座談会「中期計画2023-2029 策定を終えて」より

(月間弓道2024.5月号)
出席者
加藤出 全弓連会長
中期計画策定に関するWG座長。 範士八段。令和3(2021)年専務 理事就任当初から、中期計画の 策定を推進、令和5(2023)年会 長に就任し、中期計画を策定した。

安在宏明 副会長
中期計画策定に関するWG委員。 令和3(2021)年理事就任、令和 5 (2023)年から現職。法人運営 委員会委員長。企業在職中は取 締役社長を務めるなど要職を歴 任。企業経営者としての視点から中期計画の策定に携わってい る。

及川好布専務理事
範士八段。令和5(2023)年本連 盟專務理事就任、中期計画策定 に関するWGに参画する。岩手 県弓道連盟理事長兼副会長として地連運営に尽力する傍ら、元地方公務員としての行政に関する経験と識見を有する。

五賀 友継
中期計画策定に関する WG委員
博士(体育科学)。専門は、体育・ スポーツ史、武道史。近代弓道 史が主な研究課題。本連盟では、 法人運営委員会総務部会委員、 出版・広報委員会委員等を務め る。現在、国際武道大学体育学 部武道学科准教授。

理念・目的・スローガン
弓道のさらなる普及・啓発を目指すべく 「中期計画2023-2029」を策定する。令和5(2023)年度, 令和6 (2024)年度を準備期間として実施体制、目標を固めた後、令和11 (2029) 年度の全弓連80周年 に向けて施策を実行していく。

理念
日本の伝統文化である弓道を通じて、人々のこころとからだを育てると共に、多様で 豊かな弓道文化の創造・継承を図ることで社会文化の発展に寄与する。

目的
1. 弓道の継承 弓道が有する伝統文化としての価値を高め、継承者の育成を図る。
2.普及振興 弓道の価値や魅力を正確に広め、より多くの人々が弓道に親しめる環境を作る。
3. 公益性の追求 弓道を通じたSDGsの実現、社会貢献の推進を図る。

スローガン
目指そう!的の彼方の明るい未来

同じ方向を向くための理念・目的・スローガンについて

―計画の最終決定に至るまで、どのような思いで策定を進められてきたのか。スタートラインに立たれた今のお気持ちをお聞かせください。

加藤
どのような中期計画にするのかという所から始まり、ようやく形にすることができたという思いです。策定した以上、これをやり遂げることが重要です。しっかりと取り組んでいきたいと考えています。

安在
中期計画以前に平成25(2013)年に取りまとめられた改革大綱がありました。中期計画以前に平成25(2013)年に取りまとめられた改革大綱がありました。 まとまった内容でしたが、その後の新型コ ロナ禍など外的状況の変化もあり、全面的 に展開するまでには至りませんでした。改 革大綱を参考にしながらも一方で、ガバナ ンス、コンプライアンスを強化という今日的な社会的要請に対応し、また少子高齢化が進んでいく中で、どのように弓道人口を 維持していくのかという課題も目の前にありました。今回の中期計画は、その全てをクリアにしていくということが基本として ありました。

五賀
中期計画の策定・実行によって、弓道を 通じた活動がより社会のためになれば良い なという思いが最初にありました。スポー ツや武道は、現代社会においては多大な影響を及ぼすことができます。オリンピック を見れば分かるように、アスリート自身のみならず、それを見る人、支える人にとっても大きな意味があります。弓道人が活躍 することによって社会をもっと良くするこ とができれば、弓道そのものの価値も大き くなる。その思いを持って策定に邁進してきました。

及川
私は昨年の専務理事就任以降、ある程度出来上がった段階から加わりました。「弓道を次世代に継承していくために何ができるのか」ではなく、「今、何をしなければならないのか」という観点から考える必要があると思いました。そういった意味で、各重点領域における施策は多岐にわたりますが、幅広くいろいろな部分を網羅しなければ、将来の成長には繋がらないと思っています。

 そのためにも、皆さんと協力して、一つ 一つの方向性を見いだしていくことが大切 だと考えています。

加藤
中期計画のスローガンに「目指そう!的の彼方の明るい未来」を掲げました。皆さんが弓道をする目的は弓道を極めたい、昇 段昇格を目指している、部活動、健康のため、仲間と楽しみたいなど、千差万別であると思います。目的こそ違うわけですが皆さん、それぞれが心から弓道を楽しむとともに、弓道で培った力を活用し、一緒に明るい社会を実現しましょうという思いを込めています。弓道を継続することで、その先には、きっと「明るい未来が待っていますよ」という発信です。

五賀
中期計画を立案する上で、WGでまず取り組んだのは理念を明確化したことです。 なぜ理念をはじめに考えたかというと、弓道人すなわち弓道に関わる全ての人々の行 動する目標の方向性を合わせる必要がある からです。一般的に、株式会社形態の企業 であれば、役員、社員、そして株主の目標はいかに利益を上げるかという点で一致しています。

 しかし、スポーツ団体にはそのような共通の目標がありません。例えば、理事は無報酬ですので、いくら全弓連の経営が上手 くいったとしても給料があがるわけではあ りません。先ほど加藤会長がおっしゃった ように、弓道を行う目的は人それぞれです ので、個々の弓道家は弓道界全体の利益を優先するような意思決定をすることが難し い状況が多く発生します。そもそも、弓道をする、みる、ささえる立場・理由が各自で異なっているため、それらを調和させるツールが必要であり、それが理念だと考えています。

加藤
弓道に関わる全ての人が一つの方向を向くための指針ですね。理念を明確化し、そ のもとで各々の行動を決めていくというこ とです。

安在
まず、理念・目的・スローガンを策定することで、中期計画の目指すことが見えてきました。令和11(2029)年の本連盟創立80周年を意識した改革案ですので、7 年後の目標達成年度に向けたKPI(具体的な数値目標、指標等)を盛り込ませていただきました。実際の作業はこれから各委員会、部会で決めていただくことになりますが、7年間という長丁場ですから前半の2年間、後半の5年間という考えの中でべンチマーク(BM)を設けてはと考えています。具体的な作業にベンチマーク(BM)を設け、一つ一つ固めていくことで、ステップアップしていきたいという考えで提案させていただきました。

及川
従来の本連盟にはないKPIの設定、7年間という期間を意識してのベンチマーク (BM)の導入や目標達成年度の設定等、従 来の改革大綱と比較して具体的な数字で示 している点は、特徴の一つであると思います。

現状を数値化し改善点を明確化
―中期計画では弓道界の現状を可能な限りデータとして数値化しています。そこから 見えてきたものはありますか。

五賀
施策を作っていく中で心がけたことは科学的であることです。個々の委員の感覚や 経験に頼るのではなく、根拠に基づいて実証的に立案していくということです。その ため現状分析に非常に時間をかけました。 その内容を皆さんにも共有していただける ように、中期計画の最後に付録として多く のデータを示しています。登録人口、段位 や称号者の人数、男女比、事業数、財政状 況などを数値で示しました。それらを踏ま えた上で、こういう施策を立てたと理解していただきたいと考えました。

安在
データから読み取れるように、弓道の登 録人口が今14万人と言われている中で、一般の方々が4万人程度、あとは学生の皆さんです。この方々が学校を卒業して社会人 になった時点で弓道を継続しない。多くの 方が継続しないというのは非常に残念なことです。やはりここの部分で多くの方が、弓道をライフスポーツとして継続できると いうようなところを形作っていければと思っています。

五賀
現状分析を通じて、大きな課題の一つだと考えたのは、まさにその点です。若手と さらに女性が弓道をいかにして継続できる ようにするか。登録人口の現状を見る限り では、まずこの点が一番問題だと考えています。

加藤
数値化されることで、分かることもあり ます。現状を把握し改善点を見いだすため にも、重要な作業でした。日頃から思って いたことがデータ化されることで、改めて 考えるきっかけとなりました。弓道をいか に継続していただくかは、喫緊の大きな課題です。

及川
私の役割は、会長、副会長が示す方向性を実際に実現していくということだろうと思います。弓道の伝統を、次世代に継承する担い手を育成することは大切なことであり、それは社会に貢献する意味でも重要なことではないかと思います。私は弓道を始めて54年になりますが、弓道を取り巻く環 境は始めたころからはとても想像できない複雑な状況になってきています。そういっ た中で、これから50年後を想像することはとても難しいですが今できる最善のことをやっていかなければ、未来はやってこないと思います。

 私たち指導する立場の人は率先して、地
域の実情を知り、若い弓道人の思いを知り、それを酌み取り、生かすことがひつようだろうと思います。そういった意味で、この中期計画は指導者をはじめ弓道を愛好する方々が、何が課題であるかを考え、行動する道標になってほしいと思います。

加藤

会長として願うことは、全ての人がこの中期計画に参加してほしいということです。
「誰かが何かをしているね」ということで はなく、やはり理 念や、その他を含 め、きちんとご理解をいただくことで、直接的にお力を貸していただける方や、縁の下からサポートをしていただける方が出てくることを期待しています。

皆さんが一つになって、同じ方向を向いて「応援してあげたい」と自然に思っていただけるような進め方が理想的であると考えています。ですから、まずは中期計画を理解してもらうことから始めていかなければなりません。弓道人お一人お一人にこれらが浸透するような広報 の方法、見せ方というのが、スタートの時 点では一番大切だと思っています。

―中期計画の柱となる「7つの重点領域」、審査の施策に関するポイントはどこでしょ うか。

「審査の公平性・透明性の確保」と「審査申込手続きの効率化」についてです。かつて「地連に登録していない人でも審査が受けられるのですか?」と質問を受けたことがあります。現状の手続き方法では、地連に所属し、ID登録されていることが条件です。その上で、中央審査会、地方審査 会ともに所属している支部や地連を経由す る必要があります。

五賀
私自身まさにそれに悩みました。大学卒 業後に6年間ほど会社勤めをしていましたが、国内外での長期出張が多かったので、すごく困ったんですよ。一時的に3カ月位どこかに行くことになったときに、その間、そこの地連に所属するわけにはいかないしそれ以前のホームの地連は遠い。わざわざ遠くまで戻って審査を受けるとなるとハードルが高かったです。現在は多様な働き方 があって、住む・働く場所がより柔軟にな ってきています。そうした状況の中では、 全弓連の直接会員制にして、審査や大会をするというのが時代に合っているのではないでしょうか。

安在
やり方を検討して、今の社会環境に応じたシステムに変えていくことも必要でしょう。

加藤
オンライン化を進めることで便利になるでしょう。皆さんの不安は少しでも解消していかないといけません。

世界中の弓道人へ 中期計画を発信

―中期計画は既に本連盟のホームページで公開されています。反響が気になります。

今の段階では「読みました」という話をお聞きします。実行期間が長いので、今後できるだけ早めに決まったことはリリース していくということが必要だと思います。

及川
先ずは方向性を示すことでいろいろな意見が出てくると思いますが、それは多様性があるということで、構わないと思います。方向性さえ合っていれば、進んでいけると思います。

ネット上の動きを見ると、概要版が昨年12月に出ました。それが出た時点で、Facebook上の弓道関係のグループ等で共有している人がいました。面白かったのは、それを見た外国の方が中国語や英語に翻訳して共有していたことです。中期計画 は全弓連の計画ですが、海外の方からも注目されています。広報・普及の施策で掲げ ていますが、SNSの活用など、これまで とは違った方法で情報発信を積極的に行っていくべきだと考えています。

加藤
中期計画は、今の社会課題や、時代の変 化に対応した内容になっています。本連盟 は、弓道を愛する全ての方々を応援すると ともに、中期計画を基に今後さまざまな課 題への取り組みを進めていきます。

計画を推進する実務スタッフ 人材を公募で募集

――中期計画を推進するための実施体制が示 され具体的な作業が始まります。必要なこ とは何でしょうか。

加藤
7つの重点領域で、より具体的な施策をつくり上げるために、重点領域ごとに担当する委員会・部会を決めています。それぞれの委員会や部会において課題の整理を行い、いつまでに何をするかというロードマップを作成することから始めます。

安在
それぞれの委員会・部会において施策を検討すべく、まず会議を開いていただくこ とが必要でしょう。そこで実務面で人が足らない、必要な人材を探そうという話も出 てくるかと思います。

会議を開くにしてもそれをアレンジする 人が必要です。施策を推進していく立場に ある理事や専門委員の多くは、無報酬・ボランティアベースで全弓連に関与しています。かといって全弓連事務局でカバーでき るかといえば、人手が全く足りません。副業兼業形式で、報酬ありで、仕事として、 中期計画の実行管理にあたる人を、各委員 会・部会に1人きちんとつけることが重要です。実務スタッフとして会議の設定、報告書作成などの実務をやってくれる人が必要だと思います。

及川
確かに、計画を立てても、実際に動かさなくては絵に描いた餅になってしまいます。実務をこなしていただく人材の確保は必要 不可欠ですね。

五賀
人材については公募をかけてみるのはいかがでしょうか。全弓連の運営に関わりたいという方は多いと思いますし、自分が好 きな弓道のためとなればやりがいも大きくなります。ただし、ボランティアベースではなく、報酬ありの仕事としてです。またハードルを下げるためにフルタイムではな く副業兼業形式という働き方です。既に、 他のスポーツ団体で事例があります。例え ば、全日本柔道連盟では2023年秋に転 職サイトを通じて副業兼業で人材を募集しています。少し前になりますが、2018 年に日本フェンシング協会が行った同様の 公募では1100人超の応募があり、スポ ーツに関わりたいという方々が大勢いると いう事実が浮き彫りにされています。

安在
公募はいいですね。何をしていただくか最初に明確化して募集をかける方式で反応 を見る。委員会で担う作業内容を提示して、 自薦、他薦も含めて人材募集を実行してみませんか。

加藤
人材の面がクリアしないと先には進めません。今後の弓道界のために一緒に動いて くれる方を探し、体制作りをさらに進めたいと思います。

財政改善に向けた課題と向き合う

―中期計画はパブリックコメントを含め、
多くの方々からご意見をいただきましたが、 作業の中でお考えになったことはありますか。

五賀
財政に関してお話させてください。全弓連の全収益の68%(令和4(2022)年度)が審査関連収入であり、審査をしないと運営が成り立たない状況です。そのため、 改革大綱の時から審査関連収入依存からの脱却を掲げてきました。なぜ審査関連収入に頼るのが持続的ではないのか、それは定常的な収入ではなく、予測不可能であるからです。典型的な例がコロナ禍で審査ができず、その年赤字になってしまったことです。また、審査関連収入への依存は審査の質を変えてしまう可能性があります。収入のために審査の回数、場所、さらには合格者数まで調整してしまう危険性があります。 そもそも、審査を受ける人からのみ負担をいただくというのも不公平感があります。

そして、本来は審査で得た収入は弓道の普及・振興にあてるべきです。組織そのものの運営、つまり現状維持のために使われているのであれば、上位の称号・段位になるほど審査料・登録料が上がっていく理由がいるのであれば、上位の称号・段位になるほど、審査料・登録料が上がっていく理由が説明できません。

安在
財政面への意見の中には、分担金をやめてほしいという意見もありました。全弓連は年間行事など、さらなる普及活動を行うためには、全弓連として準備金の積み立てをしていく必要があります。これについては、中期計
画の「財務状況」(中期計画P.6)や全弓連ホームページに関連資料を掲載しておりま すのでご覧いただき、現状への理解を深めていただければと思います。

加藤
今回の中期計画で、「最低限運営に必要な年間の固定費は弓道家で負担しよう」とい うことを示しました。多くの方はこれを聞 くと、「えっ、そもそもできていないの?」 と言う方もいると思います。年間どれぐら いの費用が必要で、この数字になっているのだというのを分かりやすく説明していかなければいけないと考えています。

及川
将来的に人口も減っていく中で審査関連収入も減っていく可能性は高いです。また、 社会的にインフレが進み全てのコストが上 がっているのが実情です。まずは連盟の活 動資金がないことには進みません。持続可能な収入とすべく、何ができるか対策を練ることからでしょうか。

安在
財政の進め方としては、現在、審査料収入に7割頼っています。これを50%にする のか40%にするのかという話です。それで必要経費は、競技会、講習会といったよう なものは、大体定例化されているわけなの で、ある意味で変動費といいながら固定費 のような部分もあります。これでアウトプ ットは大体決まってくるので、他に広報や普及に関する費用を計上するのか、それで全体の必要経費は分かります。

加藤
課題も多くあるかもしれませんが、皆さまの理解を得ながら、財務部会で検討して進めていきたいと考えております。

多様な競技会の開催

——「重点領域4競技」における今後の課題などはいかがでしょうか。

加藤
競技委員会・宇佐美委員長もおっしゃっていますが、多様な競技会も実現したいですね。

五賀
中央の行事のいくつかを地方開催できないかなと思っています。これは武道・スポーツ団体が有する社会貢献の方法の一つです。大きな行事を地方で開催することで、その地域の経済的な活性化にもつながります。また、都市部ばかりで行事を開催する と、地方の学生や初心者―中級者層がトッ プレベルの戦いを見る機会がなくなります。 短期的な弓道家の育成という点からすれば 効率が悪いですが、長い目で見ると地方から上がってくる優秀な人材を失いかねませ ん。そもそも弓道をしよう・続けようという人が地方で減ってしまいます。そういった意味で、地方での中央行事の開催を推進したいと考えています。

及川
誰でも大会を見に来ることができるアリ ーナで開催したいですね。
また、天皇盃・皇后盃全日本選手権は採点制もありますが、解説者がいれば一般の方も分かります。

安在
競技会場内ですと難しいでしょうが、近くのホテルなどのパブリックビューイングで、どこが優れているのか、どこを改善すべきか、解説を入れられれば、弓道を知らない一般の方には弓道観戦のポイントが、また、会員の皆さまにはより弓道への理解を深められるのではないかと思いますがいかがでしょうか。

五賀
そういえば、昭和30、40年代の月刊『弓道』を見ると、全関東教士対全九州教士対抗試合や錬士対範教士の東西対抗戦といっ た大会の記録が残っています。こういったものも開催できると面白いのではないでし ょうか。

国際弓道連盟の運営体制の構築、 さらなる普及に向けた課題解決

―国際弓道連盟は2006年に設立され16 年が経ちました。これからの運営体制の構 築についての必要性をお聞かせください。

安在

多様性ということでは、弓道の国際化に伴う国際弓道連盟との関わり 方について一定のコンセンサスを検討する時期に来ていると思います。

日本の伝統文化である武道の一つで ある「弓道」を全弓連として、国際弓道連盟とどのように国際的にさらに発展させていくのかという方針を 定めること、またそれを加盟団体とどう関係性を高めていくか検討していく必要があると思いました。

五賀
海外弓道家の数が増えているのは事実であり、全弓連が全ての国際対 応を担うには限界が来ている時期だ と思います。先行して国際化が進ん でいる柔道や剣道からの教訓は、国際連盟でいかにイニシアチブを取っていくかです。そのためには、先に全弓連から提 案をすることです。きちんと方針、方策を立てて、日本側から積極的に発信していか なければ、数年内に海外弓道家の不平不満が声だけではなく、行動として現れてくると思います。まずは、国際弓道連盟事務局 を全弓連主導で設置し、専任職員を置くことから始めたいです。

―読者の皆さまに、改めて伝えたいことは、 何でしょうか。

加藤
本連盟は、令和11 (2029)年に迎え る創立80周年に向け、「目指そう!的の彼方 の明るい未来」をスローガンに、弓道のさらなる普及・啓発を目指します。弓道を愛 する多くの皆さまとともに、弓道の未来を創ってまいります。よろしくお願いいたします。


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