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学生ラクロスを終えたあなたへ

千葉大ラクロス部の納会で話したことがメインですが、今年は千葉大以外のつながりも多くあったので、文章に起こしてみました。

皆より少しだけ長く生きていて、先の世界がどうなっているかをちょっと先に知っているオジサンからのメッセージです。

2020年は、本当に特別な年でした。思い描いていた「最後の1年」とは、まったく違ったものになったと思います。

それでも、人生は続きます。

みんなが、次のステージで輝くことを願っています。


これからが人生の本番
これは毎年言っているんですが、改めて。

4年間ラクロスに全ての熱量を注ぎ、圧倒的な感情の振れ幅を経験した人ほど、「この4年間を超える体験は、もう起きないんじゃないのかな。これが人生のピークだったんじゃないのかな。」って感じていると思います。

それは半分正しくて半分間違っている、と僕は思います。

「何か一つに集中して熱量を注ぐ」という意味では、確かに学生ラクロスは圧倒的な輝きを放つ。これは、ラクロスに限らず、全てのスポーツが変数が少なくて、ゴールとルールが明確で、学生スポーツであれば終わりが定められていることが理由です。シンプルな構造になっていて、注いだ熱量がわかりやすくアウトプットにつながります。

でも、これから先の人生は、変数がめちゃめちゃ多くて、ゴールもルールも明確じゃなくてしかもコロコロ変わり、いつ終わるのかが全然見えないんですよね。

無理やりラクロスで例えると、こんな感じ。

・チーム対チームの対抗戦かどうかすら決まっていない。いきなり三つ巴の戦いになることもあるし、100チームにフルボッコにされる可能性もある。
・出場人数が定まっていない。
・どうやったら点が入るのか、決まっていない。
・ルールブックが全部で何冊あって、それがどこに行ったら読めるのかわからない。
・やっと見つけたと思ったら、アラビア語で書かれていて読めない。イラストだけかろうじてわかる。
・もちろん、どんな練習をすれば勝てるのかわからない。
・誰が審判なのかわからない。いないかもしれない。
・試合がいつどこであるか知らされない。
・全く予想外の要因で、全てが台無しになったり、リセットされることもある。

ラクロスと比べると、「自分の努力が形になるまでの時間」が長いし、報われないかもしれない。でも、だからこそ圧倒的に自由度が高く、どこまでも行ける。複雑で奥が深い。

これから君たちが挑むのは、そんなゲームです。人生をかけるに値するくらいには十分に奥が深い。

そして、「シンプルなゲームの中でエネルギーを注ぐことの価値」を知っている君たちは、きっとこの複雑なゲームを楽しめると思います。



チームの未来のためにできることを
今年は「ラクロスに情熱を注ぐ意味とか理由」に、嫌でも向き合わなければならなかったと思います。その中で「このチームに何を残せるんだろう?」という感情が原動力になった人も多いでしょう。2020年は、日本のラクロス界が、一気に「未来志向」になった年だと思います。

これからもチームや後輩たちにできることはたくさんあると思いますが、僕が大事にしていることを。

1)より輝いた人生を送ろう
さっきの話にもつながりますが、ここは人生のゴールでもピークでもありません。もっともっと輝くことができます。

その輝いた人生を、後輩たちに見せてあげてください。あなたのチームから巣立った人がよりエネルギー高く生きている姿を見せて下さい。それがきっと、未来のチームの力になります。

僕の1個下の東大ラクロス部の後輩が引退したときに、こんなことを言っていました。

「BLUE BULLETSの先に、BLUE BULLETSよりも素敵な世界が広がっていることを、俺達が示そう。それが、この最高のチームを卒業した人間の責務だ。」


2)受け取ったものより、少しだけ多くを与えよう
毎年人が入れ替わる大学スポーツにおいて、「チームを少しづつ、でも確実に強くする方法」は一つです。
それは、一人ひとりが、それまでに受けとった愛情や熱量、知識の総量よりも「少しだけ多くのもの」を残すことです。何をどうやって残すのか、どのくらいのスパンで残すのかは、人によって違うと思いますが、総量として上回っていれば、チームは確実に強くなります。

逆に言うと、受け取ったものよりも少ないものしか残せない人が多い組織は、少しづつ衰退していきます。

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ここでちょっと、個人的な話を。

今年の千葉大学ラクロス部は、ユニフォームを一新し「Chargers」というチーム名を新しく作りました。そこには、未来の千葉大学ラクロス部がより強くてカッコいい集団であって欲しいという願いと、今まで千葉大学ラクロス部を繋いできてくれた人たちへの敬意と感謝がありました。

2016年にGMに就任した時から、ずっと「毎年少しずつ積み重ねて強くなっていく集団」になって欲しいと願い、想いを繋いでいくことの大切さを伝えてきました。そのGM最後の年に、今までの歴史を学び受け止め、そこに自分たちの想いを載せて次世代につなぐ、そんなことをやってくれた4年生たちを見て、すごくうれしかったのです。

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君たちは、「ゴムのボールを網のついた棒で投げて、ゴールに入れる」という、まったくもって意味のない「無駄なこと」に圧倒的なエネルギーを注ぎ、心を動かしてきました。何の打算もなく、ただただ自分がやりたいから、決めたから。

これから先の人生も全く同じです。

人生に与えられた意味なんてない。

だから、自分で決めて、自分で進んでください。

ようこそ、こちらの世界へ。

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