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SNSで詐欺にあった話

詐欺(サギ)にあった事があります。
結婚詐欺。
SNSの先駆け?「Yahoo掲示板」で出会った人です。
リアルでも会い、その掲示板で仲良くなった他の人達とも何度もOFF会をしていました。

私はまだ20代で、バツイチで、長男と長女を育てていた時です。(30年弱ほど前)
当時私には結婚前提でお付き合いしていた彼氏がいましたが、
その詐欺男に強引に迫られ、同情してしまうような話でほだされ、
彼氏と別れてお付き合いする事になりました。

これを書くのは、今、SNSで仲良くなった人に騙され、
大金を失う方が多いからです。

私の詐欺(未遂)体験

当時私は実家のあるオホーツク海沿岸に住んでいて、実家の家業を手伝っていました。

詐欺のきっかけとなったヤフー掲示板は「オホーツク海沿いの地域が好きな人」の集まりで、

当時20代後半の私は地域づくり活動をしていたので、
多くの方に出来るだけ情報を提供しようと参加していました。

その詐欺師は、当時はまだ珍しいコンピュータープログラマー会社の社長を名乗っていました。
それがどんな仕事かよく判らないながら、今の表現で言うと「結構ポンコツな人だな」と思っていましたが、

ここで、私の「お人よし」発動で、
「人を悪く思っちゃダメ!」「疑っちゃダメ!」と思っていた
のです。

「僕のセレブな高級マンションからの景色をあなたの子ども達に見せてあげたいな」と言われ、
子ども達と三人で相模原市(!)にある彼の家へ行ったのですが、
2級建築士も持っている私が思ったのは、
「階数が多いだけ(15階建てくらい、しかも賃貸)の普通のマンションじゃない?」

不審な行動も多く、それでも
「自分は人を騙さないから、相手も騙さないだろう」
と思ってしまう箱入り娘の私は何も言わず、
「大都会ってすごいでしょ!」という、痛々しいプレゼン(?)に何も言わず、喜び、褒め、感謝する言葉だけを言っていました。

色々あって、詐欺だと判ったのは、しばらく帰って来ないはずだった彼の奥さんがマンションに荷物を取りに帰ってきたから。

修羅場になりそうになったのですが、

私は状況を把握したら即座に
「申し訳ありません!私はこの人がバツイチで、別れた奥さんと子どもにも養育費や生活費を渡している誠実な会社社長だと聞いていたから結婚を前提にお付き合いしていました!
どんな理由があったとしても、お詫びのしようもありません。本当にごめんなさい!」

と頭を下げお詫びしたところ、

「こんないい人を騙すなんて!あんた何やってるの!」と彼と大喧嘩を始めました。

夫がどんな仕事で稼いでいるか知らないらしい奥さんからも同情され、
(怪しい仕事だとは思っているらしかったが)
お詫びをされ、結果的に金銭的損失はほぼなく、
(後日その奥さんの離婚相談にものってあげた)

むしろ空港まで車で送らせ、私と子ども二人の飛行機代をむしり取り北海道に帰ってきました。
掲示板メンバーには事実を全て伝え、
詐欺男には「他の人達にはショックを受けると思うから伝えていないから」と大嘘を伝え、
他にも騙されそうだった人も未遂ですんだようです。

ちなみに滞在中、富士山の方へドライブに連れていかれ、「樹海に行ってみる?」と何度か聞かれましたが、即座に断りました。

殺されなかったのは、掲示板メンバーはもちろん、私の両親にも会わせていたからだと思います。
(道の判らない詐欺男には何も言わず、私が運転する車でムリヤリ実家に連れて行った)
東京の彼のところへ行くことも周囲の人に伝えてありました。

そう言えば、東京旅行を母に伝えていた時、実家茶の間の換気口からヘビが家に入り込もうとしていました。
母が殺虫剤を吹き付け撃退していましたが、お知らせだったんだと思います。
後にも先にもそんなことは1回も無かったから。

彼の部下だという若い女性も掲示板メンバーでしたが、彼女も詐欺仲間兼愛人だったんだと思います。
バレた後でその女性が私と話をしたいと言ってきて、人目につかないところへ誘われたけど断りました。

多分殺そうとしていたんでしょう。

私に大きな被害が無かったのは、まず、幸運だっただけ。
そして、リアルで接していたから、ネット上では見えないものが目についたから。

私が特別だったわけじゃありません。
その詐欺師のポンコツぶりに感謝しなきゃです。

現実感が失われている現代

最近はSNSで、ありとあらゆる手で詐欺が行われているようです。

海外の人とも友達になれる時代。
それが現実に存在する人かどうか判らなくても。

実際の現金は見ないまま簡単に海外にもお金が送れる時代。

だけど、私達はスマホを手にしてSNSの画面を通して「情報」を得ているだけで、

実際にはフツーの日常の中の、その場所にいるだけです。

スマホが無かったら、家族とすら連絡が取れるかも怪しい。

それが立派な家でも、ワンルームマンションでも、便利なのか不便なのか判らない現実の中にいます。

その中で、何を見たいでしょう?
現実でしょうか?
キラキラな情報の洪水でしょうか?

どうしても、キラキラに目が行きがちかもしれません。

人は、見たいものを見ます。
見たくないものは見ないようにするものです。

怪しいと思っても、「自分が騙されているかもしれない現実」は見たくない。
昔の私もそうでした。

リアルで会ったことがなくても、友達や理解者、恋人がいると思いたい。
自分が誰かの役に立つと思いたい。
どこにも行けなくても、世界とつながっていると思いたい。
その非日常を見ていたい。

リアルは普通で、つまらないから。

無自覚に、ドラマティックを欲している人が多い。
昔の私のように。

本当に欲しいのは、金銭的利益じゃなくて、ドキドキやキラキラじゃありませんか?

それを自覚して、今日も明日も、普通の日常をなんとか生きて行きましょう。


※注意喚起のため、他のブログにも同文を掲載します。
参考記事 私の不幸や苦労と「未来のあなた」の話

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