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HARICOGRAPHY_2021 SUMMER Flyer

 2021年6月某日。昨年夏から延期された東京五輪直前ですが、明日がどうなるのか全く予想がつきません。それでも世の中の喧騒とは全く別の次元で、季節は淡々と移ろい行きます。春が過ぎて桜が散り、雲が徐々に立体感をともなって大きくなり、やがて湿度が体にまとわりつく夏がやってきます。
 夏について思い出すのは、一層鮮やかになる山野の緑や空と虫の鳴き声、ビーチの砂の熱さや皮膚にまとわりつく潮風、夕立の後の匂いや蚊取り線香の香り、かき氷をすくい舌先にのせた匙の冷たさ、全てを灼くような強い日差しとぼんやりした月の夜など、挙げればきりがないほどです。
 そういった季節の風物に触れること。それ自体が、自らの立つ地面や周囲を照らす光を集める行為だと感じます。その光は大昔から今にいたるまで、政治や経済などとは違う次元に確かにあり続けているのだろうと、近頃は強く思います。
 梅雨が終わり、夏の青く高い空にそびえる入道雲と眩しい太陽のもとで、皆さまどうぞ健やかにお過ごし下さい。

HARICOGRAPHY 渡部剛(2021年6月 燕が低空飛行をする梅雨空の西荻窪にて)


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