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「線スケッチ」の立場で美術展を鑑賞してみた

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訪れた美術展の感想文です。ただし、美術展全体の紹介や感想ではなく、「線スケッチ」の視点で鑑賞した内容に焦点を絞っています。視点としては、モチーフ、構図、線描、筆さばき、配色など技…
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#浮世絵

国宝障壁画展示《楓図》《桜図》(智積院・宝物館):茫々60年、あれは夢・幻だったの…

(長文になりますのでお気を付けください) はじめに このnoteのどこかの記事で、私がいかに…

「小村雪岱」展・補遺2:泉鏡花「日本橋」の装幀画は仏画の三部構図だった?

はじめに 本稿は、昨年訪問した清水三年坂美術館の「小村雪岱」展の記事の中の、小村雪岱の…

「小村雪岱」展・補遺1:春信は知っていた!「線遠近法」とその「ハイブリッド描写」

はじめに 昨年末、12月31日付で「小村雪岱」展(清水三年坂美術館)の訪問記を投稿しました。…

「小村雪岱」展(清水三年坂美術館):白黒挿絵の改革者雪岱。配色は鈴木春信へのオマ…

はじめに 11月2日付の下記の記事の中で、清水三年坂美術館の「小村雪岱」展が開催されている…

<ヴァロットン 黒と白展> やはり行くことにしました:黒と白はどこから? 肖像画…

(前回の記事から続く)  今回の記事で最後になります。 ヴァロットンの卓越した分野に肖像…

<ヴァロットン 黒と白展> やはり行くことにしました:黒と白はどこから? 肖像画…

(前回の記事から続く)  補足説明を始める前に、その2で示した全体感想の中から今回補足説…

<ヴァロットン 黒と白展> やはり行くことにしました:黒と白はどこから? 肖像画における引き算について その2

(前回の記事から続く)  補足説明を始める前に、その1で示した全体感想の中から今回補足説明する箇所を抜き出して下に示します。 2)日本の絵の影響について(雨、太陽、空、雲、霞)ゴッホの素描との関連で考える 主催者は、ヴァロットンがナビ派の画家なので、日本の絵画、特に浮世絵版画からの影響があることは自明の事だと考えているためなのか、今回の展覧会では、日本の絵画の影響に特別焦点を当てた解説や特別コーナーはありませんでした。  ここでは、展示された木版画の中で、雨、太陽、空、

<新版画展>千葉市美術館 その5. 第一世代の外国人作家 バーサ・ラムの画業と生涯

(前回の記事より続く)  この回ではヘレン・ハイドと同じく女性で、第一世代の外国人作家の…