マントラの力~マルクス・アウレリウス~
「『人間は万物の尺度である』とはよく言ったものだね。」
ルーピンはそう言った。
「誰の言葉だいそりゃ?」
ゴンザロは頭を掻きながら聞いた。
「プロタゴラスさ、古代ギリシアの哲学者、ソフィストだよ。」
ルーピンは答えた。
「例えば、アヴァロンが上機嫌に鼻歌を歌っている。
愚鈍な君は何も思わないだろうが、僕は違う。
今日は彼のバリトンボイスでオペラを聞かされる羽目になると
暗鬱な気持ちになるのさ。」
「家族についても同じようなことがいえそうだ。
家族の存在や行動を当たり前ととらえるか、
感謝する行動ととらえるか。
これは自分のとらえ方だ。ただし、その対応によって
家族の関係は変わってきそうだがね。」
ゴンザロはそう呟いた。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?