う。車椅子に乗っている時は本当に虚しくて、曲がり角に来る度に、ぶつかりやしないか、ぶつかりやしないか、と心底ハラハラして、怖くて、意味がわからない。まるで車のボンネットに剥き出しのまま乗っているような感覚がする。人助けのための道具なのに、これに乗っている時の私の心はまるで助けられてはいない。ただ自分の存在意義を否定されているような気持ちになる。


どうしてこんなことになってしまったんだろう。一度は良くなった体が再び降下した時、こんなに絶望するなんて。まるでもう一度ゼロから病気になったみたいだ。これ以上酷い病気になることはないと無意識に信じ込んでいた。自分が浅はかだったんだ、と思うとつらく悲しくなるけど、誰のせいでもないこと、と思うと怒りの対象がなくなって行き場のない感情が心の中で爆発できなくなる。この感情の名前はなんというんだろう。きっと誰にもわからない。だから名前がないんだと思う。本当にくだらない話毎日だ。誰かの毎日の一瞬は切り取っても輝かしいものなのに、私の毎日の一瞬はどこを切り取ろうともつまらないことばかり。馬鹿みたい。しょうもない人生!


HAPPY LUCKY LOVE SMILE PEACE DREAM !! (アンミカさんが寝る前に唱えている言葉)💞