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【コンサル就活生向け】GD(グループディスカッション)対策

はじめに

昨今、コンサルティング業界の拡大が著しいことについてご存じの方も多いと思います。特に総合コンサルティングファームは、近年のDX投資ブームも相まって大きく成長しています。それに伴い、新卒の採用人数並びに初任給を引き上げているファームが多数あります。
本稿はそのようなコンサルティング業界を志望している学生の方で、本選考・インターンシップ選考対策を行いたいという方向けに書かれています。

コンサル業界の選考はESから最終面談まで段階を経て行われます。
今回は、特にGD(グループディスカッション)に的を絞って記載しています。

なお、GDの実践問題を作成した記事を別途投稿しておりますので、そちらも併せてご覧ください。

(実践問題準備中)

以下の記事では、実際に新卒でコンサルティング会社に入社した筆者が、採用イベントに参加したり、採用担当者と話す中でわかってきた、「GDにおいて会社が就活生に求める能力」について書いています。逆にいうとこれらの能力を備えていないと突破は難しいです。ぜひ参考にしてみてください。

会社が就活生に求める能力

多くの採用担当者は、あらかじめ決められているいくつかの評価項目に点数をつけることで選考を行っています。例えば皆さんが賃貸を探す時、「予算内か」「駅から近いか」「日当たりは良いか」等いくつかの検討項目を持ったうえで総合的に判断するかと思います。採用も似たようなもので、特にコンサルの場合、どの会社も共通して少なくとも以下の3つの評価軸を持っています。
① 論理的思考能力
② リーダーシップ
③ 協調性
これら3つについて、就活生の方が意識すべきことを書いていきます。
また、説明にあたって以下の簡単なお題を使用します。
「大学進学を機に上京した学生が都内で賃貸を探している。スーモを利用して最適な物件を選ぶ手伝いをしてください」

① 論理的思考能力

論理的思考能力とは、コンサルタントにとって最も重要なスキルです。ビジネスの現場は皆さんの想像以上に混沌としている場合が多く、様々な問題が複雑に絡み合っています。もし皆さんが将来コンサルタントとして働く道に進むのであれば、そのような複雑な問題を解きほぐし、整理して組み立てた上でクライアントに提示しなければなりません。
論理的思考能力はそのために必要なスキルです。

さて、GDやインターンシップの中で皆さんが意識すべきことは、この「整理して組み立てる」ということです。先ほどの賃貸探しのお題で考えてみましょう。

目的を定めてそこに向かう道しるべを考えることが論理的思考といえます。今回の目的は、最適な物件を探すことです。ですので、我々の結論は「XXXという理由のため、物件Aが最適であると判断した」以外ありえません。
では、ここの「XXX」という箇所には何が入るでしょうか?
予算内? 大学から近い? 陽当りがよい?
通常、すべての希望条件を満たす選択が存在することは稀です。皆さんはこれらの希望条件に優先順位をつけることで物件を評価するでしょう。この学生の場合、予算遵守が絶対条件として、大学からは多少離れても問題なく、外出が多いため陽当たりは気にしないと仮定します。この場合、予算を満たす物件が優先度の高い物件といえます。
ところで、これらの希望条件は予算と大学までの距離と陽当たりで網羅できていますでしょうか?
いくつかにグルーピングして考えてみましょう。
予算はグループA 『予算』のままです。大学までの距離は、グループB 『立地』に含まれます。陽当たりはグループC 『居住環境』に含まれます。
グループB 『立地』という観点で考えると、駅までの距離や街の治安、騒音の有無が挙げられます。グループC 『居住環境』という観点では、築年数やオートロック有無、バストイレ別 等が挙げられます。
このように、ただ条件を羅列するのではなく、グルーピングして整理することで考えやすくなります。

すると結論は、「優先順位が一番高い予算内という物件の中で、比較的立地の良い物件Aが最適であると判断した。なお、居住環境については考慮していない。」となります。

今回は極端に簡略化していますが、このような思考プロセスを論理的思考能力といいます。
振り返ってみましょう。
今回は、初めに結論の形式を考えました。その結論を導くために、各物件の評価方法を考えました。希望条件の優先順位付けです。そしてその優先順位を考えるために学生の前提を仮定しました。また、希望条件が必要十分か考慮するために、条件のグルーピング、洗い出しを行いました。
これらを図で整理すると以下のようになります。

左から順に論理が流れますが、思考のプロセスとしては結論から逆にたどっていきました。このように逆算的な思考プロセスをとることで、結論がぶれないまま論理を紡ぐことができます。

個人的には中学や高校の数学で学習した証明問題に近いという感覚を持っています。はじめに状況と結論が与えられていて、状況を整理して論理をつなぐことで結論に導く。もちろんGDでは、結論は与えられていないのですが、はじめにある程度結論を想像することで論理的思考は可能になります。

ただ何となく、「希望条件の予算を満たしている物件Aが最適です」ということと、「条件グループ 予算・立地・居住環境という観点から、物件を比較検討した上で優先順位付けを行い、物件Aが最適と判断しました」というのでは結論は同じでも見え方が全く違います。なぜなら、前者の場合は「物件Bも予算条件を満たしているけれどなぜAなの?」という質問に答えられないからです。
採用担当者にはこの違いが明確にわかります。前者の人には低い点数をつけます。

この論理的思考能力を実践的に身に着けたい方は繰り返しになりますが、下記リンク先の実践問題を見てみてください。GDで実際に出てくるようなお題にしています。

(実践問題準備中)

② リーダーシップ

リーダーシップは、ここでは議論を前へと進める能力として考えてください。ファシリテーションスキルとも言います。
先ほどの例ですと、議論の冒頭に「まず、希望条件の洗い出しから行い、その後優先順位付けを行って物件を評価しましょう。時間配分としては~」と言えれば全く問題ないはずです。決められた時間の中で、どのトピックを何分間議論するかをあらかじめ計画して実行していくことができれば、リーダーシップは十分に発揮されるといえます。また、議論は往々にして脱線するものです。そこで軌道修正できるスキルも非常に重要です。今、あまり重要でない方向に議論が進んでいるなと感じたら積極的に発言しましょう。

③ 協調性

協調性は周りのメンバーと円滑に議論を進めていく力です。人の話は最後まで聞く、自分の意見にこだわらない 等、当然のように聞こえますが、意外と議論が白熱すると自身のこだわりを捨てきれない方が散見されます。これは採用側の評価としては最悪となってしまいます。相手を論破することが目的ではありません。
あまり発言できない方に、「~さんはどのようにお考えですか」と振ってみたり、長々と発言した方の後に「今のご意見は要約すると~~ということかと思いますが、皆さんいかがでしょうか」と言えたりすると高得点です。

最後に

最後までご覧いただきありがとうございます。
皆さんとご一緒にお仕事ができる日を心待ちにしています。

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