見出し画像

HARICOGRAPHY_2023 SUMMER Flyer

 春に第一子が誕生し、子育てに追われ気付けば酷暑の夏。初めての子育ては試行錯誤の毎日で、大変ながらも改めて自分の人生を生き直すような気持ちになります。例えば、子が言葉を身につける前のコミュニケーションについて。新生児期は不快な状態(空腹・排泄など)を泣くことで表し、親は泣かれることでそれを察知します。もう少し時間が経つと、子の表情や声色、体の動きなど、全身を使った複雑なコミュニケーションへと移行します。このプロセスを現在の言葉に頼る自分も通過して来たのかと思うと、感慨深さや奇跡を目の当たりにしているような驚きを感じます。このように日々成長する子を観察し、子が発する徴候や気配を察知して応答することは、季節の移ろう気配を感じて張子制作に活かす自分の日々の営みと重なる部分がとても多い気がしています。
 8月に入り夏本番、狸と狐が季節の風物を楽しむシリーズ最新作の「葉狸狐(はりこ)の肝試し」をつくりました。人をだまして悪事を働く者をたとえて「狐狸妖怪(こりようかい)」と呼びますが、こちらは近所の子ども達を驚かそうと柳の葉を使ってチチンプイプイ、「提灯お化け」と「一つ目小僧」に化けようとする狐と狸です。

HARICOGRAPHY 渡部剛(2023年8月初頭 百日紅の花が目立ち始めた灼熱の西荻窪にて)

張子制作に使う粘土や和紙や糊やジェッソや絵の具や筆や竹串やなんやかんやを買いたいのでサポートしてください!!