ザンビア旅行記⑤ ばんちゃん
スラム見学の翌日は、同期柔道隊員の坂野氏(akaばんちゃん)の任地に向かうことにしました。ばんちゃんは、日本の有名体育大学を卒業したばかりの新卒隊員です。協力隊員は派遣前に70日間、施設にこもって訓練を実施します。その際、いくつか委員会活動があり、ばんちゃんは体育委員でした。体育委員は、朝礼で隊員全員に対して簡単な運動の指導をします。並の体育委員は、日頃運動する機会もない隊員も多いため、簡単な筋トレメニューや一人でもできる運動不足解消法を紹介します。ばんちゃんが担当の日は、柔道の打ち込み、受身、寝技の際の足のエクササイズの指導をしていました。それくらいばんちゃんは、柔道に対する愛、隊員に対する指導心の強い隊員でした。
バスで約束の場所に着くと、ばんちゃんとそのカウンターパートであるジョナサンさん(ジョナさん)が車で迎えに来てくれました。
ジョナさんは日本に滞在歴もあり、日本語ペラペラで柔道を含め日本の武道に造詣の深い方でした。ジョナさんの車は四駆で後部座席は荷台になっていましたので運転席の横に私とばんちゃんが乗り込みました。
はじめの活動先に向かっていると突然、「あっ!!」とばんちゃんが叫び出しました。何事かとジョナさんが確認すると持ってきていたビスケットを鞄からぶちまけ、シートがビスケットとの粉まみれになっていました。「タイキ(ばんちゃんのこと)ネズミがでるから勘弁してくれ」一旦、シートを奇麗にし活動先のインターナショナルスクール併設の道場に向かいました。
活動先に到着して車を出ようとすると、ばんちゃんがシートで何やらゴソゴソとしていました。何事かとジョナさんと私が確認すると、再度ビスケットをシートにぶちまけていました。ジョナさんも苦笑し、シートを掃除する姿を見つめていました。
その後、ばんちゃんはやんちゃなインターナショナルな子供たちに柔道を頑張って指導していました。
更には場所を変え、ばんちゃんの居住地兼ジョナさんのご自宅にある道場で地域の子供たちに柔道を指導し、ここでは私も微力ながら参加致しました。
そして、ばんちゃんお手製パスタを食しながら、色々と大人の会話をした後就寝しました。
ばんちゃんは、早朝3時に起きた後ジョナさんの筋トレのお供し、翌日からも指導でスケジュールが一杯とのことでした。ばんちゃんの住まいは自然に囲まれた素晴らしい環境でした。
同じ協力隊とはいえ、私みたいにぬるま湯に浸かっているいる身分とは違い、ばんちゃんの雄姿を見てフンドシを絞めなおす気分でした。
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