様々なカプセルと人生
この建物にはいろんな人生がつまっている。
つくづくそう感じる。
たまに廊下で挨拶する程度の仲だった人が
廊下で片付けをしていたある日。
いつも通り挨拶すると退去とのこと。
もう20年以上使っていたカプセル、
築49年のうち20年も連れ添った主との別れ。
もう汚い部屋だよと笑っていたけど
まるで親子の別れか
長年連れ添った友人との別れのようで
かなしかった。
最近になって雨漏れしだしたそうで
手作りされた雨どいがつけられていた。
昔はあそこのカプセルから水が漏れて
大工さんが頑張っていたようだとか。
ずっとご自身のカプセルと
このビルと共に生きてきたのだ。
大切に使われてきたであろう
オリジナルの家具たち。
青い絨毯。
くもりひとつない窓からの景色。
このビルでは窓は連なっていないので
ひとつとして同じ景色はみれない。
それぞれの窓からの景色は
そのカプセルにいた人にしかわからない。
人生を共にした景色になるはずだ。
ずっとずっと見ていたい景色だった。
そしてそんな方の旅立ちのときに
ご一緒できて大変光栄な1日だった。
▲我が家からの景色。どこかのカプセルがみえる。
📷️ 関係ないしゃぼん玉
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