英内閣府、NASAの「ミッションコントロールセンター」スタイルを採用か?

英国の内閣は「Nasaスタイルのミッション・コントロール・センター」を設置しようとしている。

大型スクリーンはまた、政策の進捗状況やコロナウイルス危機に関する詳細なメトリクスを表示し、データをもとに次に何をすべきか指示を飛ばすーー。

ボリス・ジョンソン英首相の上級顧問を新しく務めるドミニク・カミングスによると、英国政府を改善する簡単な方法の一つは、意思決定のためのオフィスを徹底的に変えるべきだという。カミングス氏が彼のやり方を手に入れれば、英国の格式張った伝統ある家具類ーー磨かれた木のテーブル、暖炉、カチカチ音のするアンティーク時計がは首相官邸からは消えてしまうだろう。そしてスクリーンや予測コンピュータモデル、未検証の認知ツールがその代わりに導入される。

首相官邸や閣僚事務所の強化は、ボリスジョンソン首相が進めている内閣への権限の集中とシンクロする提案だ。 


ドミニク・カミングス氏は、離脱派のチーフストラテジストを務めて以来、読書や執筆に時間を割くために公の場から身を引いている。政府を改革する方法についての彼の考えは、彼の魅力的なブログで見ることができる。最近の投稿では、ホワイトホールを変革するための様々な解決策を概説している。その中には、パフォーマンスの高いチームの構築、予測トーナメントの活用、「プレモルテーム」の実施、「レッドチーム」の創設、新しいデータ可視化技術の活用、計算モデルの活用、メガプロジェクトに関する最近の考え方の活用などが含まれている。

カミングスの改革のためのアイデアの多くは良いものである。厳しい決断を下すために予測トーナメントを実施するという彼のアイデアは、おそらく最近の予測に関する研究の中で最も優れたものに裏付けられている。意思決定者に、自分たちが取り組んでいるプロジェクトが大失敗に終わったと想像させることで事前検死を行うという彼の提案は、消防士から中央銀行員まで、誰もが頻繁に利用している。また、支配的な視点に明確に挑戦する「レッドチーム」を作るというカミングスの提案は、組織が自らの仮定に疑問を抱くことを促すための素晴らしい方法でもある。


しかし、カミングスの公務員改革のためのアイデアの多くは、ブログ上では素晴らしいように聞こえるが、実際には悲惨な結果になる可能性が高い。これらのアイデアの最初のものは、ホワイトホールの意思決定者が働く空間を再設計することである。カミングス氏は原子力発電所の制御室のような「見える空間」を作ることに熱心だ。アクション映画の中ではクールに見えるかもしれないが、現実はそこまで上手くいくとは限らない。


#ドミニク・カミングス



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