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「線スケッチ」の立場で美術展を鑑賞してみた

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訪れた美術展の感想文です。ただし、美術展全体の紹介や感想ではなく、「線スケッチ」の視点で鑑賞した内容に焦点を絞っています。視点としては、モチーフ、構図、線描、筆さばき、配色など技…
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#アート

「木村伊兵衛 写真に生きる」(東京都写真美術館):白黒スナップショットから街歩き…

(長文になります) はじめに 私のNOTEの記事のテーマは、「線スケッチ」に関連するものです…

展示「国宝 松林図屏風」(東京国立博物館)その1:知識、経験が変われば見方も変わ…

はじめに 昨年東京国立博物館で開催された<やまと絵>展を訪れた時に、博物館の広報を読ん…

「江口寿史展 ノット・コンプリーテッド」(世田谷文学館)その2. 漫画・イラスト両…

はじめに 1月21日に投稿した江口寿史展の記事、その1では、「線スケッチ」に役立つ江口氏の…

「北宋書画精華」展(根津美術館):水墨画鑑賞2023年の振り返り、白眉を飾る北宋山水…

はじめに 昨年は、水墨画の勉強に始まり、水墨画の美術展の鑑賞にほぼ注力した年でした。 …

「小村雪岱」展・補遺2:泉鏡花「日本橋」の装幀画は仏画の三部構図だった?

はじめに 本稿は、昨年訪問した清水三年坂美術館の「小村雪岱」展の記事の中の、小村雪岱の…

「小村雪岱」展・補遺1:春信は知っていた!「線遠近法」とその「ハイブリッド描写」

はじめに 昨年末、12月31日付で「小村雪岱」展(清水三年坂美術館)の訪問記を投稿しました。…

「小村雪岱」展(清水三年坂美術館):白黒挿絵の改革者雪岱。配色は鈴木春信へのオマージュ?黒ベタは本当にビアズリーの影響か?

はじめに 11月2日付の下記の記事の中で、清水三年坂美術館の「小村雪岱」展が開催されていることを偶々知り、入館したことを記しました。  すでに美術展は終了していますが、感想を紹介したく記事にいたします(読者の皆様へ:書き終わってみると当初の予想と違い、短編小説なみの長文になってしまいました。いつもならシリーズに分けて投稿するのですが、内容の連続性を考えてこのまま投稿します。時間の余裕が無い方は、申し訳ありませんが余裕を持って読んでいただくか、章に分けてお読みいただければと思

東京国立博物館<やまと絵>展:おそるべし雪舟!あなたは桃山障壁画の祖か?なぜ樹木…

はじめに 前回の記事で、東京国立博物館で行われている「やまと絵」展で典型的な「やまと絵…

東京国立博物館<やまと絵>展:「やまと絵」展なのに「水墨山水」の本質を体得したか…

はじめに 先月、国立博物館の「やまと絵」展が始まった次の日に訪問してきました。本格の感…

<発見された日本の風景>日本橋高島屋:やっと出会えた幕末・明治の絵;やはり明るか…

 本記事は感想の前に背景説明をいたします。これまで考えていたことを一つの記事にまとめたの…

<マティス展>東京都美術館:これでよいのか?人生最高傑作のヴァンス礼拝堂;なぜデ…

前回の記事その1から続きます(最終です。長文になります)。 2巡目の最後に予想外の事実が…

<マティス展>東京都美術館:これでよいのか?人生最高傑作のヴァンス礼拝堂;デッサ…

 今回、東京都美術館で開催されている「マティス展」を訪問しました。その結果、予想外の心の…

<アンディー・ウォーホル・キョウト展>京都市京セラ美術館:思いもかけずウォーホル…

はじめに 昨年末、関西の実家に行ったとき、京都を訪れました。街歩きスケッチのためですが…

<木島櫻谷ー山水夢中展>泉屋博古館東京:とにもかくにも写生帖の樹木表現に注目! はからずも「水墨山水」鑑賞の第一歩に(その2)

記事(その1)から続きます。 (2)感想:「山水画」と木島櫻谷  前回の記事の「はじめに」で述べたように、この展覧会を訪れた最大の理由は、「写生帖」を見に来るためでした。そのため、展覧会の題名すらよく見ずに会場を訪れたのです。  私は木島櫻谷を「日本画家」だとしか思っていなかったので、日本画が展示されていると思い込んでいました。しかし予想外に山水画が多く展示され様子が違うので、あらためて美術展の題名をよくみると、副題に「山水夢中」とあるではありませんか。  どのような