OSS-DB Gold Ver.2.0とVer3.0、どっちを受けるべき?と差分解説

自己紹介

初めましての方向けに自己紹介をしておきます。
OSS-DB Goldの教材をnoteのメンバーシップでリリースしている者です。
一応最新バージョンの3.0に現在対応している唯一の教材になっています。

結論

Ver.3.0です。

理由としては大きく3点ありますが、前提として「実務でPostgreSQLを触る(予定がある)」ものとします。SilverはともかくGoldは趣味で取るものでもない…よね?

  1. PostgreSQL 10が既にサポート対象外になっている
    読んで字の如くですが、Ver.2.0の対象となっているPostgreSQLのバージョンが10-11なので、既にサポート対象外になっています。実務で使う知識として勉強するなら、やや古い知識が多いと感じる方が多いかもしれません。特にディレクトリや変数の名前は古いバージョンで覚えると後が面倒な気がします。

  2. 最新分野が追加されている
    Silverならマイナス要素かもしれませんが、Goldを受験されるような方々からしてみればむしろプラス要素ではないでしょうか。副次的効果として容量見積もりがバイバイしたのもベネでしょう。

  3. 教材が安い
    完全にポジショントークですが、OSS-DBのVer.2.0対応の参考書の最低価格は49500円、対してVer.3.0対応教材の最低価格は1000円です。
    ……な?

以上の理由から、どちらを受けるか迷っている方は今すぐ数ヶ月後のVer.3.0の予約をして自分の教材を買え買いましょう買ってください。

差分解説

本題です。とはいえ何が抜けて何が入ったのかを(特にGoldは)きちんと説明しておく必要があると思いますので…
ちなみに、Ver.3.0からは各セクションに番号がつきました。執筆者としては地味に嬉しいポイントですね。

G1 運⽤管理

out:
データ型の見積もり
データサイズ
pg_xact
pg_multixact
pg_notify
pg_serial
pg_snapshots
pg_subtrans
pg_twophase
recovery.conf

in:
pg_wal
SCRAM-SHA-256
排他/非排他バックアップ
デフォルトロール
postgresql.auto.conf
pg_reload_conf()
max_parallel_workers / max_parallel_maintenance_workers
pg_monitor
postgres_fdw、file_fdw
CREATE SERVER/USER MAPPING/FOREIGN TABLE
recovery.signal
hot_standby

今回一番変更が多かったのはここ。見積もりが消えて代わりにFDWが入ったのが最も大きな変更点です。特に見積もりに関しては不評もいいところだったのでCBT形式の試験で削除されたのは英断かと思います。
あとはPGDATAのサブディレクトリが範囲からそれなりに減りました。残ったのはシンボリックリンク組か?
追加点としてはSCRAM-SHA-256なんかは実用としては欠かせない点な印象です。
ちなみに、今回一番謎な変更点は排他/非排他バックアップです。Ver.3.0にして堂々追加されたはいいものの、既に公開されているPostgreSQL 15では排他バックアップが削除されて非排他バックアップだけになってしまいました。今入れる必要あった…?

G2 性能監視

out:
pg_stat_progress_vacuum

in:
pg_stat_activity.wait_event
CREATE STATISTICS
pg_statistic_ext
max_worker_processes / max_parallel_workers_per_gather

拡張統計の追加が目玉かと考えられます。他はいろいろわちゃわちゃしていますが、そこまで影響はないでしょう。

G3 パフォーマンスチューニング

out:なし

IN:
full_page_writes
wal_compression
max_wal_size
min_wal_size
wal_keep_size
関数インデックス/式インデックス/部分インデックス
パーティショニング
enable_* パラメータ
work_mem
hash_mem_multiplier

性能に関するパラメータに関してはそれなりにパラメータが追加されました。関数インデックス以下については範囲の拡張というよりは出題範囲の明文化の意味合いの方が強いのではないかと考えられます。

G4 障害対応

out:
なし

in:
なし

細かい用語がやや修正されただけで、ほぼ問題は変更されていないと考えて問題ないでしょう。

こんな感じですが、結論から言ってしまえば難易度自体は大して変わっていないと思います。
ちなみに、Ver.2.0は2023/7/31までです。こちらを受験されることを検討している場合にはお早めに。

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