北条時政の狂気_02 千葉純胤の時空移動
成胤は千葉館の奥にいた。
そこにはもう一人いた。
千葉一族の子孫である純胤だ。
「またまたお呼びいただき恐縮です」
いつもとおり純胤は微笑んでいた。純胤はいまはいつと尋ね、成胤は元久二年の夏と答えた。
「なるほど。では北条家はいまや」
「ああ。まさかこんなことになるとはな」
純胤は成胤へ事の顛末を聞かせてほしいと問いかけた。成胤はまたこの流れかとふとため息を入れたのち語り始めた。
「平賀邸での宴席が事のはじまりであった。宴の中、平賀朝雅殿と畠山重保殿が口論を激