訪れた美術展の感想文です。ただし、美術展全体の紹介や感想ではなく、「線スケッチ」の視点で鑑賞した内容に焦点を絞っています。視点としては、モチーフ、構図、線描、筆さばき、配色など技…
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<佐伯祐三展>大阪中之島美術館:湿り気の無い日本風景画は「街歩きスケッチ」そのものだ。パリの都市画はゴッホではなく筆墨文化の遺伝子では?(その2)
記事(その1)から続きます(最終回です)。 (2)第1次および2次パリ滞在の風景画について すでに、前記事(その1)の冒頭で、パリの都市風景についての全体感想を述べました。下に再掲します。 いきなり「ゴッホとは正反対だ」とか「筆墨文化の遺伝子」などと言われても読者は戸惑われるばかりかと思います。 以下、1924年からの第一次パリ滞在および1927年からの第二次パリ滞在で描いた風景画の感想をより理解いただけるよう順を追って述べていきます。 (1)1924年~1925