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酸性の食品にph調整剤が入っている理由

食品は中性から弱アルカリ性で、最も腐敗が進みやすくなると言われています。逆に酸性や強アルカリ性であると賞味期限は長くなります。

一般的には中性や弱アルカリ性の食品を、ph調整剤を使って弱酸性にして品質が保持できる期間を延ばします。お酢を使っていたり、酸性の食品にはph調整剤は必要ありません。

さて、新商品を開発中のお客様から、次のようなお問い合わせがありました。『お酢を使ったドレッシングを作ろうと思って、他社の類似商品の成分を見てみたら、お酢とph調整剤が入っていた。何のためにph調整剤が入れられているの?』

ph調整剤と表示されていた理由に、2つ考えられる可能性があります。

食品表示法では、お酢(酢酸ナトリウム)でもphをコントロールするために入れるとph調整剤と書かなければなりません。酸味を得るため以上のお酢を入れたり、別の成分を使ってphをコントロールした場合、ph調整剤と記載されることになります。

このドレッシングには強いとろみを付けるため、増粘多糖類が使用されていました。増粘多糖類は酸性が強いと、とろみが付きにくくなることがあります。それを防ぐ為に、お酢とは別の増粘多糖類に影響しにくいph調整剤を使用した、または強い酸性を弱酸性にするために、アルカリ性のph調整剤が微量に使用されたと考えられます。

今回商品開発をされていたものには、調味分のお酢で弱酸性程度になり、増粘剤は使用しないのでph調整剤を使う必要はありませんでした。

必要のないものは足さない。加えない。入れなくていいものは、できるだけ入れない方がいい。加えるとコストもかかりますので。

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