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最近流行りの名作映画、『若女将は小学生!』を想像でレビューしてみるぞ!

※「想像レビュー」のルールについて・・・当然ながら作品を見ていないことが前提。あとはネットで適当な画像を見て、中身を想像しながらレビューしていく。最低限の知識以外は仕入れてはいけない、という制限の下でレビューを行う。

「若女将は小学生」、日本アニメ特有のロリポップなポンチ絵だが、見た目に惑わされてはいけない、ハードでロックなアニメだった。上映時間が90分程度ということもあって、見終わるまで一瞬のように感じたが、見終わってみれば、社会と資本主義の有り様について、心底考えさせられるような映画となっていた。つまり、観客の目を引きつけて離さないエンターテイメント性と、重厚で現代的なテーマ性、この2つが見事に融合したアニメだったと言える。

まずはどうして小学生が若女将になったか、という理由からだが、これが現代的な身売り問題を抱えていて、考えさせられた。まるで「千と千尋」みたいに、少女が仕方なく旅館に勤務することになる。

女の子の実家は農家だったが、不作のために収入が激減、このままでは一家破産ということで、主人公は小学生ながらも怪しい旅館で働くことになる。そこは事故物件みたいな旅館で、幽霊が出没する。一番後ろにいる3人のガキどもがそうだ。ひとつ残念だった点を挙げるなら、少女の幽霊がいつも通りの「白い服」を着て髪が長い、というよくある見た目だったことだろう。あまりに類型的過ぎて、ここら辺はもう少し工夫したキャラデザインができたかもしれない。ただ、分かりやすいデザインだったことも確か。主人公も一目見るなり「あなた、幽霊?!」みたいな反応を示していたので、作者は分かっていると思う。

さて、そんなこんなで、幽霊たちにいびられながら旅館経営をする日々が始まった。最初は幽霊たちは主人公の言うことを聞かなかった。それに生きている主人公に嫉妬もあったのだろう。だが、やがて主人公の可哀そうな境遇を聞くにつれて、幽霊と主人公の間で心の交流が生まれて、最後の大団円へつながっていくのは、ベタながら見事なストーリーだった。資本主義の軛から逃れるには、死ぬしかないのかもしれない。いや、死んでからも旅館に捕らわれ続けた幽霊たちを見れば、資本主義というのはもはや人間の本能なのかもしれない。

名作映画『シャイニング』のラストと被ってしまったが、あっちは最終的に幽霊に取り込まれ、旅館の一部となってしまった。しかし、「若女将」は「少女の再生」を描いた。このあたりのテーマの差が、感動を生むか、恐怖を生むかの分かれ目であったのだろう。


以上、あくまでも「想像レビュー」でした!!

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