政治に関心を持ちたい方へ③(自民党って)

「安倍さんが所属しているのはわかっているけど」「自民党=不正多そう」「既得権益の塊」「なんやかんや選挙で消去法で選んでしまう」等、自民党への印象は様々だろう。ということで今日は政治の知識0の人でもなるべくわかってもらえるよう、自民党について解説していく

① 自民党をわかりやすく説明すると

戦後、自民党は選挙という多数決ゲームで、ほとんど勝利をおさめずっと国を動かしてきた。表現するならば「ゾンビ兼マンモス政党」である。とにかくめちゃくちゃ選挙に強いのである。

自民党の特徴としては「長いこと日本を動かしてきたノウハウがある」「業界団体とのつながりが強い」ことにある。特に後者に関しては、様々な企業とつながりがあり、票を獲得し選挙に勝つことができている(他にも勝利要因多数あり)。

皆様にわかりやすいところでいうと、少し前まで自民党はJAとの繋がりが強かった。JAは1013万人(准組合員含)会員があり、簡単に言えば自民党はこの1013万人の票を獲得できる&選挙活動を手伝ってもらえることが可能である。そして、JAは選挙を手伝ってもらった報酬として、自民党に自分たちに利益ある農業政策を行うようお願いするのである(現在はJAと自民党の関係は希薄化しているようだが)。※もちろん、全員が自民党に投票するわけではないが、あくまで目安として。

これゆえ、自民党の政治は業界の利益誘導の側面があり、それに対しての批判が多い。

② 自民党内の人間関係

ちょっと大きなサークルに所属しているとわかるが、どうしてもみんながみんな「一心同体」というわけではない。幹部の考え方と異なる考え方をもつメンバーもいるし、当然同じサークル内でも仲の良いメンバーだけで集まるということもある。

それは自民党も同じなのである。自民党内にはいろいろな考え方をもった人がいるのである。当然、安倍首相と同じ考え方をもっているわけではない。考え方が違うがゆえに、安倍首相(幹部)と距離をとる人だっている。

※今回の「10万円給付」でも党内で本当にいろいろな議論があった。

この人間関係は「派閥」として表現する。結局、政治も人間関係で成り立っているところもあり、それは会社もサークルともあまり変わらなかったりする。

では、自民党内の人間関係を理解する上で、自民党内の有力政治家を知っておく必要性があるので、以下で紹介を(なるべく)面白く紹介していく。この人物を知っておけば、「自民党に関する新聞は50パーセント」理解できるであろう。


③  自民党の政治家


安倍晋三内閣総理大臣(自民党総裁)

トランプが訪日した際、一緒にゴルフをしずっこけた首相として筆者は印象深い。ちょっとお茶目な性格ではないかと勝手に推察している。

実は以前にも1度総理大臣に就任したことがあるが、その際体調不良により辞職をした過去がある(正直、政権運営もうまく行ってなかった)。その後、2012年に首相に返り咲き、今年で政権運営約8年目である。このような長期政権を実現できることは簡単ではなく、むしろ失敗を活かした政権運営をおこなっている。すなわち、一回失敗をし、戻ってきた人間は強いのである。 

ちなみに筆者が思う安倍さんの一番の敵は、他政党でもなく自民党内の敵対グループでもなく、妻の昭恵夫人である。3月に大分旅行行っちゃあいけん・・・


・二階俊博自民党幹事長

わかりやすくいうならば「自民党のドン」。

幹事長というのは自民党内のとりま止め役である。ちなみに和歌山県の政治家であり、地元に大きな影響力をもっている。二階さんの選挙区に作られた国道は「二階道」と呼ばれるほどである。THE 自民党の政治家(利益誘導という意味で)。

安倍さんとも距離が近く、信頼も厚い。今年で80歳を迎えるおじいちゃんであるが、他の政党との政策調整もうまく、その老獪さには舌を巻く。

選挙特番で池上彰とやり合う場面が多々見られ、筆者のささやかな楽しみとなっている。

※SNSはやっていなかった


・菅義偉官房長官(すがよしひで)


通称「令和おじさん」。

新年号の発表の際には「令和」と書かれた額の文字が真っ先に映らないよう練習を重ねたらしい。好物はパンケーキ。

ちなみに相当な苦労人で、段ボール工場勤務→働きながら法政大学に進学→秘書→市議会議員→国会議員という経歴である。※法政大学は当時いちばん私立で学費が安かったため入学したらしい。

どちらといえば、あまり表にでないタイプで、安倍首相を陰で支える「参謀」「良き相談役」「裏方」というポジションである。

菅さんの凄いところは官房長官を歴代でいちばん長く務めていることにある。ちなみに官房長官とはあらゆる省庁からあがってくる政策を総合的に調節するポジションであり、すなわちそれだけ政治手腕が評価されているとの証左でもある。世間では次期総理候補とされているが、菅官房長官が立候補するかは本人のみぞ知る...


・石破茂元自民党幹事長

安倍さんとは一線を引いている政治家であり、次期総理候補最目玉。趣味はプラモデル作成とアイドル。

「キャンディーズは芸術そのもの By石破茂」

2021年に自民党がこのまま政権を担当していれば、この人の名前がメディアを賑わすので絶対に覚えておこう。最近は自民党内でも「安倍政権批判」をおこなっており、安倍さんとは違う路線を主張しつつある。批判をすることで、自分の考え方を打ち出し、差別化を図る目的があると推察される。

ちなみに総理大臣は多数派を占めるグループから、その党内の代表選挙を経て、首相となる(現在だと自民党内で代表選挙をし、その選挙に勝った人が総理大臣となる)。

2012年の自民党の代表(総裁)選挙では、決選投票が石破さんと安倍さんとなり、安倍さんが最終的に勝利し、石破さんは辛酸を舐めた過去がある。


岸田文雄政務調査会長

広島県選出で、石破さんにならんで次期総理候補として注目がされている。が、ここ最近岸田さんの影響力は低下しつつある。

歴代2位の外務大臣在任歴を誇り、現在では自民党政務調査会長(幹部職)についている。歴代2位の在任歴は結構凄いのだが、特筆すべきネタがないのが、岸田さんを紹介する上で困ったところである。逆にそれだけ安定しているとも解釈ができるが。

安倍さんとは異なる人間関係グループに所属且つそのグループのボス的ポジションである。石破さんほどではないが、適度に距離をとっている。が、たまに態度を表明することが遅いため、批判されることもしばしば・・・


とざっと自民党を知る上で重要な政治家を紹介した。

安倍さん側:菅さん、二階さん

適度な距離:岸田さん

遠い距離:石破さん といった感じに覚えていただければ幸いだ。

新聞をもし読む機会があれば、「二階さんは安倍さんよりの発言しているな」「岸田さんは最近安倍さんよりの発言しているな」等見てみると面白いかもしれない。

それによって、今後どう物事が動いていくか、その人がどのような影響力を持っているか、また、政治家として必要な決断力等が浮かび上がってくる。また、政治も人間関係で成り立っているところはあるので、発言によって従来の人間関係の変化を考察することもできるのも面白いところだ。

あえていえば、政治は恋愛の駆け引きみたいなもんです(駆け引きやったことないけど)。



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